22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

2017年02月

堅実 ――大宮アルディージャ対川崎フロンターレ

ミッドウィークにACLを戦った影響か、ベテランの中村憲剛を筆頭に動きの重かった前半は、長いボールで背後を狙ってきた大宮に主導権を握られてしまいました。特に新加入の大前元紀、瀬川祐輔、長谷川アーリアジャスールが早くもチームにフィットしていて、躍動感がありました。

ただ、危うい場面がいくつかあったものの、前半36分にチョン・ソンリョンが大前のシュートを防ぐなど、川崎は45分を耐え凌ぎました。

この大宮の好調ぶりが際立ったまま試合は進んでいくかに思われましたが、後半15分あたりから途端に攻守の切り替えが遅くなります。どうやら昨年の天皇杯準決勝とは異なり、前半は飛ばし過ぎたようです。

すると流れは川崎に傾きます。後半21分、中村のコーナーキックを小林悠が頭で合わせて先制に成功します。この1点で息を吹き返すと、昨シーズンまでのようにリズムよくボールを回して大宮の選手を翻弄しだします。ボールは疲れないと言わんばかりに繋いでいると、相手は追うことすらできなくなりました。

鬼木達監督は、後半40分に阿部浩之を下げてセンターバックの奈良竜樹を入れてディフェンスのてこ入れをし、アディショナルタイムには狩野健太を送り込んで時間を使いました。

指揮官の堅実な采配に応えるように、後半43分には岩上祐三のコーナーキックにネイツ・ペチュニクが合わせたシュートを小林がゴールライン手前で阻止して得点を許さず、後半47分にはその小林から中村へとボールが渡ってダメ押しゴールを奪いました。

結果として、たとえ状況が多少悪くても慌てず騒がず90分トータルでのゲームマネジメントに成功した川崎が、開幕戦を完封勝ちでものにしました。この手堅さが悲願の初タイトルを目指すチームをさらに強くするかもしれません。

 

迎撃 ――FUJI XEROX SUPER CUP 鹿島アントラーズ対浦和レッズ

攻める浦和、守る鹿島という構図で始まりながら、殺傷能力の高さでチャンスを多くつくった鹿島が遠藤康の2ゴールで前半のうちにリードを奪い、盤石の試合運びで勝利……とはいきませんでしたが、最終的には鹿島が試合を制しました。

鹿島優勢の試合の流れを変えたのは、後半18分の浦和のプレーでした。序盤は中盤からサイドに散らして攻めていた浦和が、中央で細かいパスを連続して繋ぎ、駒井善成がクロスを入れて最後はズラタン・リュビヤンキッチが頭で合わせたシーンです。ここでリズムよくフィニッシュまで行けたことで手ごたえをつかみました。

ところが鹿島の石井正忠監督は、攻守にわたって泥臭いプレーで貢献していた金崎夢生とレオ・シルバを立て続けに引っ込めます。ACL、リーグ戦と続くこれからの過密日程を考えれば、十分働いていた選手を休ませるのは得策と考えたのでしょう。

すると後半29分に興梠慎三がみずから得たPKを沈め、1分後には先程の再現かのように駒井のクロスにフリーのズラタンが合わせポストを叩くと、こぼれ球を武藤雄樹が押し込んで同点に追い付きます。得点力のある浦和が持ち前の破壊力を見せました。

これで息を吹き返した浦和の攻守の切り替えが速くなり、試合の展開がわからなくなってきたところ、石井監督は厄介だった駒井の突破をケアすべく、山本脩斗を投入します。直後の後半38分、その山本の長いパスの処理を遠藤航が誤り、鈴木優磨がかっさらって決勝点を挙げました。遠藤航は後半7分にもペドロ・ジュニオールのプレッシャーが迫る中、あわやというシーンをつくってしまっており、この日は精彩を欠いていました。

交代して入った選手が活躍したことで勝利を収めた鹿島は、本格的なシーズンスタートを前に悪くない船出を迎えました。一方の浦和は槙野智章、柏木陽介が不在だったとはいえ、嫌な結果となってしまいました。


ギャラリー
  • 曖昧 ――FUJI XEROX SUPER CUP 川崎フロンターレ対セレッソ大阪
  • 動揺 ――ルヴァンカップ決勝 セレッソ大阪対川崎フロンターレ