22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

2016年12月

立ち上がりは長野が飛ばし気味に入り、切り替えを速くして、前から激しいアプローチを仕掛けては、横山久美が果敢にゴールを狙いました。また前半29分には横山のパスを受けた齊藤あかねがシュートを打つも、福村香奈絵が防ぎます。

圧倒しながら先制できずに次第にペースが落ちてくると、今度は新潟のサイドバックの背後のスペースにボールを送り、泊志穂を走らせる作戦をとりました。こうした積極的な攻撃を新潟は我慢強く耐えて凌ぎます。

すると36分、右サイドにいた上尾野辺めぐみから阪口萌乃、そして左サイドバックの渡辺彩香へとボールがわたり、フリーの渡辺がシュート。ボールはクロスバーに嫌われますが、ピッチに叩き付けられたはね返りを大石沙弥香が頭で押し込んで新潟が先制します。

畳み掛けるように40分には阪口のコーナーキックに対し、左山桃子が弧を描く動きでフリーになって追加点を奪いました。試合の主導権は完全に新潟に移ります。

後半は八坂芽依のシュートが防がれてバーに当たる惜しいシーンもありながら、とどめを刺すゴールこそ奪えなかったものの、センターバックの中村楓を中心に攻撃の軸である横山を完璧に封じることで、失点を防ぎます。

そうして終盤になると新潟にはプレーに余裕が出てきて、後半36分には長野のカウンターを不発に終わらせ、逆にカウンターを仕掛けて相手陣内でキープをするなど、時間をうまく使って試合をクローズさせました。

これで日テレ・ベレーザの待つ準決勝に進むことが決まりました。三冠を目指すベレーザを昨年同様に退けて、悲願のタイトル獲得に突き進むことができるでしょうか。


後半48分、ハメス・ロドリゲスのスルーパスを受け、ゴールを決めたクリスティアーノ・ロナウドは、やっと決まったかといった安堵の表情、ポーズをしていました。たしかにルーカス・バスケスのラストパスを受けた前半26分のヘッドがポストを叩いたり、後半15分のシュートがパオロ・ゴルツにブロックされるなど、フリーキックを含めてシュートを打てども打てどもゴールネットを揺さぶれなかったというのもありましたが、試合を終わらせるゴールに対するそのリアクションは、緊張感の抜けない本当の真剣勝負で見せるそれとは違っていたように感じられました。

ロナウドやカリム・ベンゼマを起用し、ベストメンバーで臨んだ割には、チーム全体のプレーもゆっくりボールを回して隙をうかがうところから始まり、徐々にギアを上げつつカウンターを仕掛けるなど、点を奪うために要所要所で瞬間的にスピードアップするといった風でした。

もちろんクラブ・アメリカが後方を固めて攻めにくかったのもあったでしょうが、初戦ということもあって、どちらかと言えば選手達は体を慣らしている感じで、とりあえず勝つことだけが大事であって、本番はここではないと言わんばかりの90分でした。

ただ一人の例外はルカ・モドリッチです。モドリッチはMOMに選ばれるのも納得のハードワークを見せました。攻守にわたって献身的でテクニカルなプレーを披露。はっきりと記録に残るプレーはなかったものの、記憶には十分残るすばらしいパフォーマンスでした。

さて、そんなレアルをその気にさせられるのか。こうなると晴れの舞台で鹿島アントラーズがどこまでできるか、決定機を生み出せるかが、決勝の面白さを左右するような気がします。この日の試合や、ジネディーヌ・ジダン監督が選手として挑み、パラグアイのオリンピアを相手に本領をまったく発揮せずに終わった2002年のトヨタカップのような味気ない試合にならないことを心から願います。


過去2戦の反省を踏まえてか、鹿島はキックオフと同時に前線の4人が一斉に走り出すなど、序盤から前への意識を強く出してきました。前半18分にはフランコ・アルマーニにセーブされはしましたが、柴崎岳が抜け出してシュートを放ちました。

とはいえ、試合を優位に進めていたのは、フィジカルの強さを見せて押し込むナシオナルでした。11分にはマテウス・ウリベが、22分にはミゲル・ボルハがゴールを狙い、いずれも曽ヶ端準が阻止。24分にはジョン・モスケーラのシュートがバーを直撃、さらにオルランド・べリオが押し込もうとしましたが、昌子源がギリギリのところでクリアしました。

劣勢に立たされていた鹿島にチャンスが訪れたのは、31分のことでした。28分の柴崎のフリーキックの際、エリア内で西大伍がべリオに体をぶつけられた後、足を引っかけられていたため、VARによりPKの判定となったのです。これを土居聖真がきっちり決めて先制します。

ビハインドとなったナシオナルは、変わらず攻め続け、一瞬たりとも気の抜けない時間が続きますが、鹿島もコーナーキックから植田直通が頭で合わせて脅かすなど、追加点を奪うチャンスはつくれていました。

後半になると、石井正忠監督が積極的に動きます。これまでは後半15分くらいを目途にしていたのを、それより少し早いタイミングで金崎夢生を投入、13分には中盤の守備で奮闘していた小笠原満男を下げて、守備能力の高い永木亮太を入れました。 

