22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

2020年08月

先制点を取るまでは苦労しました。当初ゼロトップを務めていたチャナティップ・ソングラシンが、アンカーの守田英正を見ていたように中盤をマンマーク気味にしており、ミドルゾーンへのボールの出しどころが見つけにくい状態でした。

必然的にそのエリアで引っかかる場面が多く、どうにか突破したときも宮代大聖や旗手怜央がえぐってレアンドロ・ダミアンに合わせましたがゴールには結び付きません。

35分、脇坂泰斗のフリーキックをフリーになった車屋紳太郎が頭で押し込むと、チーム全体にタイトなマークを外す動きが出てきます。選手の動きが活発になり、パスの角度・速度もよくなり、苦しんでいたのが嘘のようになりました。

さらに後半開始から10分のうちに三笘薫とレアンドロ・ダミアンが追加点を挙げ、完全に川崎ペースとなります。

3点のビハインドを背負うこととなったミハイロ・ペトロヴィッチ監督は、3バックの進藤亮佑、福森晃斗を下げて、大胆に攻撃にシフトした選手交代をします。結果、それまでほど強くはなくなった札幌の最終ラインを川崎が容赦なく突いていきました。

そこで起点になったのが守護神、チョン・ソンリョンでした。精度の高いロングキックが前線に収まり、三笘、小林悠がゴールを決めます。小林はジュニーニョの持つクラブの通算得点記録を遂に更新しました。

最後まで手を緩めない川崎は、タイムアップ直前にも相手陣内でボールを奪い返して最終的には小林がチームの6点目を奪いました。

ジェイ・ボスロイドとアンデルソン・ロペスが入り、迫力を増した札幌に1点を許しはしましたが、試合そのものは圧勝。順調に首位をキープしました。


絶好調の川崎は、この日も大分を難なく下してクラブ記録を更新する8連勝を飾りました。

昨シーズンのように引かれた相手に必要以上に苦しむこともなく、慎重に構えられている中でもまずはプレッシャーのかかっていないジェジエウ、谷口彰悟から鋭いグラウンダーの縦パスを入れて打開を図ります。

先制点も谷口の縦パスがきっかけとなりました。中央のレーンを通す速いボールをレアンドロ・ダミアンがコントロールして小林悠に預け、それが脇坂泰斗へと渡り、最後は三笘薫がボックスの角から鮮やかにネットを揺さぶりました。隙のない、流れるような川崎らしい得点でした。

ムン・キョンゴンを起点に徹底して最後方からつなぐスタイルの大分に対し、川崎は前線の選手がビルドアップの段階から強いプレッシャーをかけます。相手に持たれる時間が長くなったとしても、余裕は決して与えずにどういう状況下であっても試合の主導権を握り続けました。

その姿勢がゴールという結果にも結び付きました。早目に設けられた飲水タイム明けの24分、相手の意志疎通が乱れて流れたボールをレアンドロ・ダミアンが奪い、冷静にフィニッシュ。あっさりとリードを広げます。

ハーフタイムが明けて60分以降、メンバー交代が進んでからは決定機こそつくれたものの、さらなるゴールは生まれませんでしたが、試合を通じて大分のシュートを1本に抑え、危なげない試合運びを見せました。

暑さが厳しい夏場ということを考えても、さほど負荷のかからない今節の戦い方は理にかなっています。相手に応じて確実に勝利をもぎ取る安定感があり、首位をひた走る強さを見せつけた一戦でした。


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