22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

2025年08月

リーグ戦とは違うコンペティションではないかと思わせるような人選になるも、二度のリードを追い付かれても、劇的に勝利を収めました。

スタメンは橘田健人を左MFに配し、11人揃えるので精一杯というような、先週のアルビレックス新潟戦以上に深刻な事態。

それに加えて伊藤達哉が先制した直後、丸山祐市の負傷により、ルーキーの神橋良汰が出ざるを得なくなります。

シーズンを通して最終ラインを支えてきた丸山の離脱に不安を抱かせたものの、山本悠樹の極上のスルーパスを受けたエリソンが右足でニアを打ち抜きました。

2点のリードを得て、川崎はハイプレスを仕掛けて3点目を奪いに出ました。ただ、それが実現しなかったために苦しいゲームに変貌しました。

18歳の右ウイングバック、森壮一朗が得点に関与して同点に追い付かれてしまいます。

またしてもリードを守れない川崎。嫌なムードで後半を迎えますが、キャスパー・ユンカーがボールに触ろうとして振り上げた足裏が神橋の顔に当たり、ユンカーは一発退場。アウェイチームは数的優位に立ちます。

是が非でも勝ちたい川崎は、ボール支配率を高めて5-2-2の名古屋のブロックを崩そうとします。

ようやくこじ開けたのは80分でした。神田奏真を入れて4-3-3にシステム変更した後、徳元悠平のゴールがオフサイドで取り消された直後でした。

右ウイングに変わったエリソンが一振りで決め切ったのです。喜びを爆発させたストライカーは、指揮官のもとへ駆け寄ります。

これで終わればよかったのですが、永井謙佑の入っていた名古屋はその快速を活かして攻め、すぐさま同点にします。

勝ち点1では終われない川崎は、伊藤やエリソンが果敢にシュートを放つも、ボールは枠を外れていきます。

振り出しに戻った試合を動かしたのは、またも得意のセットプレーからでした。コーナーキックの流れで伊藤がボールを拾い、細かく潜るドリブルでボックスを攻略。冷静にゴールに向かって蹴り込みました。先制時はそれほど喜んでいなかった伊藤が、ユニフォームを脱いで吠えます。

後半アディショナルタイムの劇的ゴールでリードを奪うと、今度は名古屋のリスタートを我慢強く防いで川崎が逃げ切りに成功しました。

苦しい戦いにはなりましたが、次のホームゲーム、上位のFC町田ゼルビアとの対戦に弾みをつける勝利です。


連敗を止めることはできました。しかし、新潟の連敗も6で止める結果となりました。

序盤は球際激しくプレーした新潟に押し込まれ、流れるようなボール回しから白井永地のゴールを許してしまいます。

先制後の新潟は、これまで最前線のアブデルラフマン・ブーダ・サイディだけが仕掛けたプレスも、全員でのハイプレスに切り替わりました。

15分頃にようやく盛り返した川崎は、三浦颯太のクロスを田代琉我がこぼし、マルシーニョに絶好機が訪れますが、枠に蹴り込むだけのチャンスをフイにします。

その後は、得意のセットプレーで相手ゴールに迫りました。山本悠樹のコーナーキックが橋本健人に触れて流れ、エリソンが合わせたシュートは惜しくもクロスバーに嫌われます。

前半アディショナルタイムには山本のコーナーキックがファーに流れ、ボールを拾った伊藤達哉がコースを狙ったフィニッシュ。この一撃で追い付いてみせました。

ハーフタイムを挟んでもアウェイチームの勢いは衰えず、分厚い攻撃で逆転を目指しました。しかし、最後のところで体を張られ、得点には至りません。

その中で長谷部茂利監督が動きます。イエローカードをもらっていたマルシーニョを早々に下げ、大関友翔を投入。脇坂泰斗をマルシーニョの位置に動かしました。

伊藤を左に移して脇坂を右にというのは想定できましたが、そうではありませんでした。マルシーニョを下げたのは、前節のような数的不利に陥らないための策だったのでしょう。

