22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

2016年02月

エンジンはまだかからず ――ガンバ大阪対鹿島アントラーズ

連戦を考慮したメンバー構成になったガンバに対し、鹿島は出足よく、がむしゃらに鋭い攻撃を仕掛けてきました。前半11分には、遠藤保仁が中村充孝に引っ張られてガンバの選手の動きが止まったところ、遠藤康が強烈なミドルシュートを放ちました。ここは東口順昭がセーブして難を逃れます。

ペナルティエリア内で転倒した丹羽大輝の負傷離脱というアクシデントにも見舞われたホームチームは、開始早々の長沢駿のミドル以降、シュートまで行けない展開が続いていました。

ようやくチャンスをつくったのは、41分。カウンターでキープしていたアデミウソンのパスを受けた藤本淳吾が左足を振り抜き、ボールはクロスバーを直撃しました。曽ヶ端準は一歩も動けませんでしたが、ゴールには至りません。

後半に入ってからも、元横浜F・マリノスのコンビが鹿島ゴールを脅かします。5分には藤本のリターンパスを受けたアデミウソンがシュート。21分には反対にアデミウソンがフリーの状態で逆サイドを駆け上がる藤本を見逃さずにパスを供給。この時の藤本の狙いすましたシュートは曽ヶ端に防がれてしまいました。

攻撃に力を入れるため、この直後にはエースの宇佐美貴史が満を持してピッチに登場。新スタジアムでの初めての公式戦を勝利で飾るべく態勢を整えます。

ところが先制したのは鹿島でした。24分に同時投入されたカイオと鈴木優磨がガンバゴールを破ったのです。

投入から3分後、すばやいスローインの流れからカイオ、西大伍、金崎夢生とダイレクトで繋がり、ボールは再びカイオのもとへ。カイオは右サイドから山なりの柔らかいクロスを入れ、それに対して鈴木が今野泰幸、米倉恒貴に競り勝ってヘッド。東口は懸命に反応しましたが、間に合いませんでした。

得点を奪ったことでアウェイチームは勢いづき、ガンバ陣内で試合を進めます。必然的に宇佐美もディフェンスに回らざるを得なくなりました。

流れを変えたい長谷川健太監督は、ピッチを幅広く動いていたアデミウソンに代えて、最後のカードとして倉田秋を送り込みましたが、同点に追い付くことはできませんでした。46分には藤本のCKに米倉が頭で合わせるも、枠をとらえきれません。

公式戦3試合を終えて、いまだ勝ちなし。エンジンがかかるのはまだのようです。


黒星発進 ――サンフレッチェ広島対川崎フロンターレ

序盤は青山敏弘を軸にロングパスを織り交ぜながら、得意のサイドを使った攻撃で攻めようとした広島でしたが、川崎の統制のとれた硬い守備に阻まれ形をつくりきれませんでした。

逆に決定機こそ与えなかったものの、パスサッカーを標榜する川崎のスピーディーでテンポのいいボール回しに振り回される場面が続きました。3年連続得点王のエース、大久保嘉人にも前半3分、11分と積極的にシュートを打たれました。

どちらかと言えば流れのよくない中、広島はセットプレーでチャンスをつくります。19分、茶島雄介のCKを佐々木翔が頭で合わせるも、ここは新加入のチョン・ソンリョンが冷静に防ぎました。

さらに45分、柴崎晃誠の変化をつけたCKに、大外にいた佐藤寿人が反応。今年の天皇杯決勝でガンバ大阪の遠藤保仁とパトリックが見せたような形で、佐藤がフリーでシュートを放ちます。ところが、塩谷司のマークについていた奈良竜樹が体を投げ出してブロックします。

エンドが変わっても攻めあぐねていた広島が失点を許したのは、スコアレスドローの可能性も色濃くなっていた後半39分でした。センターサークルで青山が中村憲剛にボールを奪われると、一気に攻め込まれます。そして中野嘉大が千葉和彦の股間を通すパスを入れて、最後は小林悠がフィニッシュ。林卓人は顔で防ぎましたが、及びませんでした。

前年王者もチャンスがなかったわけではありません。後半に入ってからはクロスを増やし、人数をかけて攻める姿勢を見せていました。

16分には青山の精度の高いパスを受けたミハエル・ミキッチのグラウンダーのボールに対し、柴崎が佐藤の空けたスペースにうまく入って合わせる場面がありましたし、終盤にはシャドーの位置ではなく、最前線に入ったピーター・ウタカが意欲的にシュートを狙っていくシーンがありました。佐藤に代わって入った浅野拓磨も、持ち味のスピードを生かしたプレーを披露しました。

