U-22日本代表にとっての国内でのお披露目は、強化になったとは言いがたいワンサイドゲームになりました。それは前半29分までシュートがなかったとはいえ、若手の成長著しいミャンマーが決してベタ引きすることなく、真っ向勝負を挑んできたからです。

加えてGKチョー・ジン・ヒョーの捕球能力の低さにも助けられました。たとえば、8分の先制点は、大島僚太に代わって先発した原川力の狙いすましたシュートを後逸し、それを鈴木武蔵がプッシュして生まれました。

続く13分に中島翔哉が体を少しひねりながらシュートを決めて、リードを2点に広げてからの日本は、前線に人数をかけて遠慮なく攻めだします。

21分、CKから岩波拓也が、25分、鈴木が山中亮輔のクロスに頭を合わせてゲット。41分、荒野拓馬からのスペースを狙ったボールを受けた鈴木が、左サイドからファーサイドを狙ってハットトリック。42分、遠藤航のスルーパスに反応した中島が右足を振り抜くと、ゾー・ウィンに当たってコースが変わりゴール。前半アディショナルタイムには、すばやいリスタートをした中島がループシュートでハットトリックを達成しました。申し分ない45分です。

後半、7点リードされているにもかかわらず、ミャンマーは鳴り止まない応援に応えるように、開始早々プレッシャーをかけますが、ゴールを奪ったのは日本でした。6分に松原のクロスに左足を合わせて鈴木。15分、野津田岳人のシュート性のクロスを中島が右肩で決めます。

その後は日本のシュートの精度が下がり、加えて運動量が落ちて引き気味になったミャンマーを攻略しきれません。代わって入ったGKゾー・ゾー・ナインの好セーブにも阻まれました。

逆に38分、右サイドで植田直通がカウン・サ・ナインにボールを奪われ、クロスを上げられてしまいました。幸いタン・テッ・アウンの飛び込みが遅れたため、GK中村航輔が難なくキャッチして大事には至りません。

結果、9対0。壮行試合としては景気のいいスコアでした。

ただ、大量点を取ったチームには酷な要求かもしれませんが、リオ五輪1次予選が中1日で3試合戦うスケジュールであることを考えると、開始から5人を代えた後半の失速は不安材料と言えそうです。予選には一部の試合で海外組の久保裕也、南野拓実が出場可能とはいえ、安心はできません。