22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

2017年12月

後半48分に井手口陽介のシュートが決まり、勝利をつかんだドラマチックな試合でした。ただ、代表デビューを果たした中村航輔が、柏レイソルで普段見せているようなパフォーマンスを披露していなければ、悲惨な結果になっていたかもしれません。

組織的に引いて構える北朝鮮に対して、日本はサイドからのクロスに活路を見出そうとしました。しかし、工夫を凝らすことなく単純に入れるだけの繰り返しで、ほとんどのボールを相手に跳ね返されていました。

流れが変わったのは、後半11分にトップ下であまり効果的な働きができなかった高萩洋次郎に代わり、伊東純也が右サイドに入ってからでした。突破力のある伊東は相手陣内深いところまでドリブルで仕掛ける意識が強く、そうしてからクロスを入れることで脅威を与えていました。

伊東によって右サイドが活性化する中、反対の左サイドを使って後半アディショナルタイムに決定的なチャンスが生まれます。後半46分、小林悠、阿部浩之、車屋紳太郎の川崎フロンターレ勢が絡んで崩し、最後は車屋のクロスに川又堅碁が高い打点のヘディングで合わせ、リ・ミョングクを襲いました。

そして後半48分、川又が左に流れてファーサイドにボールを入れると、後半になってからたびたび前目のポジションをとっていた今野泰幸が落とし、井手口がフィニッシュ。待望の先制点が生まれました。

普段の日本代表は海外組がほとんどを占めているため、国内組で編成されている今大会のチームは急造感が否めないのと、ワールドカップに向けてアピールをしたい選手の気持ちが空回りしている部分があり、どうしても難しい試合が続きそうですが、個々の持ち味を出してチームとしての結果につなげてほしいところです。


取っては取られ、また取っては取られという、なでしこジャパンにとっては厳しい展開となりましたが、最後はしっかり勝ち切って白星発進に成功しました。

前半8分、万屋美穂のクロスに田中美南が合わせ、最初のチャンスで先制するも、5分後に宇津木瑠美がハンドを犯したとして韓国にPKが与えられ、チョ・ソヒョンに決められてしまいます。

その後は岩渕真奈が孤軍奮闘するくらいで、日本はチームとして攻めの形がつくれません。飛ばし気味に戦う韓国に走り負け、縦へのロングボールも、狭いゾーンでの崩しもつながりません。

しかし、後半になると日本のプレスが改善されてはまりだし、決定機の数も増えていきます。後半9分には田中のシュートがキム・ジョンミを襲い、後半14分には長谷川唯のクロスを阪口夢穂が絶妙なトラップで収めてシュートまであと一歩というところまでいきました。

すると後半26分、キッカーを岩渕から大矢歩に変えたコーナーキックを三宅史織が落とし、中島依美が押し込んで再びリードを奪います。

このままリードを守りたいところでしたが、同点に追い付きたい韓国のプレーが激しくなり、中盤での攻防に負けだすと、後半35分にイ・ミナのクロスをファーサイドでハン・チェリンがダイレクトで合わせて試合は振り出しに戻ります。この場面は高木ひかりと大矢、両サイドバックの対応の甘さが失点につながりました。

それでも萎えることなく、3分後に中島の強烈なシュートがクロスバーを直撃し、こぼれ球を岩渕が収めて冷静にゴールに蹴り込んで決勝点を奪いました。

日本が主導権を握って戦えたとは言いがたいゲームでしたが、とにもかくにも勝ち点3を獲得できました。


長谷川竜也のゴールが決まり、タイムアップの笛が鳴るのとほぼ時間を同じくして、鹿島アントラーズが勝ち点3をとれなかったことが伝わると、それを理解したピッチの上の中村憲剛は激しく泣き崩れました。長らく、あと一歩のところでタイトルに見放されてきた歴史についにピリオドが打たれたのです。

滑り出しはまずまずでした。すでにJ2降格が決まっていたものの、まったく引く姿勢を見せなかった大宮をサイドで崩し、最後は阿部浩之がコンパクトな振りで抑えのきいたシュートを決め、開始1分で先制します。

その後も前半14分に車屋紳太郎のクロスに小林悠がダイレクトで合わせるなど、守備バランスの悪かった大宮を攻め立てました。ただ、2点目がなかなか取れない中で、次第に崩すことにこだわりすぎてシュートへの意識が低くなっていきます。ペナルティエリアに近づきながら、ボールを下げるシーンが多々見られるようになりました。

よくない流れを止めたのは家長昭博でした。前半47分に左サイドからクロスを上げ、小林のゴールをお膳立てします。いい時間帯に加点できたことで、川崎サイドは後半に勢いをもって臨むことができました。

そして後半10分を過ぎたあたりから前線からのプレッシャーを強めにかけるようになると、川崎の攻撃にリズムが生まれ、再び家長から小林へとボールが渡り、試合を決める3点目が入りました。

後半36分には、車屋がファウルを受けて得たPKを小林が決め、川崎のキャプテンは得点ランキング単独トップに躍り出ます。すべてが完璧にいった状態で、あとはヤマハスタジアムでジュビロ磐田と戦う鹿島の結果待ちとなりました。

大勝はしているものの、心の底から喜びきれない時間が続き、すべての感情を爆発させるには試合終了を待たなければなりませんでした。後半アディショナルタイムの5分が経過し、ようやく最後の最後で届いた朗報によって、等々力は本当の歓喜に包まれます。

ずっと欲しかったタイトルが、延長までもつれた今年元日の天皇杯でも、自滅に近い敗戦に終わった11月のルヴァンカップでもなく、1年間のチームの総合力が問われるリーグだったというのは、結果的によかったのではないか。そう思わせる幕切れでした。

そして、クラブの垣根を越えて愛されているプレーヤー、中村憲剛にタイトルがもたらされたことが、何よりも喜ばしい1日でした。


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