立ち上がりからホームのリバプールはシティのビルドアップを封じにかかりました。バンジャマン・メンディが高い位置をとるため実質3バックのシティの最終ラインに対し、リバプールが誇る3トップが中央に集まって対面につき、その先のフェルナンジーニョには包囲網を敷くことでパスコースを消しました。

後方ではメンディとラヒーム・スターリングのサイドにトレント・アレクサンダー・アーノルドではなく、ジョー・ゴメスをぶつけて対人の強さで勝ろうとします。実際、前半27分にはゴメスが仕掛けを試みたスターリングとの1対1を制しました。

なかなかリズムよくボールを回せないシティは、保持率を回復してもエデルソンと最終ラインでパス交換する時間が長く、前方への効果的な展開が思うようにつくれません。

やむを得ず前半の半ば過ぎからはベルナルド・シウバがフェルナンジーニョのところまで下がってフォローすることで自陣中盤の苦しい状況を助けます。ただこうなると前線の迫力は落ちてしまい、チャンスの数は必然的に減ります。

最初の45分のうちリバプールのボックス内でシティが脅威を与えたのは前半38分、メンディ、スターリング、ダビド・シルバと渡り、シルバがクロスを入れた場面くらいでした。

一方、リバプールとしては後方からサイドまでピッチを幅広く動くジェームズ・ミルナーが前半29分に退かざるを得なくなったのは誤算でしたが、ナビ・ケイタが入った後もシティに主導権は渡しません。

後半が始まると今度はスターリングやシルバが早めにプレッシャーをかけるようになります。それでも十分に流れを引き寄せるまでには至らず、逆にゴメスが上がってクロスを入れるシーンが増えました。後半17分にはマイナスのボールを入れ、モハメド・サラーが軽く合わせるシュートを放つも力が弱くエデルソンが正面で押さえます。こうした流れを受けてメンディが高い位置でプレーする機会が減りました。

また後半24分にはアリソンを起点に一気に前線のサラーのところまでボールを供給。リバプールはシンプルにシュートにつながる場面もつくりだします。

対して比較的慎重なゲーム運びを続けるシティはリヤド・マフレズがフィニッシュに絡むようになっていきました。後半16分にはシルバのパスを絞って受け、アンドリュー・ロバートソンにつかれた中でシュート。さらに後半30分にはベルナルド・シウバのクロスをアリソンが防いだこぼれ球を狙いますが、ここはアリソンに阻まれました。

後半40分、シルバのスルーパスに走ったレロイ・ザネに対するフィルジル・ファン・ダイクのファウルによってPKを獲得すると、ゴールに対して貪欲な姿勢を見せていたマフレズがキッカーを務めます。残された時間が少ない中、均衡を破る、値千金の先制弾を決める絶好機が訪れたもののマフレズのキックはクロスバーの上へと飛んでいきました。

このPKをとられた場面を除けば、ロブレンとファン・ダイクによる中央の守りはやすやすと単独突破できないほど固く、それゆえシティのザネやガブリエウ・ジェズスをスペースに走らせたパスも思うように通りませんでした。

アグレッシブな戦いが期待された序盤の大一番でしたが、チャンピオンズリーグをミッドウィークに戦った後の試合というのも影響してか互いに隙を見せまいと牽制しあったまま90分が経過しました。

とはいえアウェイゲームをスコアレスで凌げたことで、シティは首位の座をキープして中断期間に突入することができました。