その後はやや雑になってきたとはいえ攻め込むナシオナルに対し、鹿島はカードは切ったものの我慢を強いられる展開はあまり変わりませんでした。しかし、鹿島に攻撃に出る余力がなくなっていったかに見えた終盤の38分、柴崎のクロスをアルマーニが止める前に遠藤康が懐に収め、ヒールキックでやさしくゴールに蹴り込みました。

とどめは40分。1分前にピッチに足を踏み入れた鈴木優磨が、金崎のGKとDFの間を狙った絶妙なクロスに合わせてフィニッシュ。例のごとく、といってもかなり力が入った状態で、クリスティアーノ・ロナウドのゴールパフォーマンスをまねてみせました。

結局、このまま試合は終わり、鹿島は準決勝を突破。リーグ戦終盤の4連敗が嘘のように、チャンピオンシップの勢いそのままに決勝にまで駆け上がりました。日本勢初のファイナル進出は、ヨーロッパと南米の王者だけで覇権が争われていたトヨタカップからの長い歴史を考えると非常に感慨深いものがあります。


前半は完全にマメロディペースでした。今大会で旋風を巻き起こさんばかりの勢いに鹿島は圧倒され、翻弄され、ラインも次第に下がっていきました。前半7分と29分には昌子源が対応を誤り、それぞれカーマ・ビリアト、パーシー・タウにシュートを打たれてしまいます。

結局、45分で11本のシュートを浴びるも、曽ヶ端準の好セーブもさることながら、リオ五輪でU-23南アフリカ代表がU-23ブラジル代表相手に見せたのと同じような最後のところの精度の低さに救われました。とにもかくにも無失点に抑えたことが大きかった前半でした。

エンドが変わると一変、ロッカールームで落ち着きを取り戻した鹿島が主導権を握ります。前の試合同様にシュートへの意識が高くなかった前半は1本もシュートを打てなかったものの、後半は遠藤康がゴールを狙ったのを皮切りに果敢に攻め入ります。後半12分には土居聖真が、16分には西大伍がシュートを放つもギリギリのところでクリアされてしまいました。

しかし18分、右サイドに流れた赤崎秀平のクロスを土居が落とすと、中央で待ち構えていた遠藤がシュート。デニス・オニャンゴはキャッチしきれず、ボールはゴールラインを割りました。劣勢に立たされていた鹿島が先制に成功したのです。

その後は先制直前に投入された金崎夢生が積極性を見せ、前線を広く動き回ってスルーパスやクロスを供給していきました。肝心のシュートは43分に決めます。遠藤にボールを預けるとゴール前に走り、鈴木優磨のマイナスのクロスをきっちりゴールにねじ込みました。土居が相手DFを引き付けたことで、金崎がフリーの状態になれたことも見逃せません。

マメロディは鹿島の修正力の前に屈し、先制されると意気消沈してしまいました。3人の選手交代も1点ビハインドになってから行いましたが、機能したとは言えません。

鹿島はこれであと2試合戦うことが決まりました。ここからは上位をかけた争いとなり、今まで見せたような前半の対応力のまずさ、ゴール前での迫力不足は改善しなければ勝機は見いだせないでしょう。


後半5分、エミリアーノ・タデのフリーキックに合わせたキム・デウクのヘッドが決まった時は、このまま鹿島が敗退するのではないかという嫌な予感が芽生えました。それほどまでにJリーグチャンピオンの出来は散々だったのです。

高い位置からプレッシャーをかけ、試合の入り自体は悪くなかったようでしたが、ボールも人もペナルティエリアへの進入が少なく、金崎夢生のようにがむしゃらにゴールに向かって突っ込んでいく選手もいないため、攻撃の迫力、怖さがほとんど見られませんでした。前半25分の岩田卓也のトラップミスから生まれたチャンスで遠藤康がシュートを放った場面以外は、チャンスらしいチャンスはありません。

しかし、失点して追い詰められたことで選手にもベンチにも危機感が生まれ、積極性を取り戻します。石井正忠監督が後半9分に赤崎秀平を、18分に金崎を入れて前線を活性化させると、エリア内に入る選手の数が増えるようになり、22分には同点弾が生まれました。右サイドから崩して、遠藤からのリターンパスを受けた永木亮太がマイナスのパスを送ると、フリーになって待ち構えていた赤崎がそれに合わせてゴールネットを揺らしました。

また金崎投入に伴って小笠原満男が悔しげにピッチを去り、柴崎岳が左サイドハーフからボランチにポジションを変えたことで、攻撃にリズムが出てきました。やはりサイドは居心地が悪かったようで、それまでミスが多かったのが嘘のように、中央に位置取ることで配球が冴え渡りました。

完全に流れを取り戻した鹿島は43分、山本脩斗のクロスを土居聖真が叩き付けるヘッドで折り返すと、金崎が頭で合わせて逆転に成功しました。みずから招いた苦戦をどうにか勝利に結び付けることができました。

初戦に勝ったことで過密日程突入が確定しましたが、そこを乗り越えて戦い抜いてほしいものです。


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