22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

2022年04月

AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のため不在の間も上位に踏みとどまるためには落とせない一戦でしたが、川崎は確実に勝ち点3を取りました。

鬼木達監督による中盤の人選は、橘田健人とジョアン・シミッチを横並びにして遠野大弥をトップ下に置くという形でした。シミッチは今季リーグ戦初先発です。システムを4-2-3-1にすることでミドルゾーンの守備を安定させて、橘田をより攻撃に絡めさせる狙いを感じました。

しかし、序盤に山村和也が小屋松知哉にボールを奪われ、ショートカウンターを食らいます。ここ2試合の悪い流れを繰り返しかねないミス絡みの劣勢でしたが、小屋松のシュートが枠を外れて事なきを得ます。この時失点していれば、違った展開になったはずです。

すると17分に山根視来が自陣から一気に相手最終ラインの背後をめがけてクリアではなくパスを出し、それに反応して抜け出したレアンドロ・ダミアンがキム・スンギュと1対1になります。背番号9のシュートは惜しくも柏の守護神に阻まれました。

その後、コーナーキックからマルシーニョがゴールに押し込む場面があったものの、VARによって山村のハンドをとられてしまい得点は認められません。

流れを少しずつ自分達の方に取り戻し、45+2分、谷口彰悟の縦パスを遠野がダイレクトで左サイドのスペースに出し、それを受けてマルシーニョが加速。中村慶太を振り切ってボックスまで入り、マイナスのパスを入れると最後はレアンドロ・ダミアンが確実にフィニッシュ。待望の先制点が生まれます。

先制したことで勢いの出た川崎は、後半ますますアグレッシブになります。前線からのプレッシャーの強度が復活し、柏から自陣での自由を奪いました。とりわけ橘田、遠野が躍動します。

追加点こそ奪えないものの、ピッチ上の選手の状態は良く、全体のバランスを崩さないためにも交代は最小限にとどまりました。ただ、好調のマルシーニョが67分に負傷交代したことは、過酷なACLを考えると今後の不安材料になり得ます。

最後は相手陣内深い位置で途中から入った知念慶と塚川孝輝を中心にボールをキープして逃げ切りました。タイムアップ後には決勝点を挙げたレアンドロ・ダミアンがサポーターを煽ります。

今季好調の柏相手に川崎らしさをいくらか取り戻した形でマレーシアに旅立つこととなりました。


迷い、それも自陣ペナルティボックス手前でのそれは時として致命的な判断ミスにつながります。二、三度フェイクを入れた後で蹴った遠藤保仁のフリーキックを谷口彰悟が跳ね返し、セカンドボールを拾った小塚和季は小さくドリブルをしながら次のプレーを考えてしまいました。一瞬フリーになったが故の動きでした。

カウンター局面と考えたチームメイトは前進を始めるも、小塚が大森晃太郎にボールを奪われ、予期せぬ逆襲を食らいます。川崎が対応しきれない間に鈴木雄斗の絶妙なラストパスが出ると、大森が詰めて磐田が先制しました。78分のことでした。

ホームでセレッソ大阪に敗れてから4日、川崎はメンバーを一部変えて臨みました。今シーズンはレギュラーとベンチの差が曖昧になっていて、この日の11人にも期待が持てました。ただ、前半は左のマルシーニョを生かした攻撃が目立つものの、最後の局面での激しさや厚みを欠いていました。

後半になって遠野大弥が前半以上に意欲的にゴール前に出ていくようになり、脇坂泰斗も呼応して動くようになりました。機動力を上げたことでゴールの可能性が高まります。

66分にその2人を家長昭博と小塚に代えて、中盤に変化を加えます。さらに終盤にギアを上げるべく、小林悠とマルシーニョに代えてレアンドロ・ダミアンと宮城天を送り込みました。失点はその直後に起こりました。谷口の大津祐樹に対するプレーがファウルを取られたことから始まります。

追い詰められた川崎は塚川孝輝を入れて、知念慶とレアンドロ・ダミアンの2トップに変更。ボックス近辺にストライカーを増やして得点を取りに行きます。宮城もカットインして果敢にシュートを放ちます。

磐田は立ち上がりからプレーが止まった際に巧妙に時間を使っていましたが、上田益也主審は後半のアディショナルタイムを7分とりました。その時間が川崎に味方します。

90+4分、家長のクロスを知念が競り、浮いたボールを三浦龍輝がキャッチし損ね、こぼれ球を知念が素早く蹴り込みました。川崎にとってはラッキーな形で連敗という最悪のシナリオは免れます。

それでもまだ残されていた3分で逆転を目指し攻めた川崎。しかし、三浦の好守もあって望んでいた勝ち点3は取れませんでした。シュート数は磐田の倍の16本を放ちながら得点は1にとどまりました。

結果、2試合消化が少ない鹿島アントラーズに首位の座を譲ります。負けなかったのはよかったですが、前を向ける材料の少ない試合でした。


沈黙したままの完封負けこそ回避できましたが、散々な出来でした。川崎はこれまで勝ち点を獲得し続けたホームでついに敗れてしまったのです。

中断期間中、山根視来、谷口彰悟を除いた主力はチームに残っていたため、攻撃の整理はできているのではないかと期待させました。マルシーニョが力強いドリブルでシュートまでつなげれば、右サイドでは山根、脇坂泰斗、家長昭博が絡んで可能性のある攻めを見せます。

しかし、枠に飛ばないミドルシュートを放つなど、キム・ジンヒョンを脅かすほどの攻撃はほとんど仕掛けられません。特に前半はインサイドハーフの上がりも少なく、ペナルティボックスの周辺でボールを動かしてばかりで迫力を欠いていました。

その中で川崎は前半だけで3失点を喫します。高いラインを保って構える代表帰りの谷口が二度ミスを犯してカウンターを食らい、失点に絡んでしまいました。それ以外でもチーム全体の動きが悪く、セレッソのアグレッシブさに負けてしまい、スローインを簡単に相手ボールにしてしまいます。

流れの悪さを解消すべく、鬼木達監督はハーフタイムで大胆な選手交代を行います。山村和也、橘田健人、チャナティップ・ソングラシン、レアンドロ・ダミアンを同時に下げ、塚川孝輝、小塚和季、遠野大弥、知念慶を送り込みました。

発破をかけられた選手達は、パスの強さと速さを高めて縦に速い攻撃を仕掛けます。一時的に勢いは生まれ、マルシーニョのシュートがクロスバーを叩いたものの得点にはつながりません。

逆に次の1点をセレッソに奪われてしまいました。ミドルゾーンでのパスのずれがきっかけでした。0-4。逆転するのは絶望的なスコアです。

それでもチョン・ソンリョンが必死の守備で決定機を防ぎ続けると、川崎はチャンピオンチームの意地を見せて攻撃する姿勢を崩しません。ようやく86分に佐々木旭がハーフスペースに入ってフリーで受け、ボックス内の小林悠にボールをつけると、小林がヒールで落としてマルシーニョがコースを突いて1点を返します。

その後も知念の惜しいヘッドがありましたが、さらに点差を縮めるには至りません。消化試合が多く、順位表の上では首位をキープしているものの、中断明けの初戦は厳しい結果となりました。

しかも、じっくり立て直す余裕はなく、ミッドウィークにはジュビロ磐田とのアウェイゲームが控えています。三連覇に向けて連敗は避けなければなりません。


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