せめて1勝をと臨んだ最終戦。ところが開始早々、リサ=マリエ・カールセン・ウトランのシュートにヒヤリとさせられ、嫌なスタートを切りました。

とはいえ、技術、スピードでは前に戦ったスウェーデンより劣っていたため、徐々にリズムをつかめるようになり、自然と日本の時間帯が生まれます。あとは肝心のシュートが枠をとらえられればという展開で、チャンスを生かしきれません。

前半の決定機は、38分と40分に立て続けに訪れました。ともに左サイドを使った崩しでゴールに肉薄。右サイドハーフの増矢理花、ボランチの柴田華絵がそれぞれシュートを放つも、ノルウェー守備陣に止められてしまいました。

待望の先制点は、後半25分。この日先発の白木星がスウェーデン戦と同じような形で、ゴールを決めます。右サイドからイングリ・エステヴォル・ステネヴィクを振り切って、ペナルティボックスに侵入。そのままシュートを放って逆サイドのネットを揺らしました。

ここからさらに畳み掛けたいところでしたが、徐々に運動量が落ちて失速気味に。フレッシュな選手を投入し、同点ゴールを奪いに来たノルウェーに押し込まれます。幸い、危険なエリアでのプレーに迫力と精度がなく、大事には至りませんでした。

結果、会心の勝利とは言えなかったものの、1対0で今大会初勝利をおさめます。終わりよければすべてよしとは締めくくれない内容に、選手たちの笑顔も控えめでした。

振り返れば、試合を追うごとに連携面が向上した今大会。その中で輝きを放ったのは、個の力を見せつけた身長170cmのFW白木です。2得点1アシストという数字だけでなく、見ていて安心していられるポストプレーの安定感も見事でした。今後は今シーズンより所属する浦和レッズレディースでの活躍が望まれます。