22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

2024年07月

6試合連続ドローも覚悟しなければならない展開でした。終盤、橘田健人のハンドでPKを献上。好調のマテウス・サヴィオがキッカーを務めます。そのキックをチョン・ソンリョンが防いだことで勝ち点3を手繰り寄せました。

高井幸大がオリンピックのためにフランスに渡り、ジェジエウは負傷によりブラジルに帰国。センターバックを2人欠く川崎は、大南拓磨、佐々木旭が中央を任されます。

序盤の10分は、球際激しく積極的に戦えていました。4分に復帰した三浦颯太の鋭いクロスを山田新が合わせて先制した後も手を緩めません。6分後にはコーナーキックの流れで、家長昭博のクロスに再び山田新が合わせました。

2点目を取る重要性を理解していたからこその振る舞いで、川崎は試合を優位に進められるはずでした。

ところが加点した直後、マテウス・サヴィオのフリーキックをファーでジエゴが折り返し、白井永地の頭によるコントロールショットで1点差となります。

勝ちから遠ざかっているアウェイチームは、悪夢が続くのではないかと萎縮しました。しばらくは川崎陣内でゲームが進みます。

飲水タイム明け、ハーフタイム明けとインターバル後は活力を取り戻してプレーしますが、柏を押し返すほどの力はありません。

67分、マテウス・サヴィオのコーナーキックをチョン・ソンリョンがパンチングで跳ね返すも、それを拾った山田雄士の完璧なクロスを垣田裕暉が合わせ、試合は振り出しに戻ります。

すぐさま鬼木達監督は3枚代えを実行。瀬古樹、大島僚太、瀬川祐輔を送り込み、すでに交代で右ウイングとして小林悠が入っていたものの、瀬川をトップに置きます。

すると79分、瀬古が大南からのパスを受けるべく前に走って、きっちり受けると横方向にパスを入れます。走り込んだマルシーニョのシュートは、松本健太に止められますが、瀬川が詰めてボールがこぼれました。それを脇坂泰斗が拾い、ゴールに蹴り込みます。

