前節、サンフレッチェ広島戦は2点どまりで引き分けましたが、今節は3ゴールを挙げ、先月はまったくなかった勝利を収めました。

オープニングシュートを遠野大弥が放ち、浦和のビルドアップには前線から西川周作までプレッシャーをかけに出るという、積極的なプレーでホームチームはスタートします。

一時的に浦和に主導権を明け渡すものの、上福元直人の好セーブや脇坂泰斗のブロックによって失点を回避しました。

18分、右サイド深い位置のスローインを起点に先制に成功します。瀬川祐輔が入れたボールをバフェティンビ・ゴミスが落とすと家長昭博がクロスを中央へ。遠野とアレクサンダー・ショルツが競り合ったこぼれを脇坂が押し込みました。チームにとっては多摩川クラシコ以来の先制点です。

その後、家長の決定機は渡邊凌磨がゴールライン手前で防ぎ、追加点とはなりません。

逆に川崎が構えた中で中島翔哉が視野の広さを見せ、大久保智明のゴールをお膳立てしました。前半は1-1の同点で終えます。

後半キックオフで川崎は、デザインされたかのような組み立てで左から攻めます。マルシーニョが倒されて得たフリーキックは、脇坂が蹴ってバーを叩きました。

いい流れのままに49分、中盤でゴミスが収めたのを合図に、橘田健人のパスを受けた佐々木旭がハーフスペースを持ち上がります。

この日もセンターバックでスタートした背番号5は、ゴールまで突き進んでフィニッシュ。セットプレーではない、意外な形で勝ち越します。

佐々木はこれまでのゲームでも決定機に絡むシーンが何度かありましたが、枠をとらえられずにいました。しかし、是が非でも勝ち点3の欲しいこの試合で、最終的に決勝点となるゴールを奪いました。

川崎としては逆転した1分後に追い付かれた前節を踏まえると、ここから安易に失点しないことが重要でした。コーナーキックのセカンドボールを拾った渡邊の強烈なシュートは、上福元が触り、ポストに当たって凌ぎます。

一進一退の攻防にあっても冷静な鬼木達監督は、終盤にジェジエウ、ゼ・ヒカルドを入れてディフェンスの強度を上げ、逃げ切りの形を整えます。

前がかりになる浦和の逆をついてカウンター主体に攻撃を変えた川崎。山内日向汰の不用意なファウルで与えた自陣ボックス手前のフリーキックの際には、引っ繰り返して浦和ゴールまで迫りました。

90+3分には山田新のポケットからのパスを家長が右足で蹴り込み、勝負を決める3点目を取りました。

難しい相手とのゲームで勝ち点3を獲得した川崎。まだまだ順位こそ上がりませんが、前節からのいい流れを継続できています。