22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

2024年08月

激しい雨に見舞われると、次第にピッチ上に水がたまり始め、ファン・ウェルメスケルケン・際のクロスは失速。西川周作に難なく押さえられました。

また三浦颯太がドリブルを敢行するも、ボールは転がらずに自身はスリップ。相手に奪われます。

この厳しい状況で、渡邊凌磨に許した1点を追う川崎が、どう盛り返すかが問われるゲームでした。しかしハーフタイム中に後半開始時間の延期の発表後、最終的に中止となりました。

川崎は来月からAFCチャンピオンズリーグエリートを控えており、日程的にも険しい残り45分になることは間違いありません。

それだけに二度の決定機をどちらか得点につなげて、前向きなスコアで終わらせておきたかった前半でした。

一つはクイックリスタートでマルシーニョが抜け出した場面。ここはシュートを西川に止められます。

もう一つは、ピッチコンディションを念頭に置いてのファン・ウェルメスケルケンの浮き球を、家長昭博がそらし、山田新が合わせたシーン。この時はボールがポストを叩きました。

直後に家長が反応しますが、オフサイドポジションにいたため、ネットを揺らしてもゴールは認められません。

これから先につながる好材料としては、フィジカル勝負で劣勢だったこの日のチームの中で、山田が持ち前の当たり負けしない強さを見せた点です。

マリウス・ホイブラーテンにも怯まず突き進んだプレーは、チームに前進する力を与えます。

もう一点挙げるとすれば、大島僚太のボックス内への走り込みが目立った点です。

途中、コンディションが心配される時間もありましたが、大島は技術の高さを披露するのみならず、ゴールへの積極性も光りました。

スコアは1-0で浦和のリードながら、いい流れを保って次戦の北海道遠征に臨める45分でした。




嘆いても仕方ないとは思いつつ、結果として旅立った選手の多さを考えずにはいられないゲームでした。

瀬古樹と多摩川クラシコでベンチ外だった大南拓磨が海外移籍に向けてチームを離脱。さらにこの日はチョン・ソンリョンがベンチ外で、早坂勇希がスタメンに名を連ねます。

すでに上福元直人は湘南ベルマーレに移籍しており、25歳のGKに出番が回ってきました。

前半は立ち上がりこそF・マリノスの中央に人数をかけた攻撃に押し込まれたものの、次第に川崎がペースを握り返します。

好調の山田新、マルシーニョ、そして家長昭博がゴールに迫るも、ポープ・ウィリアム、畠中槙之輔、エドゥアルドを中心とした固い守りに幾度となく阻まれました。

佐々木旭の持ち上がりからパスを受け、フリーな状態から打った家長のシュートはポストを叩きます。

さらに後半開始直後、家長のクロスに合わせた山田のヘッドもクロスバーに嫌われました。

ここまで順調に相手ゴールまで進めた川崎でしたが、先制したのはF・マリノスでした。

後半になると最終ラインからのロングボールを織り交ぜつつ、川崎ゴールへの意識を強めたアウェイチームがPKを獲得。アンデルソン・ロペスが早坂の読みをも上回るコースに蹴って決めました。

2分後、今度は寄せの甘くなった一瞬の隙を西村拓真に突かれて強烈なミドルを食らいます。あっという間に2点ビハインドとなりました。

先に交代カードを切ったF・マリノスに対して、川崎が動いたのは71分。一気に3人を代えて主にサイドの梃入れを行います。

しかし、次の1点は相手に入りました。川崎が小林悠とエリソンを入れた直後のコーナーキックの流れで、途中出場の天野純のクロスを畠中が合わせて0-3になります。

山田とエリソンを最前線に配し、小林も右から絡む4-4-2とした川崎。89分に佐々木のクロスをダイレクトで合わせたエリソンが一矢報いるゴールを決め、アディショナルタイムが9分とわかると同点に追い付く可能性が膨らみます。

中盤に人がいなくなるほど前線に人数をかけ、攻めはしたものの、肝心の得点は奪えません。F・マリノスには時間をうまく使われ、タイムアップを迎えました。

シュート、コーナーキックの数では相手を上回りながら、連勝は3でストップ。エドゥアルドとバトルを繰り広げた山田も、フル出場しながら不発に終わりました。次節は高井幸大が出場停止と厳しさが増します。


