22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

2016年08月

大島僚太と南野拓実を先発に戻した日本は前半、6本のシュートを打ちましたが、アンドレアス・リンデにセーブされた興梠慎三の1本を除いては、大きく枠を外れたり、当たりが悪かったりしてゴールを奪えませんでした。それ以外は奪うところ、その先のところはまずまずでしたが、最後のところでやや慎重になってしまったのか、時折テンポが遅くなるなどして切れ味がありませんでした。

たとえば前半18分のシーンは、縦へのパスが繋がって中央を崩しました。植田直通が前に鋭いグラウンダーのボールを入れると、中島翔哉、興梠、南野とダイレクトで繋ぎ、中島に戻ってきたところでアダム・ルンクウィストにカットされました。

ただ、ポジティブな要素としては、コロンビア戦ほどスタートから飛ばしていなかったため、後半の戦いに期待の持てる状況でした。あとは前半の半ばすぎから4-5-1にして中盤を固めてきたスウェーデンをどう攻略するかにかかっていました。

エンドが変わると日本は徐々に積極性とスピードが出てきました。後半1分にはダイレクトプレーによる縦への展開から、大島からパスを受けた中島がクロスを入れるも少し大きく、合いません。

手倉森誠監督はさらに攻撃への勢いをもたらそうと、南野と浅野拓磨に代えて、矢島慎也と鈴木武蔵を立て続けに送り込みました。

すると18分、ショートコーナーから矢島がクロスを入れ、走り込んだ遠藤航がヘッド。これはリンデに防がれ、こぼれ球に鈴木が詰めましたが、ここもリンデに阻止されてしまいます。

流れが良くなってきた中で待望の時が訪れたのは、それから2分後のことでした。きっかけは亀川諒史が一度は奪われながら、チェイシングをしてとったスローインでした。そこから短くパスを繋いだあと、大島が力強く突破し、マイナスのクロスを入れて、最後はフリーの状態でゴールに向かっていた矢島が合わせて先制しました。

その後も日本はチャンスをつくります。22分にはショートコーナーから大島がセンタリングを上げ、塩谷司が頭で合わせるもクロスバーをヒット。24分には大島のすばらしいターンからのパスを受けた亀川がクロスを上げ、矢島が合わせましたがサイドネットでした。大島を中心としてつくったこうした好機をものにできれば、試合をより優位に進められましたが、それは叶いませんでした。

32分には興梠を下げて、井手口陽介を投入。中盤を厚くした4-3-3に変更して逃げ切りを図ります。スウェーデンはラスト5分というところで、センターバックのアレクサンデル・ミロシェビッチを前線に上げてパワープレーを仕掛けてきましたが、問題なく凌ぎ切りました。

結果、スウェーデンにはほとんど何もさせずに1対0で完封勝利をしたものの、同時刻に行われた試合でコロンビアがナイジェリアに勝ったため、勝ち点で1及ばず、準々決勝進出はなりませんでした。

敗退の要因を考えると、やはり守備に重きを置いた編成をしておきながら、3試合で7失点を食らってしまったのが大きく響きました。もちろん大会前の守備陣のアクシデントが少なからず影響したのですが、それでも終わってみるともう少し我慢しきれなかったものかと思われてなりません。


負ければ敗退が決まる崖っぷちの状況で、手倉森誠監督はGKを含め、スタメンを4人入れ替えて臨みました。選手達は開始早々から果敢にゴールを奪いに行く姿勢を見せ、終盤のスタミナが心配になるほどエンジン全開でプレーしました。

前半は決定機を二度つくります。最初は前半11分、中島翔哉が中盤でボールを奪うと、興梠慎三とパス交換をして右サイドの室屋成へ展開。室屋がドリブルで持ち込んでからクロスを上げると、前線に上がっていた興梠が胸で落として、最後は矢島慎也がシュートを放ちました。ここはクリスティアン・ボニージャの反応の良い好セーブにあいます。

もう一つは34分、コーナーキックの流れでクリアされたボールを拾った中島が興梠に預けると、興梠がダイレクトでクロスを入れ、ファーサイドで完全にフリーだった藤春廣輝が頭で合わせた場面です。ミゲル・ボルハがマークを疎かにしたために生まれたものでしたが、シュートが枠をとらえきれず、ゴールには至りませんでした。

