22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

2025年09月

前半の押し込まれ具合からすると、川崎にとっては相当残酷な結果になりかねない雰囲気でした。それでも伊藤達哉のゴールで振り出しに戻し、ハーフタイムに入れたのは幸いでした。

この日はラザル・ロマニッチを中心としたハイプレスを時折使い、それが実ったPK奪取もありました。伊藤が倒され、ロマニッチが加入後初ゴールを記録します。

その8分後、連動した攻めで垣田裕暉に決められ、さらにウイングバックのジエゴには寄せが遅れてボックス手前からゴールを許します。

完全な柏ペースで、川崎は懸命に自陣深い位置で守らざるを得ない時間が続きました。点差を広げられる可能性もゼロではありませんでした。

修正しきれないままひたすら耐えた中で、柏の変化をつけたコーナーキックを突いたのがマルシーニョでした。単独でのロングカウンターは実らないものの、伊藤の得点に結び付きました。

後半、脇坂泰斗の体をひねっての左足が炸裂し、またも一歩前に出ます。山本悠樹のパスをマルシーニョがヒールで落としてつながれたボールでした。

柏への対応が整理され、守備が安定しつつあった川崎。ただ、中川敦瑛のアウトにかけたミドルで追い付かれてしまいます。その前にロマニッチが決定機を外したことが悔やまれます。

とはいえ、このままでは終わりません。宮城天と最後までスタミナが落ちない三浦颯太とで左サイドを攻略。三浦のクロスにロマニッチが今度は確実に合わせて4-3とします。

これで逃げ切れるかに思われましたが、途中出場の三丸拡の無回転ミドルが決まり、柏に三度同点にされました。

互いに勝ち点3だけを求めて死力を尽くすも、これ以上の得点は生まれません。終盤の柏のカウンターは、フィリップ・ウレモヴィッチと佐々木旭が集中した対応で防ぎました。

7位の川崎としては上位相手にホームで勝ち切りたいゲームだっただけに、好ゲームだったとしても勝ち点1ではやはり足りません。




終盤の逃げ切り策として、最終ラインを5枚にするのは妥当な方法ではあります。しかし、この日の川崎は守備への意識が強くなり過ぎ、後方に人数が固まる形になりました。

幸い逃げ切りには成功したのですが、11分と設定されたアディショナルタイムの大半で湘南の猛攻を受け続ける格好になります。

湘南には序盤にも苦しめられます。ロングボール主体の攻撃で押し込められ、川崎のビルドアップ時にはハイプレスを仕掛けられ、思うようにボールを動かせません。

それでも前節の反省を活かした、ボックス内でのシュートを意識した攻撃を仕掛けたことで、ペースを握り返しました。その攻撃はカウンター中心ながら、エリソン単独でのドリブルからのシュートは際どいコースに飛びます。

先制点は山口瑠伊が起点になりました。守護神のロングキックをマルシーニョが収め、山本悠樹がダイレクトで三浦颯太にパス。三浦が得意のクロスを入れ、脇坂泰斗が丁寧にフィニッシュ。今回は前節とは違ってオンサイドでした。

前半を通して湘南の決定機は、松本大弥の強烈なフリーキックくらいで、ここは山口が好セーブを見せて失点を免れます。

後半に入ると湘南はボールをつないで攻め始めます。それでも落ち着いて守った川崎は、脇坂のフリーキックを鈴木章斗が手で触り、PKを得ます。

VAR判定でオフサイドかどうかの確認に時間を要したためか、エリソンはキックを失敗。すぐさまボールに詰めるも得点できません。

一方、河原創のハンド疑惑はお咎めなしに終わり、迎えた80分。途中出場の小林悠が粘り強く上げたクロスが流れたところを、伊藤達哉が合わせて点差を広げます。

時間を考えれば、勝利を確実にした1点のはずでした。ところがすぐさま1点返されてしまいます。

こうなると強気に変わるホームの湘南。最低でも同点に追い付かんと攻めてきます。川崎はそれに対して冒頭のように守備者を増やしました。

かろうじて逃げ切った川崎。アウェイの神奈川ダービーは2試合とも勝利で終えました。



ベンチを含め中盤から前の選手が再び揃い始めた川崎。この日はエリソンとラザル・ロマニッチの2トップで臨みます。

キックオフ当初は長倉幹樹にシュートを打たれた川崎でしたが、徐々に押し返すようになりました。ただ、主導権を握り返しながらも小さなミスが散見され、東京にボールを明け渡すシーンが増えます。

