22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

2024年04月

ジェジエウがベンチに戻ってきましたが、今度はスタメンのはずだったチョン・ソンリョンがプレー困難となりました。そこで代わりに上福元直人がゴールを守り、突然の出番ながら再三のピンチを防いだ90分でした。

中盤に橘田健人、脇坂泰斗、遠野大弥を起用して4-3-3に戻してスタートした川崎。前半のはじめこそボールを握って動かせていましたが、次第に広島のペースに変わります。

いまだ無敗の広島は奪ってからの攻撃が確実で速く、川崎は最後まで手を焼きました。

リスタートを起点にホームチームが二度の決定機をつくったものの、上福元が決死の守備で凌ぎます。

それでも先制された場面は、佐々木翔のクロスに対して大橋祐紀に前に入られてしまいました。前半は1-0のままハーフタイムに入ります。

シュートを打つ機会は数回あったとはいえ、ボックスの中での働きが物足りなかったエリソンに代えて、後半頭からは小林悠が最前線に立ちます。

背番号11が期待にきっちり応えたのは65分のことでした。マルシーニョがファウルを受けて得たフリーキックで、脇坂の蹴ったボールをファーサイドで佐々木旭と塩谷司が争ったこぼれに反応。価値ある同点弾を決めました。

勢いに乗りたい川崎は、両サイドバックを下げてジェジエウと瀬古樹を投入。センターバックを務めていた佐々木旭を右サイドバックに、左サイドバックには橘田をコンバートします。

70分過ぎに小林が無念の負傷をしたものの、代わりに入った山田新が最初のプレーで勝ち越しゴールを奪いました。遠野の絶妙なミドルパスに対して大迫敬介が不完全なクリアをすると、家長昭博が佐々木翔とのフィジカル勝負を制してキープ。山田にラストパスを供給しました。

不屈の闘志を見せた直後、満田誠のバックスピンをかけたクロスから加藤陸次樹に同点にされてしまい、2-2に。ゲームはヒートアップしてオープンな戦いが繰り広げられます。

追い付かれたとはいえ、気落ちはしていない川崎は勝ち点3獲得への意欲を見せます。5試合ぶりの得点、それも複数得点がチームに力を与えました。

広島の攻撃には上福元を中心に懸命に応対します。終盤には家長の守備も光りました。

川崎最後のチャンスは上福元のロングキックからでした。山田が走って抜け出す格好になるも、相手の粘り強さにシュートが枠をとらえられません。

死力を尽くしたアウェイゲームは、引き分けに終わりました。10試合を消化して勝ち点はいまだ一桁ながら、得点の取り方を思い出せたことでわずかに光は差し込んでいます。次は川崎に戻って浦和レッズを迎えます。






4試合ぶりのゴール、そして勝利を目指して貪欲に攻めた川崎。しかし1点が遠く、スコアレスドローに終わりました。

この日は山田新とエリソンを前線に並べ、脇坂泰斗を右サイドに配した4-4-2でスタート。ヴェルディの形に合わせるかのように同じシステムで臨みます。

川崎はスロースターターぶりが出てしまい、最初の決定機はヴェルディにつくられます。ハイボールに大南拓磨がかぶって生まれた染野唯月のフィニッシュは、チョン・ソンリョンが胸で防ぎました。

その後も川崎のビルドアップ時にチョン・ソンリョン目掛けて詰め寄られ、染野には二度ヒヤリとさせられました。

荒れ気味で推移した序盤、川崎は相手のボックスに入れない時間が続きました。その中で脇坂が左に流れてボックスの角からきわどいシュートを放ちます。マテウスがかすかに触ったため、ボールはポストを叩きました。

脇坂が中でプレーする方が機能するという判断がなされたのか、前半の後半から山田新が右MFにポジションを移した4-2-3-1にシフトします。

後半はヴェルディのフリーキックを跳ね返し、マルシーニョが単独のカウンターを仕掛けます。ただ、肝心のシュートが巻き切れず、枠を外れました。

次の決定機も脇坂が絡んでパスをつないでのマルシーニョのフィニッシュでしたが、マテウスに阻まれます。

圧力を増すべくベンチから遠野大弥と小林悠が入ります。さらに残り20分を切ったところで、家長昭博と瀬古樹、84分に最後の切り札として負傷明けのバフェティンビ・ゴミスがピッチに姿を現しました。