以降は川崎がやや優勢の中で、ホームの新潟がカウンターを仕掛ける構図で推移しました。ブーダのシュートを山口瑠伊が弾いた場面を除くと、後半の両者に決定機と呼べるほどの機会はありませんでした。

勝っておきたいゲームを勝てなかった要因の一つにベンチメンバーの経験値が挙げられます。スタメンこそいつもと遜色ない面々が揃ったものの、リザーブは顔ぶれが異なりました。

コンディション不良の選手が多かったのであればやむを得ませんが、下位に沈む相手を過小評価していたがゆえの人選であれば、結果を出せなかったという意味では、よいアイデアだったとは言えません。

次の名古屋グランパス戦のメンバーがどうなるのかで、この日のベンチの意図が垣間見えるかもしれません。


オンフィールドレビューの後、フィリップ・ウレモヴィッチに提示されるカードの色が変わると、山口瑠伊はやり場のない気持ちをぶつけるかのようにボールを高々と蹴り上げました。

しかし、その苛立ち、失望は始まりに過ぎませんでした。

東欧からの新戦力に期待のかかる再開初戦、川崎の入りは上々でした。エリソンが積極的にシュートを放つと、4分には橘田健人のミドルが炸裂。今シーズンは河原創にポジションを明け渡す試合が多かった背番号8が、スタメン起用に応えてみせます。

そんな中、ウレモヴィッチは試合にうまく入れていない様子でした。最初にパスを受けた際にはコントロールが乱れ、加入後即先発だった気負いも感じました。

そのままプレーを継続すると、碓井聖生に対するファウルで退場処分となります。長谷部茂利監督はやむなく伊藤達哉を下げ、ジェジエウを送らざるを得ません。

4-4-1で構える川崎ですが、ファン・ウェルメスケルケン・際がボックス近くでファウルを犯し、名古新太郎のフリーキックはエリソンに当たってゴールに吸い込まれます。

すぐさまエリソンが粘り強く勝ち越し点を挙げるも、コーナーキックから上島拓巳のゴールを許します。またもエリソンに当たっての失点でした。

前半終了間際、山本悠樹のコーナーキックがファーに流れ、それを拾った福岡がカウンターを発動させようとしたところ、慌てたファン・ウェルメスケルケンが福岡陣内で再びファウル。先程もらっていたイエローカードと合わせて2度目の警告により退場となりました。

まだ同点ではありましたが、後半の45分が残っている状況にもかかわらず、9人で戦わなくてはなりません。勝ち点を望むのは極めて難しくなりました。

ハーフタイム明け、指揮官はメンバー交代をせずに、3-4-1のシステムを採用しました。橘田とマルシーニョをウイングバックにして、守備時は5人で自陣深いエリアを埋めつつ、攻めに出ていく姿勢を崩さない妙案でした。

福岡に攻め込まれはしたものの、30分近くは守れていました。とはいえ限界はあり、橘田がボックス内でファウルをしてしまい、VARの介入を経てPKを献上します。

PKの判定が下る前からピッチ脇で準備していた河原とラザル・ロマニッチは、そのまま投入されました。名古に決められて試合をひっくり返された後、家長昭博と大関友翔が入ると、川崎は4-3-1に形を変えます。

明確に点を取るためのシステム変更でしたが、後方の穴は大きくなり、結果として失点を増やしてしまいます。傷口は広がり続け、最終的には5ゴールを許してしまいました。

数的不利だった中で、勝ち点獲得を目指した姿勢には川崎らしさを感じます。また、ロマニッチは窮屈な状況でもボールを巧みにキープでき、これからに期待を抱かせました。

2試合連続の逆転負けという結果で、リーグを制するのは難しいと言わざるを得ません。それでもプロとして下を向かずに次に進むほかありません。






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