22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

2025年06月

佐々木旭が丸山祐市に戻したパスがずれ、不用意に与えたコーナーキック。そこからリスタートが3本続き、最終的には深澤大輝にゴールを許しました。川崎としては、一つのミスが大きく響いたゲームとなりました。

もちろんそこから挽回して逆転までできればよかったのですが、試合全体を通してアタッキングサードでの迫力不足は否めません。

マルシーニョが今季磨いたプレスバックを披露したことで、早々に負傷退場する羽目になったのも誤算でした。川崎は15分経たないうちに交代機会を1回使わざるを得なくなったのです。

前半リードを許したこともあって、交代機会を減らさないためにも、必然的にハーフタイムで交代をする流れになります。

ミッドウィークのアルビレックス新潟戦でJ1初ゴールを記録し、2試合連続スタメンだった神田奏真に代えて山田新、さらに大島僚太に代わって山本悠樹が入ります。

後半立ち上がりはヴェルディゴールへ圧力をかけだし、山田の馬力を活かした攻撃を仕掛けます。それでも、よくてマテウス・ヴィドットの正面にボールが飛ぶだけで決定機には至りません。

逆に4日前の失点シーンを彷彿させるピンチがありました。GKからのロングボールに抜け出されてのシュートを許したのです。今回は丸山がかろうじて触れて枠には飛びませんでした。

追う川崎は大関友翔投入の際、脇坂泰斗ではなく橘田健人を下げます。脇坂は一列下がり、中盤の真ん中は攻撃のタクトを振れる選手が揃いました。

アウェイチームはそれだけ得点を欲していたわけですが、ゴールの可能性は徐々に下がっていき、前への圧力も弱まります。

決定機で言えばヴェルディの方が多く、山口瑠伊のたびたびの好判断がなければ、点差はさらに開いていたでしょう。

終了間際は高井幸大を前線に上げ、ハイボールを多用しますが、同点に追い付くことすらできません。今シーズンはヴェルディ相手に2戦続けて1点も奪えずに終わりました。

連勝して、昨日敗れた首位の鹿島アントラーズを追い詰め、次の直接対決に備えたかっただけに痛い敗戦になりました。


約4週間ぶりのホームゲームは、相手陣内深くに攻め入る場面こそ多かったものの、仕上げの部分に物足りなさがあったため、逆転されたスコアをひっくり返すことはできませんでした。

序盤は明らかに川崎ペースでした。相手陣内でゲームを進め、ボールを失っても即時奪回ができていました。その中で6分に脇坂泰斗のゴールで先制でき、申し分ない入りでした。

試合が動いたことで、神戸が出てくるのは予想できたはずです。しかし、相手の攻撃を5分も凌げず、永戸勝也のロングスローを起点に失点しました。

決めたのは、リザーブの新井章太とともに選手紹介時に川崎サポーターからも温かい拍手を受けた宮代大聖でした。

川崎は高井幸大はじめ、後方からのロングボールを効果的に使おうとします。シーズン序盤に比べると、パスコース含めてその質に進化が見られました。とはいえ、アタッキングサードまで進めないケースが多く、得点の匂いは漂いません。

対する神戸はアクシデントすらエネルギーに変えます。前半の段階でジェアン・パトリッキに代わって入ったエリキが、川崎の左サイドに侵入して攻撃に勢いをつけます。

押される格好となった川崎は、前半こそ1失点で済ませましたが、ハーフタイム明けも流れが変わらずにまたも宮代に決められました。

逆転されてすぐにベンチが動くかと思われたものの、最初に動いたのは神戸が初めて戦術的な交代を行うのと同じタイミングでした。

ここで入った大島僚太と伊藤達哉が違いを見せます。大島はクオリティの高いパスで攻めのリズムを変え、伊藤はサイドからポケットへと潜り込むドリブルでボックスに侵入します。

ただ、神戸の中央の守備が固いのもあって、肝心のシュートにまで至りません。決定機の数が一向に増えないのです。

その後に投入された大関友翔、宮城天、小林悠もチームに変化を加えてはくれました。それでもフィニッシュにつながる場面は少なく、左右に揺さぶった末に放たれた小林のシュートも前川黛也の正面でした。

結局、神戸の強さに屈し、勝ち点1も取れませんでした。上位浮上のためにはしっかり勝っておきたい一戦でしたが、ディフェンディングチャンピオン相手に敗れてしまいました。