交代選手は躍動感を持ってチームに活力を与えますが、相手を押し込み、チャンスを多くつくりながらもゴールが奪えません。

対してヴェルディは代わって入ったチアゴ・アウベスが左でアクセントとなって、瀬川祐輔の背後をついてきますが、川崎が懸命の守備で堪えます。

アディショナルタイムは、人数をかけたロングカウンターをきっかけにヴェルディの時間になってしまい、思うように攻められませんでした。

川崎としては連敗こそ止められたとはいえ、きっちり勝っておきたいゲームでした。光明が見えないまま、ゴールデンウィークの連戦に突入します。




前節に続き上位相手の戦いでしたが、耐え切れずに70分に失点を喫して敗れました。

負傷者続出の上、高井幸大が当面不在の最終ラインは、瀬川祐輔、大南拓磨、佐々木旭、橘田健人の4人で構成されました。本職ではない選手が多く名を連ねます。

前半は、戦い方が整理されている印象のセレッソが、ボールをスムーズに動かして攻めました。登里享平は偽サイドバックとして振る舞い、ビルドアップの出口を増やします。

それでもチョン・ソンリョンを中心に体を張り、最後のところで相手の攻撃を防ぎます。

川崎も徐々にセレッソのプレーに慣れて、ボールを握れるようになります。ただ、4-5-1で構えるホームチームの守備に手を焼き、なかなかライン間を攻略できません。よってゴールまで効果的に攻め込めない時間が長くなります。

苦労する中でエリソンの多少強引なまでの積極性がチームに伝播して、大南の強いミドルがキム・ジンヒョンを襲う場面もありました。

結局スコアは動かずにハーフタイムを迎えます。

後半の立ち上がりは瀬川がカピシャーバとの1対1を制するようになり、その流れで右から攻める形が増えます。決定機まではいかないものの、可能性を感じる時間帯でした。

反対のサイドは、早い段階でマルシーニョがイエローをもらい、まもなく遠野大弥と交代します。マルシーニョがスピードに乗って躍動するシーンがなかったこともあるでしょうし、再び数的不利に陥るのを避ける意味もあったでしょう。

その後、佐々木が負傷して座り込んでそれほど経たないうちに、レオ・セアラに先制弾を食らいます。瀬川がついていましたが、カピシャーバに見事なクロスを上げられました。

鬼木達監督はすぐさま3枚代えを決行。ゼ・ヒカルド、小林悠、山田新が入ります。

さらに最後の交代で脇坂泰斗を下げてパトリッキ・ヴェロンを投入。残り10分のところで手はすべて打ちました。

交代選手が絡んでセレッソゴールに攻めるも、最後の一手の迫力を欠きました。セレッソがDFを増やしたおかげで、ミドルゾーンで保持しやすくなり、かえって相手ゴールが近付きましたが、キム・ジンヒョンを脅かし切れません。

健闘虚しく、川崎は敗戦。最後のコーナーキックにはチョン・ソンリョンも上がるものの、同点弾は生まれませんでした。

他会場の結果も影響しましたが、川崎はセレッソの首位浮上をアシストしてしまいました。佐々木が次節以降出られるかどうかも気になりますし、まだまだ苦悩の日々は続くかもしれません。


39分に山内日向汰が一本放つまで、川崎にはシュートがありませんでした。それだけでなく、ボックスに入ってのプレーもほとんど見られません。

この時にはすでに1点ビハインドでした。32分に敵陣深めの位置のリスタートからシンプルにつながれ、藤尾翔太に決められています。

序盤にチョン・ソンリョンが防いだ藤尾の決定機以降、町田ペースで試合が進んでいました。川崎はミドルゾーンではボールを動かせていたものの、そこから先への前進に苦労しました。

