22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

2026年06月

森保一監督はベストメンバーを出して、オランダに負けじと圧勝を目指し、是が非でも首位通過を狙うのではなく、中3日で次戦を迎える可能性が高いことを考慮しての人選をしました。よって佐野海舟、冨安健洋といったプレーヤーには出番を与えませんでした。

スウェーデンはビクトル・ギョケレシュ、アレクサンデル・イサクだけでなく、アンソニー・エランガも先発に起用。攻撃力を増した状態で勝負の第3戦に臨みました。

前半はスウェーデンがロングボールを連発します。かつての日本が大の苦手とした戦い方をしてきましたが、板倉滉から谷口彰悟への途中交代はありながらも冷静に対処します。20年前とはまったく別のチームです。

見せ場の少ない45分を終え、後半にゲームが動きます。日本の華麗なボール回しが披露できるようになり、その流れで堂安律からの斜めのパスを受けた前田大然が落ち着いてフィニッシュ。56分に先制点を奪います。

しかし、負けると立場が危うくなりかねないスウェーデンが、ここからギアを上げて攻めてきました。ロングボールは効果がないと判断したか、つなぐ攻撃を選んでおり、エランガのボックス角手前からの強烈なシュートが決まりました。日本のリードはわずか6分で消滅します。

日本はすぐさま伊東純也と小川航基を投入。負ける気はないと言わんばかりのカードを切りました。

ただ、試合の主導権自体はスウェーデンに握られており、終盤にかけては鈴木彩艶の再三にわたる好セーブに救われました。

アディショナルタイムに入るころにはタイスコア、勝ち点4での2位通過を受け入れるかのように、無理には攻めませんでした。下手にボールロストして逆転を許すわけにはいきません。

7分の追加時間の後、互いに勝ち点1を分け合った日本とスウェーデン。ともに次のラウンドに駒を進めます。

優勝宣言をし続ける日本は、歴代最多の優勝回数を誇るブラジルとの対戦が決まりました。かつてあったコンフェデレーションズカップでの対戦は多い両国ですが、ワールドカップでの対戦は2006年、ドルトムントで惨敗して以来、2回目となります。

ビッグクラブに在籍するタレント揃いのセレソンとはいえ、中盤のサイドにスペースができやすいため、システムのかみ合わせの上でも日本のウイングバックがカギになるかもしれません。

史上初めてのノックアウトステージ初戦突破なるか。運命の一戦の舞台はヒューストンです。


鬼門の2戦目、普段通りに誰が出てもサボらず90分間戦い続けた日本は、4-0の快勝で勝ち点3を獲得しました。

負ければ敗退が決まるチュニジアが自陣深くでしっかり構えるかと思われましたが、大会中に監督をエルベ・ルナールに変えたチームは5-4-1を敷いたとはいえ、さほど強固な守備ブロックをつくりませんでした。

それもあって日本は早々に先制します。開始4分、中村敬斗がカットインからのシュートを封じられるも縦に進み、左足でクロスを入れると鎌田大地がヒールで合わせてみせました。

楽になった日本は悠々とゲームを進めます。モンテレイのスタンドからは「ハポン」コールや「オーレ」の声が上がりました。

ハイドレーションブレイク後、チュニジアが強く出てくる風でもなく、31分には上田綺世が強烈な一撃を見舞います。一度はボックス外からのシュートを狙いかけましたが、もう一歩進んでボックスのライン際から放ったフィニッシュはサイドネットに突き刺さりました。

ハーフタイム明けに2枚代えを行ったチュニジアですが、システムは変更しません。ハンニバル・メイブリが絡んだ多少危ない場面もありつつも、無失点のまま時間が経過します。

後半のブレイク前には田中碧の鋭い縦パスを上田が浮かせ、抜け出した伊東純也が冷静にフィニッシュ。リードを3点に広げてさらに優位な立場に立ちました。

安全圏に入れたことで森保一監督は、ピッチを奔走した堂安律や鎌田に中村、そして負傷が怖い冨安健洋をベンチに下げます。代わりにワールドカップの経験が少ない選手を多く送り込みました。彼らのパフォーマンスも安定しており、日本は常に一定の水準が保たれています。

83分にはポケットに走り込んだ佐野海舟の柔らかいクロスを上田が頭で合わせて4点目を奪います。屈辱とも言える4失点を喫した試合は、これまでにもドイツでのブラジル戦やブラジルでのコロンビア戦でありましたが、この日は日本が4ゴールを記録しました。

最後までぬかりなく戦い、チュニジアのシュートをわずか2本に抑えて、クリーンシートでタイムアップ。鈴木彩艶も守護神としてミスのないプレーを続けました。

次のラウンドへの進出は濃厚になったものの、1位ないしは2位通過した際に当たるグループCのチームの順位が気になります。優勝したいならどんな相手でも構わないと言いたいところですが、スウェーデン戦前日に判明する結果を受けて、日本がどう振る舞うかにも注目です。


3年前のアジアカップ、伊東純也の離脱直後のイラン戦は逆転負けを喫して準々決勝敗退に終わりました。今回はチームの柱、キャプテンの遠藤航が離脱することとなり、集団としての真価が問われる一戦でしたが、選手たちは動揺することなく勇敢に戦い、勝ち点1をもぎ取りました。

前半は立ち上がりこそ強度高く向かい合ったものの、ドニエル・マレンのシュートを鈴木彩艶の好セーブで凌ぐと、次第に迂闊な失点をしまいと慎重な戦いに変わりました。初戦を勝ち点0で終える怖さを両者が考慮していたためです。

どちらも最終ラインでは余裕をもってボールキープできる、一見すると退屈に見える展開でした。両者にらみ合う中、日本は中村敬斗や上田綺世がゴールを狙うも、枠内にシュートを持っていけません。

ただ、意外だったのはオランダが守備時に5-4-1に変化したことです。それだけ日本を警戒していたのかもしれません。

スコアレスで折り返すと、後半は一転して点の取り合いと化します。セットプレーの流れでフィルジル・ファン・ダイクに易々と決められるも、久保建英が左に流れて中村のニア狙いのフィニッシュですぐさま同点。中村のシュートコースにいた前田大然がオフサイドかどうかが問題でしたが、ミッキー・ファン・デ・フェンが残っていたため得点が認められます。

7分後、クリセンシオ・サマービルに勝ち越されますが、伊東のコーナーキックから小川航基が頭で合わせ、最後は鎌田大地に当たって再び追い付きました。

しぶとく食らいつく強さは今大会も継続していました。オランダはナタン・アケを入れて、可変なしでDFを増やし、守備固めをしたはずなのにゴールを許した格好です。日本は2トップへの変更もはまり、その点でも価値ある同点劇でした。

グループ3位でも次に進めるレギュレーションだけに終盤は無理をしませんでした。不用意にボールロストして3点目を奪われるわけにはいきません。賢明な判断で90分を戦い終えました。

心配なのは久保の状態です。左膝を痛めた背番号8は、攻撃面でのクオリティの高さのみならず、この日は堂安律とダブルチームでコーディ・ガクポに自由を与えない献身ぶりも見せていただけに、離脱だけは回避してほしいところです。

一方、前半のほとんどの時間で消えていた佐野海舟は、ハーフタイム前にファン・ダイクのパスを巧みにカットして以降は持ち味を発揮。勝ち上がっていく上で不可欠な選手が状態を整えてきました。

誰が出ても確実に試合をコントロールできる。成熟した日本は多少のことでは揺るぎません。


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