ロースコアでの決着となりましたが、川崎は山本悠樹の一撃を守って確実に勝ち点3を獲得しました。

前半は決定機と呼べる場面はつくれませんでした。アディショナルタイムに山本の絶妙なスペースへのパスを走って受けたマルシーニョが、ボックスに侵入して堪えるも、フィニッシュまで持っていけずにクリアされます。

ホームチームも同様に決定機はなく、山根永遠のシュートは懸命に下がった大島僚太がブロックしました。

ゲームが動き出したのは後半に入ってからでした。横浜FCが早々にチャンスをつくります。

川崎陣内まで入った福森晃斗のサイドチェンジをユーリ・ララがつないで、最後は駒井善成がフィニッシュ。ボールはクロスバーに当たります。

その後も鈴木武蔵が積極的にミドルを打つなど、横浜FCペースで推移しました。

その中で58分、山口瑠伊のロングキックが中盤でユーリ・ララの頭に当たるも、拾った山本がドリブルを開始。細かいタッチではないものの、巧みに空いたスペースにボールを運び、最後は冷静にゴールへと蹴り込みました。

劣勢でしたが、スコア上は一歩前に出ました。

まもなく大島が下がって河原創が入り、守備強度を高めます。これは大島のプレータイムが最初から60分に設定されていたからかもしれません。

リードして落ち着いた川崎に対し、横浜FCは点を取りに動きます。前線やウイングバックを代えて攻めに出てきました。

福森の正確なコーナーキックに室井彗佑が合わせたシーンは、またもクロスバーを叩きます。川崎は二度バーに救われた格好です。

終盤になるとルキアンに代わって入っていた櫻川ソロモンにボールを集めてきますが、川崎は集中したディフェンスで得点を許しません。

激しい雨の中、冷静にボールを動かして最後まで1点のリードを保ちました。

中断前のサンフレッチェ広島戦に続き、アウェイで連勝しながらも暫定順位は一気には上がりません。それでも徐々に上も見えてきました。一歩ずつ着実に勝ち点3を重ねたいシーズン後半です。




またしてもドローに終わるかと思われたゲームでしたが、佐々木旭がアディショナルタイムに値千金の決勝点を奪って勝ち切りました。

今週はミッドウィークの試合がないため、川崎の選手は最後まで動けていました。特に後半の動きは鋭さがありました。

前半の川崎は、荒木隼人を中心とした広島の固い守備に手を焼きます。単純なクロスでは難なく弾かれてしまいます。

佐々木旭の絶妙なラストパスに家長昭博がダイレクトで合わせた場面も、マルシーニョがボックス内深いところでドリブルを仕掛けて放ったシュートも、大迫敬介に阻まれました。

広島の枠内シュートに対しては、同点に追い付かれるまで山口瑠伊がことごとくセーブ。安定したパフォーマンスで川崎ゴールを守っていました。

後半に入ってからは、川崎の中盤の守備が強化されます。先制のシーンも、河原創のボール奪取を起点としており、山田新のシュートはブロックされたものの、セカンドボールを活かしてマルシーニョの得点に結び付けました。

しばらくは山田のプレスバックが奏功して攻撃に転じる機会が生まれるなど、リードした川崎のペースでした。しかし、追加点を取れずにいるうち、選手交代を進めた広島に主導権を譲り渡してしまいます。

川崎はファン・ウェルメスケルケン・際がハムストリングを負傷。田邉秀斗が代わりに入って、少ししてから佐々木旭とポジションを入れ替えました。

広島の枠内シュートが際どくなりだし、苦しくなった中で、リスタートから同点にされます。最初のプレーは凌ぎましたが、中村草太のクロスをジャーメイン良が合わせ損なった時、川崎の選手の足が止まります。その隙を突いた荒木に押し込まれました。

再び点を取りに攻めた川崎は、中盤でフリーキックを与えられ、徐々に広島陣内へと進みます。そして得たコーナーキックを活かします。

大関友翔のキックを高井幸大が頭で合わせ、こぼれたボールを佐々木旭が蹴り込みます。ジャーメインに当たったボールはネットへと吸い込まれました。

川崎は劇的な勝利で3試合ぶりの勝ち点3を獲得。順位に大きな変化は見られませんが、5連勝中だった広島にアウェイで勝てたことは、チームにとって大きいはずです。






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