23分には左右に揺さぶられ、中央にいた遠藤渓太のヘッドで先制を許してしまいました。その後は東京に川崎の左サイドを使われます。

マルコス・ギリェルメのゴールはオフサイドで取り消され、仲川輝人に許した絶好機はボールが枠を外れたため、追加点だけは与えずに済みます。

川崎はボックス外からのシュートが多く、蹴る力はありますが枠を外れるばかりでチャンスには至りません。

1点ビハインドで折り返した後半、キャプテンの脇坂泰斗がロマニッチに代わって登場。中盤でボールをつないで捌く役割を担います。

いつもの形に戻った川崎はボールの循環がスムーズになり、押し込む機会が一気に増えます。しばらくは一方的に攻めるも、次第に東京のカウンターが脅威となり始めます。

それでも得点が欲しいホームチームは果敢に攻めますが、そこに立ちはだかったのがアレクサンダー・ショルツでした。彼が川崎のチャンスをことごとくつぶしてしまうのです。

山本悠樹のパスに抜け出たマルシーニョのシュートがブロックされるなど、ボックスからのシュートはほとんど塞がれます。

ファン・ウェルメスケルケン・際のスルーパスに抜け出した伊藤達哉のシュートは、ショルツの及ばない場面でしたが、惜しくも枠をとらえられません。

終盤、久々に帰ってきた家長昭博、さらに宮城天、橘田健人がピッチに入り、攻撃の圧力を強めます。しかし1点は遠いままでした。

90+3分、脇坂の魂のこもった一撃がネットを揺らしたものの、その前にパワープレーで上がっていたフィリップ・ウレモヴィッチがオフサイドポジションにいたために取り消され、三浦颯太のクロスに合わせた小林悠のヘッドはキム・スンギュに止められます。

せめて勝ち点1は得て、無敗で進みたい川崎でしたが、東京にウノゼロを許す格好となりました。


前回対戦は終盤に隙を見せる格好となり、危うく負けそうになるところを追い付き、かろうじて勝ち点1を得たゲームでした。今回は同じミスを繰り返すまいと堅実な試合運びで完封勝利を収めます。

開始4分、川崎は伊藤達哉の落ち着き払ったフィニッシュで先制します。伊藤は角田涼太朗にあっさりかわされるも、角田のミスを逃さなかったファン・ウェルメスケルケン・際がダイレクトで出したボールを受けてのゴールでした。

その後もロングボール主体のF・マリノスに対応しつつ、相手ゴールに迫る機会をつくります。山本悠樹のスルーパスに抜け出て、脇坂泰斗とマルシーニョで攻めた場面は、朴一圭に阻まれます。

F・マリノスにはチャンスらしいチャンスをほとんどつくらせず、山口瑠伊が慌てることもありません。追加点が奪えなかったのが気がかりでしたが、前半は1点リードのまま終えます。

試合の行方が決まったのは、鈴木冬一の退場の瞬間と言えるでしょう。喜田拓也にエリソンと山本が襲い掛かって奪うと、カウンターを発動。エリソンのシュートは朴に止められますが、走り続けた山本を鈴木が倒してしまいます。

一旦はイエローカードが提示されるも、オンフィールドレビューを経てレッドカードに変わります。数的有利となった上にエリソンがPKを沈めてリードを広げました。

ここからは完全に主導権を握ります。当初は3点目を取りに行っていましたが、しばらくするとペースダウン。ゆっくりキープしながら時間を進めます。

長谷部茂利監督は守備の安定を図るべく、山本を下げる際には河原創を、伊藤を下げた際には田邉秀斗を同じポジションに投入しました。確実に勝ち点3を得るための采配です。

アディショナルタイムには途中出場の宮城天がゴールを決めてゲームを終わらせます。守備陣も最後まで気を抜かずに守り切りました。

点の取り合いになって苦しむ試合が多い川崎も、この日はクリーンシートを達成。神奈川ダービーを制して7位に浮上します。



名古屋グランパス戦に引き続き、派手な打ち合いを制しました。足をつる選手が続出しながらも5-3での逃げ切りです。

最後は足が限界だったファン・ウェルメスケルケン・際を最前線に置き、宮城天が右サイドバックを努めるほどでした。

徐々に戦線に選手が戻っている川崎。ベンチのGKもチョン・ソンリョン1人だけになりました。それでもまだ戦力が充実しているとは言い切れません。苦しい状況はもうしばらく続きそうです。

川崎は伊藤達哉の見事なミドルで先制こそしましたが、前半の終盤までは町田ペースで、川崎の攻撃に彩りを加えられる三浦颯太、山本悠樹、脇坂泰斗が消えていました。

下田北斗による壁を越えて落とすフリーキックで逆転に成功した町田が、アディショナルタイムにペースを落としたことで、存在感の薄かった彼らに輝きが生まれます。そして、山本の絶妙な浮き球をエリソンが頭で合わせて2-2の振り出しに戻しました。

後半、チームの台所事情により左MFを任されていた橘田健人を下げ、マルシーニョを投入。ここから川崎は明確に戦い方を変えます。

町田のお株を奪うかのようにロングボールをことごとくマルシーニョに付けます。背番号23は期待に応えて、左サイドを制圧しました。

一方で逆サイドの伊藤は、相馬勇紀とのスプリント勝負の際に負傷。長谷部茂利監督はやむなく宮城を送り込みます。

その宮城がエリソンのアシストで逆転弾を決めるも、相馬の藤尾翔太へのクロス気味のシュートで再び追い付かれました。

公式戦13試合負けなしの町田相手に川崎もここまでかと思われましたが、エリソン、マルシーニョがそれぞれ長い距離を稼いで決めたゴールで点差を広げます。

終盤の町田の猛攻は、川崎の選手が身を挺して守り切ります。ギリギリの状態ながら、名古屋戦の勝利を無駄にしまいとする奮闘ぶりでした。

連勝に成功した川崎は、順位こそ上がらないものの、価値ある勝ち点3を得ました。


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