22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

2025年07月

リーグ戦で鹿島アントラーズに勝利したものの、天皇杯はホームで敗退。仕切り直しの一戦だけにしっかり勝っておきたいゲームでした。

川崎は守備に重きを置くスタイルでスタートします。ただ、立ち上がりはライン間にしきりにボールを通されてしまい、ガンバにペースを握られます。

それでもカウンターに活路を見い出そうとしており、完結こそできませんでしたが、マルシーニョが攻め入る場面もありました。

その姿勢が実って川崎は先制します。山本悠樹が小林悠に絶妙なロングパスを繰り出し、小林は一旦伊藤達哉に預け、最後はストライカーならではの冷静さを持ってフィニッシュ。完璧な形でした。

リードしたことで落ち着いた川崎は、ミドルで構えてガンバの攻撃に備えます。ボール保持は相手に譲り、ゲームは支配する格好です。

川崎にも時折チャンスがやってきますが、再びのビッグチャンスに小林は強いシュートを打てません。

すると、前半のラストプレーでガンバに追い付かれます。マルシーニョが下げたパスがミスになり、三浦颯太の上がったスペースを宇佐美貴史に使われ、宇佐美のクロスへの佐々木旭の対応が甘く、こぼれ球に反応した倉田秋に決められました。

劣勢に流れが変わると、それを跳ね返す力が弱いのが最近の川崎。後半立ち上がりもガンバに押されてデニス・ヒュメットの逆転弾を許します。

対する川崎は、後半頭から入ったエリソンにボールを集めるものの、シュートを打てても一森純の好セーブに阻まれます。

長谷部茂利監督は残り20分を切ったあたりから、中盤の選手を入れ替え、勝ち点を奪いに動きます。それでも得点には至りません。

最大のチャンスは、得意のセットプレーからでした。山本のコーナーキックをファーで家長昭博が頭で合わせた場面です。ボールは惜しくもポストを叩きました。

後半ラストは山口瑠伊も上がっての相手陣内でのフリーキックでしたが、実らずタイムアップとなりました。

逆境を跳ね返すことも、そもそもわずかなリードを守り切ることもできずに敗れてしまいました。優勝したいのであれば、簡単には折れない心やしたたかさが必要となるはずだけに、現状は物足りない印象です。


戦いはキックオフ前から始まっていました。通常、ホームでの川崎は後半にメインスタンドから見て右から左に攻めるのですが、コイントスに勝った植田直通がそれを許しません。いつも通りには試合に入らせてくれませんでした。

だからというわけではないでしょうが、高井幸大が信じられないようなパスミスで、鈴木優磨に決定機を献上してしまいました。幸い、ボールが枠を外れて救われます。

無得点に終わった東京ヴェルディ戦を踏まえ、攻撃に強く矢印を向けた11人で臨んだ川崎。この日は丸山祐市がロングパスを多用。一気に鹿島ゴールに迫ろうとします。

先制したのは鹿島でした。キム・テヒョンのロングボールに松村優太が反応。三浦颯太よりも早く前に出て、レオ・セアラに丁寧に決めるだけのラストパスを送ったのです。

川崎は際どいラストパスこそ繰り出すものの、最後に反応する選手がおらず、シュートに至らない場面が目立ちました。

それでも45+4分、山本悠樹のコーナーキックを起点に伊藤達哉が同点弾を叩き込みます。直前のプレーで痛めた右足でのフィニッシュです。

シュートコースにいた山田新がオフサイドかどうかがVARでの検証対象になるものの、ゴールが認められました。前半のうちに追い付けたことが、最終的な勝利につながったと言えます。

後半頭からはジェジエウとマルシーニョが入ります。ただ、ジェジエウはまもなくレッドカードを提示されます。勝ち点3獲得が難しくなる可能性が一気に高まるも、VAR判定により、その前に松村のオフサイドがあったとして、カードは取り消されました。

危機を免れた川崎は、58分に脇坂泰斗がスイッチ役となって連動したハイプレスから逆転に成功します。マルシーニョが知念慶をつぶし、山本が浮き球でボックスへパスを出し、家長昭博が懸命に右足を伸ばして、マルシーニョへと届けました。

リードした後、長谷部茂利監督は堅実な采配を見せます。山本に代えて橘田健人、三浦に代えて佐々木旭と守備に長けたプレーヤーを投入。ホームでの横浜F・マリノス戦のような失態は犯しません。

80分以降は無理に攻めず、鹿島のお株を奪うように相手陣内、コーナーフラッグ近辺でキープする時間を増やします。

逃げ切りに成功した川崎は、逆転負けを喫した国立競技場での悔しさを晴らす勝利を収めました。ただ、新たに首位に立った柏レイソルとの勝ち点差はまだ6あります。

中断期間明けは高井の不在が確定しており、場合によっては、この日は前線で体を張って貢献した山田までもヨーロッパに旅立つ可能性が考えられます。

川崎にとってはおなじみの難しい状況が訪れるわけですが、チーム一丸となって乗り越えるほかありません。


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