ファウルの判定は下らず、川崎の得点となります。待望の3点目が、勝ち越しゴールが生まれました。

ここでベンチは逃げ切るために最終ラインを厚くするのではなく、マルシーニョに代えて山内日向汰を投入。戦う姿勢を崩しません。

確実に勝ちたい川崎でしたが、VARの介入があり、中村太主審のオンフィールドレビューにより、ボックス内で橘田のハンドがあったとジャッジされました。

このPKを凌いだ後もタイムアップの笛が鳴るまで時間がありました。それでも柏陣内でキープする時間を長くすることで乗り切ります。

中断期間を前にして約1ヵ月半ぶりの白星です。長く苦しい日々を経て、ようやく勝ち点3を獲得しました。順位こそ変わらないものの、懸命のプレーが実りました。




セレッソに同点にされた直後、小林悠のゴールで、今度こそ、このところ見放されていた白星を獲得できるかと思われました。カウンタープレスがはまっての攻撃でした。

しかしVARによるゴールチェックで、その前の家長昭博のクロスの場面でボールがラインを割っていたため、勝ち越しとはなりません。

川崎はリーグ戦5試合連続の引き分け、それも4試合連続で追い付かれての引き分けです。後味の悪さは否めません。

4日前の天皇杯で敗退し、タイトル獲得の道が一つ途絶えた中、勝って悪い流れを断ち切りたいホームゲームでした。

この日はセンターバックを高井幸大と佐々木旭に任せ、左サイドバックは橘田健人が務めます。

序盤から両者に決定機が生まれたこともあり、前半から攻め合うオープンな展開になりました。

チームとしては不振の川崎は、好調のマルシーニョを生かして攻めます。先制点も背番号23によるものでした。

佐々木が持ち出して脇坂泰斗へつなぐと、脇坂は完璧なタイミングで前に出します。最後はマルシーニョが落ち着いてフィニッシュ。36分のゴールです。

その後も対峙する奥田勇斗に対して優位に立つマルシーニョがチャンスを迎えるも、キム・ジンヒョンの好守に阻まれます。

前半の終盤はセレッソが構える時間が長く、やや膠着したまま終わりました。

後半、セレッソは並びを変えて、可変式のシステムに変更。攻撃時には前に人数をかけてきます。

対する川崎は、大島僚太がおそらくコンディションの問題で下がり、ゼ・ヒカルドが入りました。

戦い方を変えたアウェイチームに対し、川崎は特段大きな変更を行わず、選手交代でキャラクターを変えていきました。

右サイドハーフで生きなかった山田新を中央に移し、その場所にエリソンとの交代で小林を投入します。

その後、ファン・ウェルメスケルケン・際が足をつらせたため同じ位置に大南拓磨を、と同時にマルシーニョに代えて、家長を送り込みスタートポジションを珍しく左とします。

ここ数試合を見ても、大事なのは次の1点を取れるかどうかでした。ところがそれを決めたのは、ピッチの幅を広く使ったセレッソでした。

レオ・セアラが左の大外に展開すると、カピシャーバが受けてラストパス。最後は途中出場のヴィトール・ブエノがきれいに合わせました。

再びの同点劇に挫けず攻めた川崎。小林の幻のゴールの後もあきらめないで攻め続けました。

一方、高井のバックパスが中途半端になり、カピシャーバに狙われたシーンは、チョン・ソンリョンが体を張って阻止します。

アディショナルタイムは8分あったものの、どちらにも決勝点は生まれませんでした。川崎は負けはしないとはいえ、勝ち切る、逃げ切るという試合をつくれません。

中断前の次節こそ、アウェイの柏レイソル戦ではありますが勝ち点3を取りたいゲームです。


会心の逆転劇が完成するまで、残り数分でした。しかしボックス内でアクシデントが起こり、川崎は逃げ切りに失敗します。4試合連続となるドローです。

大島僚太が先発起用となり、序盤から高い技術で圧倒する意図を感じさせた川崎。実際、大島、脇坂泰斗とつないで、小林悠がポストを叩くシュートで終わる場面もありました。

磐田がミドルプレスで来たため、川崎は最終ラインで余裕を持ってボールを保持。そこから攻撃の糸口を探しました。

それでも先制したのは磐田でした。決めたのは前回対戦でやられたジャーメイン良です。佐々木旭と高井幸大が寄せますが及びません。

直後にはレオ・ゴメスにパンチのあるミドルを打たれたものの、チョン・ソンリョンが安定した守りで防ぎます。前回、ホームでの30分で3失点という悪夢の二の舞は阻止しました。

川崎は惜しいチャンスをつくり、磐田ゴールに迫るも、佐々木のシュートは絞った松原后に阻まれました。

ハーフタイムが明けると鬼木達監督は大島を下げ、橘田健人を投入。中盤の機動力、守備力の向上を図ります。

すると橘田も絡んだ後、小林のパスを受けた遠野大弥が左足でフィニッシュ。後半早い段階で同点に追い付きました。

追い付けたことで川崎のカウンタープレスの迫力が増します。高い位置で奪ってすぐに攻撃に転じられるようになりました。

磐田は川島永嗣が負傷したため、ルーキーの杉本光希がGKを務めることとなり、川崎としてはそこを早めに突きたい流れです。

しかし、決定機がつくれないまま時間が流れます。その中で山田新をはじめ、ここ2試合不在だった家長昭博も含めて次々と交代選手がピッチに入り、磐田ゴールをこじ開けにかかりました。

振り出しに戻っていたゲームが動いたのは80分でした。山内日向汰のシュートの跳ね返りに橘田が反応。ダイレクトでミドルを放ちます。

昨シーズン後半に決まり続けた橘田のミドルシュートが、久々に火を吹きました。チームのムードは最高潮に達します。あとはしっかりリードを保つだけでした。

勝利まで残りわずかの90+2分、ジャーメインの侵入は佐々木がカバーして、チョン・ソンリョンに戻したところ、守護神がまさかの転倒。バランスを崩してキックが中途半端になり、転がるボールを山田大記に狙われ、決められます。

当然、川崎としてはせっかく得られたはずの勝ち点3を取るべく攻めました。ただ、若干の焦りがリズムを壊し、得点につながるような攻撃の形がつくれません。

結果、土壇場で勝ち点2を失いました。トータルの勝ち点で並ぶ相手だけに、きっちり勝っておきたいゲームでしたが、シーズンダブルを阻止することしかできませんでした。


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