煙で視界が悪かった間は東京に押し込まれましたが、晴れた後にペースを取り戻した川崎が完勝しました。

序盤はしきりにサイドからのクロスを浴び、さらにはディエゴ・オリヴェイラに決定機をつくられます。チョン・ソンリョンの好判断で失点は免れました。

その後は大島僚太、脇坂泰斗、家長昭博で時間をつくり、ゲームを落ち着かせて猛攻を回避します。

15分、マルシーニョがボックスで冷静さを見せてクロスを入れ、山田新が下がりながらのヘッドをゴールにねじ込みました。野澤大志ブランドンに触られますが、山田のシュートが勝ります。

流れをつかんだ川崎は、20分にもファン・ウェルメスケルケン・際のピンポイントクロスに山田が合わせてリードを2点に広げました。

この日はセンターバック陣の働きが光ります。オリンピックから戻った高井幸大はディエゴ・オリヴェイラを封じ、佐々木旭は一部軽率なプレーもあったものの、サイドバックでのプレー時に見せるような攻め上がりを披露しました。

ハーフタイム明け、東京が荒木遼太郎を入れ、攻撃の梃入れをしてきましたが、川崎は冷静に対処します。

鬼木達監督は56分の段階でマルシーニョを下げ、遠野大弥を投入。マルシーニョは前半終盤の攻撃局面で珍しく走らない場面があったので、小さなアクシデントがあったのかもしれません。

遠野は持ち味の積極性を見せ、コーナーキックでは脇坂のキックに完璧に合わせますが、惜しくもクロスバーに嫌われます。

試合を決める3点目が欲しい川崎にその瞬間が訪れたのは72分でした。やや遠目の位置からのフリーキックで、三浦颯太の鋭いボールに高井が飛び込んで決めました。高井は家長はじめ味方から手荒い祝福を受けます。

すでに4枚の交代カードを切り、攻めに出ようとしていた東京にとっては痛い失点でした。

川崎は逆にここから本格的な交代を進めます。はじめはトップ下を任された瀬川祐輔を筆頭に、新たに入ったフレッシュな選手が前からのプレスに尽力します。

終盤はチョン・ソンリョンのファインセーブが続き、相手にゴールを許しません。クリーンシートにつながる好守でした。

川崎はこれで3連勝。いずれの試合も3ゴールを記録しています。この先も難敵が続きますが、今のチームは勝つことで失っていた自信を取り戻しているように見えます。


前半は互いに決定機が生まれないまま推移しましたが、ハーフタイム間近に飯野七聖が2枚目のイエローカードを提示されます。

神戸が大迫勇也のポストプレーを生かすだけでなく、得意とするダイナミックな攻撃をし始めた矢先のできごとでした。これを機に後半からゲームが大きく動きます。

数の上で優位に立った川崎は、ボールを頻繁に動かしていきました。家長昭博、脇坂泰斗、山田新と立て続けに枠内シュートを放ちますが、いずれも前川黛也に阻まれます。

それでも山田のシュートが止められて得たコーナーキックが先制点につながりました。脇坂のキックはファーサイドで待つ家長に届き、頭で合わせてゴールとなります。

今度は1点を追うアウェイチームが出てきます。嫌な位置でセットプレーを与えれば、追い付かれてしまいかねない状況でした。ところが今度はマテウス・トゥーレルが副審に向かってボールを蹴った行為で一発退場。この判定が妥当かどうかは疑問ですが、川崎にとっては相手より2人多い中でのゲームに変わりました。

点差はまだ「1」でしたが、これで楽に試合を進められます。ミドルゾーンでは神戸も機能的なプレスは難しいため、川崎が余裕を持ってキープできるのです。

71分には大迫を中盤でつぶしてからのチャンスを生かし、三浦颯太のクロスは山川哲史に当たるも、山田に届いて加点に成功しました。

リードを広げたところで鬼木達監督が動き、3枚代えを行います。4日後に敵地での多摩川クラシコを控えていることを考えると、もう少し早く交代を進めてもよさそうでしたが、78分までスタメンを引っ張りました。

85分には脇坂が中央を切り裂くパスを出し、受けた山田が強さを見せながらフィニッシュ。スコアを3-0にします。

アディショナルタイムにはリーグ戦では復帰戦となる車屋紳太郎が登場。佐々木旭に代わって左センターバックに入ります。

それと前後して終盤はジェアン・パトリッキにシュートを打たれはしたものの、失点することなくクリーンシートで終えました。

川崎は中断期間を挟んでの連勝となり、勢いの出てきた状態で、週末は味の素スタジアムに乗り込みます。


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