このようにチャンスはつくれていましたが、それ以外の場面では最後のところでやらせてもらえない局面が続き、なかなかコロンビアディフェンスを攻略できません。

すると前半の終わりになると、全体的に運動量が落ち始めて失速。陣形も間延び気味になりました。ただ、幸いにもピンチを招くことはなくハーフタイムを迎えました。

後半、コロンビアが二枚替えをして、システムを4-3-1-2から4-4-2に変更してきましたが、立ち上がりは日本が立て続けにチャンスをつくります。

まず後半1分、浅野拓磨がケビン・バランタのパスをカットして、そのままシュートを打ちました。さらに3分、再び浅野が井手口陽介のパスを受けてゴールを狙います。しかし、どちらもボニージャに防がれてしまいました。また、後者は井手口がこぼれ球に詰めたものの、これもボニージャに阻止されました。

こうして強気の姿勢を貫いてプレーをしていましたが、やはり飛ばしすぎたせいか、全体のスピードはやや落ちかけていました。そんな中で日本は欲しかった先制点を先に取られてしまいます。

14分、ドルラン・パボンのパスを受けたテオフィロ・グティエレスが井手口を振り切ると、代わって入ったアルレイ・ロドリゲスとのワンツーを決めてシュートを放ちます。ボールは植田直通に当たってコースが変わり、ゴールネットを揺さぶりました。これには前半好セーブを見せていた中村航輔も対応しきれません。

追いかける日本は17分、先を考えて温存していたと思われる南野拓実と大島僚太を同時投入。もう一度、攻撃のスイッチを入れようとしました。

ところがその矢先に藤春がオウンゴールで1点を献上してしまいます。確かにカウンターを食らい、ミゲル・ボルハのシュートを中村が防いだこぼれ球への対応というところでしたが、さほど慌てるような場面ではありませんでした。そのボールのカバーに入った植田のクリアも及ばず、点差が2点に広がってしまいました。

ここから凄味を出してきたのが南野と大島でした。南野は巧みなキープ力でボールを簡単に失わず、大島は的確なパスと守備面での貢献が光り、ともに前への推進力を見せてくれました。

22分の浅野のゴールは、彼ら2人が絡みます。室屋のスローインから日本は一度もボールを失うことなく、最後はバイタルエリアで大島、南野で縦方向にショートパスを出して浅野に繋ぎ、浅野が冷静に射抜きました。ナイジェリア戦で再三見せたような鮮やかなパスワークからの得点でした。

勢いに乗る日本は29分、中島の美しいミドルシュートが決まって同点に追い付きます。その後はペースが落ちることなく積極的に攻めて、勝ち点3をもぎ取りにいきましたが、これ以上得点を重ねることはできず、48分には南野の浮き球に浅野が反応してトラップからシュートを打つも、ボニージャに阻止されました。

この結果、1試合を残しての終戦だけは回避することができました。ただ、勝ち点2で2位をキープしたコロンビアの最終戦は、すでに1位通過を決めたナイジェリアが相手なだけに、勝ち点1どまりの日本は依然として苦しい状況に立たされています。とにかくスウェーデン戦で結果を出して、もう1試合の行方に期待するしかありません。


メキシコ五輪以来となるメダル獲得のために大事な初戦は、後半50分に鈴木武蔵のゴールが決まり、4対5とスコアの上では惜しい敗戦となりました。たとえるならば、2013年に同じブラジルの地で行われたコンフェデレーションズカップの日本代表を彷彿させるような戦いでした。

日本が奪った4得点はPK獲得に至ったプレーを含めて、すばらしい形で生まれました。直前にマナウス入りしたナイジェリアのコンディションに問題があったとはいえ、ブラジル戦の不出来を考えれば随分と改善されています。また、大会前にアフリカ勢と親善試合をこなしてきた甲斐があったとも言えます。

特に2対2の同点に追い付いたゴールは、中島翔哉、興梠慎三、大島僚太と渡り、大島のスルーパスを受けた南野拓実が冷静にエマニュエル・ダニエルの股の間を通して決まりました。キックオフから一度もボールを奪われずに10本のパスを繋いで入った、非常に日本らしい崩しからのゴールです。

また、3点のビハインドを背負っていた時の浅野拓磨のゴールも、室屋成のスローインからボールを繋いで、中島のパスを受けた藤春廣輝のクロスに浅野がテクニカルに合わせたものでした。

