GKを海堀あゆみに代え、フィールドプレーヤーには1戦目のメンバーを主体に、2戦目で好調だったDF川村優理、MF宇津木瑠美、FW菅澤優衣香を配したなでしこジャパン。強豪フランスとの落とせない一戦に臨みました。

試合は終始スピード、フィジカルで勝るフランスペース。日本は相手のプレッシャーとパスコースへのアプローチが鋭くてボールを思うように動かせず、危ない位置でボールロストする場面が目立ちました。

前半はフランスのフィニッシュの精度が低かったこともあり、ピンチになったのは、16分にウジェニー・ルソメに最終ラインの裏を抜けられてシュートを打たれた場面くらい。この時は海堀が止めて凌ぎました。

しかし後半になるとフランスがペースアップ。不運なPKでガエタン・ティネに決められ追いつかれると、25分には大儀見優季が自陣でボールを奪われ、テンポよくパスを繋がれて、ルソメの豪快な逆転弾を許します。

とどめは39分。ティネがプレッシャーをかけて阪口夢穂のパスミスを誘発すると、そのボールをゴール前まで運んでフィニッシュ。残り時間が少なくなってきた中で、フランスの首位通過を決定づける、日本にとっては痛恨の一撃でした。

90分を通じての日本の唯一の決定機は、得点が生まれた43分しかありません。ローラ・ブローのクリアミスを拾った大儀見が菅澤へ浮き球のパス。菅澤がDFを背負いながら川澄奈穂美に落とすと、川澄がアウトにかけたシュートをゴール右隅に決めました。ここではデンマーク戦の1点目同様に見事な形を披露してくれました。

ただ、形さえつくれればゴールを奪える力を備えているものの、その形がほとんどつくれなかった試合であったのはまぎれもない事実。デンマークがポルトガルと2対2の引き分けに終わっただけに、残念な負けになりました。

なでしこは各グループ3位のうち、獲得勝ち点がもっとも低かったため、9位決定戦に回ることに。フランスとアメリカが優勝を、スウェーデンとドイツが3位の座を賭けて戦えるのに対して、ワールドカップ連覇を狙うなでしこはオフ明けの選手が多いとはいえ完全におくれを取ってしまった格好です。

そのなでしこの相手は、グループリーグ無得点のアイスランドです。中1日というタイトなスケジュールを考慮して、主力組が揃って出てくる可能性は高くないかもしれませんが、ピッチに立つメンバーでチャンスの形を数多くつくり、前線でのボール回しの感覚を取り戻してほしい試合となります。