序盤からさかんにプレスをしかけた山形が、粘りに粘って公式戦連勝、そしてリーグ戦初勝利を手にしました。

一時は中村憲剛を中心として最終ラインの背後を狙う川崎に主導権が渡りかけもしましたが、前半27分以降は流れが山形に傾きました。最初の絶好機が訪れたのです。

左サイドで囲い込んでボールを奪うと、山﨑雅人が右サイドに展開します。これを受けた船津徹也がディエゴの空けたスペースにパスを送りました。猛然と走り込んだキム・ボムヨンはシュートを決めるだけというようなビッグチャンスでしたが、スライディング気味のシュートはうまくミートせず、西部洋平が難なくつかみました。

33分、36分にはディエゴの惜しいシュートもありました。特に後者は3人がかりでレナトからボールを奪った流れで生まれたチャンスでした。

後半になっても山形のプレスは衰えません。逆に川崎は全体のバランスが悪く、中盤にぽっかりスペースをつくった場面もあったほど。さらに悪いことに17分には、日本代表の小林悠が右太もも裏を痛めて負傷退場するアクシデントが発生。交代カードを一枚切らざるを得ませんでした。

試合が動いたのは、後半29分。船津の高いクロスを川西翔太とエウシーニョが競り合ってこぼれたボールを、キム・ボムヨンがダイレクトで振り抜き、豪快にゴールネットに突き刺しました。押さえのきいたすばらしいシュートでした。

ゴールという果実のおかげで、山形は勢いづきます。守備を固めて、川崎のボールをブロックの中に入れさせず、思うように攻めさせません。さすがに終盤になると、カウンターアタックをしかける体力は残っていなかったようで、ゴール前で防ぐのが精いっぱいになりましたが、引き過ぎになることなくそのまま逃げ切りに成功しました。

一方、フロンターレは持ち前の相手を翻弄するパスサッカーができないまま、90分を終えました。絶好機と呼べるものもつくれず、カウンターも不発に終わり、後半11分には大久保嘉人がいらだつシーンも見られました。結果的には山形の粘りに屈した試合でした。