ホームの横浜が湘南のサッカーをやらせないまま90分を終えた試合でした。

試合が動いたのは、前半9分。齋藤学が二人に囲まれながら最前線にいる兵藤慎剛に縦パスを通すと、兵藤がヒールで落とし、アデミウソンがペナルティアーク付近でダイレクトで合わせてゴールを決めました。コンパクトな振りで遠藤航のタックルもおよびませんでした。

当然、湘南は取り返さなければならないのですが、守備から入る横浜相手に攻め込めない展開が続きます。こうなると得意のカウンターもなかなか仕掛けられません。かといって、遅攻からの連動した崩しができないため、永木亮太や遠藤がミドルシュートで打開を図ろうとするも、ゴールには至りません。

また、1トップのブルーノ・セザルにボールが収まらなくてカウンターが失敗に終わったシーンも26分、27分と立て続けに見られました。

逆に横浜は30分、右サイドから左に揺さぶり、下平匠がクロスを上げると、アデミウソンがヘッド。ここは秋元陽太がセーブしました。

後半に入ると、湘南はひたむきに守ってチャンスをうかがいますが、秋元はさらに忙しくなります。12分には齋藤が、17分にはアデミウソンがゴールを脅かし、それらをセーブして難を逃れました。

すると横浜は湘南のお株を奪うようなカウンターを披露して、チャンスに結びつけていきます。35分、富澤清太郎がスライディングでボールを奪うと、ラフィーニャとアデミウソンでカウンターを仕掛け、最後はアデミウソンがシュートを放ちますが、サイドネットを揺らすにとどまりました。

そして40分、高い位置で喜田拓也が菊地俊介からボールを奪い、ドリブルでペナルティエリアまで運ぶと、最後は並走していた齋藤に預けます。齋藤は左足で合わせてファーサイドのネットに流し込みました。勝利を確実にする2点目が生まれました。

49分にはキム・ジョンピルのパスを自陣でCBのファビオが阻止し、クリアされたボールをラフィーニャが収めてドリブルをスタート。湘南DFを引き付けてからフリーの富澤にボールを渡し、富澤が3点目をゲットします。

湘南は遠藤のシュートがクロスバーを叩く場面もあったものの、中澤佑二を中心にした横浜の守備網を最後まで破りきれず、3試合連続無得点に終わってしまいました。