ただ、ファーストステージ突破のために得失点差を詰める意味でゴールを重ねたとはいえ、我慢をするはずの肝心のディフェンスが崩壊してしまっては、それもあまり意味をなしません。遠藤航をアンカーに置き、守備時には4-1-4-1となる4-3-3の形を採りながら、浅野が入る後半8分までに4失点を喫しました。開始6分でサディク・ウマルに奪われた先制点を除けば、いずれもディフェンスのミスから生まれたものでした。

興梠のPKで追い付いた直後の11分の失点は、シェフ・アブドゥラヒのクロスに室屋がかぶってしまい、オグヘネカロ・エテボに易々と通してしまったものでしたし、しばらく膠着状態が続いた後の42分のゴールは、塩谷司のウマルへの対応が軽率になり、最終的には植田直通のクリアがエテボに渡って許してしまいました。

さらに後半開始早々に与えたPKは、室屋と塩谷がお見合いのような形でウマルの突破を簡単に許してしまい、その後、塩谷がエリア内でファウルを犯してしまったことによるものでした。

そして、点を取るために浅野を入れて4-4-2にした後のナイジェリアの決勝点は、日本のパスが慎重になり、全体的にスピードが遅くなったところをジョン・オビ・ミケルに奪われてしまい、そのクロスに対して飛び出した櫛引政敏のクリアがエテボに渡ってダイレクトで決められました。

こうしてミスが続出してしまったのは、アジア最終予選の後に守備陣に負傷者が続出したことが少なからず影響したと言えるでしょう。チームの土台となる守備が予期せぬ形で崩れてしまったわけですが、こればかりはどうしようもありません。

とにもかくにも次のコロンビア戦で、我慢のサッカーを貫いて勝てるかどうかが重要になりました。この試合のように打ち合い上等というわけにはいきません。それではアルベルト・ザッケローニ体制のフル代表が陥ってしまった状態と同じです。今の日本がそういうサッカーに活路を見出すのは厳しいでしょう。


キャプテンのネイマールを中心に緩急をつけながら押し込むブラジルに対し、日本はブロックを敷いて我慢をして耐えていました。前半17分、ネイマールのスルーパスに抜け出したドウグラスにクロスを上げられ、フェリペ・アンデルソンが放ったシュートは中村航輔が防ぎました。27分のネイマールのシュートも植田直通と中村が身を投げ出して阻止しました。

30分まではこうして乗り切っていましたが、クーリングブレイクの直後、日本に隙ができました。

33分、中盤でボールを受けたガブリエル・バルボサが突如ギアを上げてドリブルを開始し、そのままシュートまで持っていきます。ボールは植田に当たってコースが変わり、先制点を許してしまいました。一瞬の緩みが即失点に繋がるということを思い知らされる1点でした。0で抑える時間を長くしたかったはずの日本にとっては、痛恨の失点です。

畳み掛けるように38分のチアゴのシュート、39分のネイマールのフリーキックがゴールを襲いますが、いずれもクロスバーをヒットします。

そして前半終盤の41分、ネイマールのコーナーキックをマルキーニョスが頭で合わせ、ブラジルが加点に成功しました。塩谷司が競っていましたが、マルキーニョスに前に入られてしまいました。

後半は選手交代に制限がないというこの試合のレギュレーションが影響し、次第にトレーニングマッチの様相を呈してしまい、ゲームのテンションが下がってしまいました。日本は五輪に出る17人をプレーさせただけでなく、トレーニングパートナーの小川航基、冨安健洋もピッチに送り込みました。もちろん本番が迫っている時期だけに無理をする必要はなかったでしょう。

一方のブラジルは2点がセーフティーリードと考えたか、前半ほどの迫力ある攻撃はほとんど鳴りを潜め、まったりとしたプレーに移行していきました。こちらも調整の意味合いが強まっていました。

そんな45分の中で唯一、形になったのが後半8分のシーンでした。大島僚太が中盤でカットしてそのまま興梠慎三へのパスにすると、興梠はDFを引き付け、左でフリーになっていた中島翔哉にラストパスを送ります。中島はトラップしてからシュートを放ちますが、時間をかけている間にウイルソンに詰められてブロックされました。

ただ、これくらいしかチャンスらしいチャンスがなかったのは気がかりではあります。不甲斐ない出来に終わったトゥーロン国際大会の方がもう少しいいプレーができていました。果たしてナイジェリア戦までに修正ができるでしょうか。


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