おまけに失点直後にジェジエウが無念の負傷交代となり、状況はますます厳しくなります。

ハーフタイム明けにはゼ・ヒカルドに代えて瀬古樹、山内に代えて遠野大弥が入ります。ゼ・ヒカルドはリーグ戦初出場でしたが、自陣でのボールロストで大きなピンチを招きました。

メンバー交代を行い、切り替えて臨みながら食らった後半早々の失点は、VARによりオフサイドの判定が下って救われます。

1点差のまま推移する中で、脇坂泰斗が2回ポケットを取りました。そこから鋭いボールが供給されるも、反応する味方がいません。

66分には過密日程を考慮する意味もあってか家長昭博が下がり、小林悠が入りました。小林は右ウイングをスタートポジションにしつつ、ゴール前にさかんに顔を出します。

そして、この交代が意味を持つ瞬間が訪れます。瀬川祐輔が中盤でボールを収め、中央を通したパスに小林が反応。止めに出た谷晃生に足をかけられます。このファウルで谷は退場。川崎は数的有利になりました。

町田はすかさず昌子源を入れて5バックに変更。対する川崎はしばらく様子を見た後、山田新を入れ、エリソンと小林の2トップにします。

右の山田も左の遠野もサイドではなく中央寄りに立ち、大外には両サイドバックが立って、6枚を前に置く形で町田の5バックに対抗しました。

数の上で優位に立つ川崎は、重心の低い町田相手に中盤で易々とボールを動かします。それでもゴールは遠く、再三得たコーナーキックも生かせません。

しかも決定機をほとんどつくれず、瀬古の枠をとらえたフィニッシュも力が伝わり切っていなかったため、谷の退場で入った福井光輝に難なく正面で取られました。

最低でも勝ち点1は欲しい展開ながら、最後までゴールが遠く、2試合続けて無得点に終わりました。いまだ思うように浮上できず、順位はまだシーズン序盤とはいえ、下から数える方が早い15位です。


またしてもマルシーニョが退場となってしまい、10人での戦いを強いられた川崎。それでも最後まで死力を尽くして、相手に点を与えませんでした。

中3日でのゲームでしたが、鬼木達監督は快勝した前節と同じ11人を先発に選びます。出場停止明けのマルシーニョはベンチスタートです。

互いに攻め合う展開ながら、試合は次第にF・マリノスペースに変わります。宮市亮のシュートがクロスバーを叩くなど、得点の可能性が高かったのはホームチームの方でした。

川崎は前線にボールを送るも、それが長くなってフィニッシュまでいけず、シュート数が増えていきません。

そうした苦しい状況でハーフタイムを目前にして三浦颯太が負傷。交代機会を一度使う形で佐々木旭が送り込まれます。

後半になると川崎が主導権を握り返さんと攻めます。家長昭博が右サイドにとどまらない、いつもの的確な動きで流れをつくりました。

少しずつ盛り返す中、遠野大弥からパスを受けてのエリソンのシュートは、当たりが十分ではなく得点には結び付きません。

F・マリノスは上島拓巳、畠中槙之助の両センターバックが強固で、川崎はそれ以外ではなかなか形をつくれませんでした。

62分にマルシーニョが入り、佐々木と瀬川祐輔のポジションを入れ替えてここからという場面で、松原健に対するマルシーニョのプレーがVARによって退場処分となりました。

数的不利の川崎は大南拓磨を投入。実質5バックにして、後方を厚くします。中盤の脇坂泰斗、家長も時に下がってディフェンス対応に奔走しました。

とはいえ勝利を目指すことをあきらめたわけではなく、チャンスと見れば前進します。家長が持ち運んでのカウンター局面は、周囲の押し上げが不十分で最後までやり切れずに終わりました。また佐々木が上がってのシュートは枠を外れてしまいます。

最後は高井幸大がアンデルソン・ロペスをクリーンに封じてタイムアップ。木村博之主審の笛が鳴り響くと、多くの川崎の選手がピッチに座り込みます。勝てればその奮闘が報われたゲームではありますが、アウェイで貴重な勝ち点1を得られました。


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