しかし、これで広島はホームでの開幕戦を落とし、黒星スタートとなりました。やはり連覇への道は簡単ではありません。


不運 ――FUJI XEROX SUPER CUP サンフレッチェ広島対ガンバ大阪

リーグ開幕前の一発勝負とあってか、前半は互いにディフェンシブな、慎重な45分となりました。広島はミハエル・ミキッチ、柏好文の両サイドを生かした攻撃で、ガンバは前線の4人が連動したすばやいパス回しでそれぞれ打開を図りましたが、見せ場は少なく、前半19分の阿部浩之のシュートくらいしかチャンスらしいチャンスはありませんでした。

試合が動いたのは、エンドが変わった後半。ガンバが攻撃への意欲をはっきりと見せたことによって、広島がカウンターで応戦する形になってからでした。

後半6分、自陣でアデミウソンが落としてややルーズになったボールを佐々木翔が奪い、茶島雄介、青山敏弘、塩谷司とつながり、塩谷がクロスを入れます。そこに飛び込んだ佐藤寿人が左足を合わせ、広島が先制します。佐藤の点で合わせる技術の高さが見られたゴールでした。

1点を追いかけるガンバに不運が訪れたのが、その4分後でした。柏のクロスをペナルティエリア内で丹羽大輝が顔でブロックしたものの、飯田淳平主審の判定はハンド。PKをとられてしまったのです。これを代わったばかりの浅野拓磨が豪快に決めて、点差が2点に広がりました。

長谷川健太監督は流れを変えるべく、この日は迫力を欠いていたパトリックとアデミウソンを下げて、長沢駿と倉田秋を同時投入します。

すると23分、自陣深い位置からの丹羽のパスを絶妙なトラップで受けた倉田が右サイドに展開。阿部がフリーの状態で持ち込み、クロスを上げました。その先にいた宇佐美貴史が飛び込んで、ゴールネットを揺さぶります。

しかし大事な次の1点は広島にもたらされます。失点直後に入ったピーター・ウタカが、遠藤保仁のクリアしたボールをダイレクトで合わせ、ゴールに突き刺しました。積極果敢に得点を狙う姿勢が、いい結果をもたらした格好です。

以降は心理的に優位に立った広島がペースを握り、ガンバはボールを持っても相手の堅い守りに攻めあぐねる展開が続きました。それでも41分に宇佐美が粘ってシュート、44分にはオ・ジェソクのマイナスのパスを受けた井手口陽介がゴールを狙いましたが得点には結びつきません。

結果、広島が3対1で勝利を収め、開幕前の一戦をものにしました。大会連覇に挑んだガンバにとっては、かえすがえすも決勝点となったPKの判定に泣く形となりました。

 

意外な決勝点 ――『キャプテン翼 ライジングサン』3巻

昨年発売予定だったはずがずれ込んでしまい、今月発売となった3巻。少なくとも2ヵ月遅れとなった一冊は、全9話、マドリッド五輪の日本対オランダを最後まで収録したボリュームたっぷりのものとなりました。

大空翼のオーバーヘッドでのパスを受けた三杉淳のオーバーヘッド、日向小次郎のジャンピングタイガーボレー、そして翼と岬太郎のジャンピングボレーでのツインシュートと、空中からの派手で豪快なシュートがオランダのゴールネットを次々と揺らす試合でしたが、決勝点となった2点目のゴールは意外とシンプルな形で生まれました。

若林源三が起点となったカウンターで石崎了がオーバーラップを仕掛け、ライツファーをかわしてマイナスのクロス。それに対して日向がクゥーマン、ダビィを引きつけ流れたボールを、フリーの翼が頭で押し込んで決めました。『キャプテン翼』にしては、かなりリアリティのある、現実的な形での得点でした。おそらくオランダにとっては石崎の仕掛けがあまりにも予想外だったのでしょう。

交通事故で命を落とした亡き兄の思いも背負って戦うブライアン・クライフォートの存在は、日本にとって引き続き脅威でした。ただ、先制点以降の決定機は、対応が難しい無回転シュートが若林の正面だったことを考えると、後半開始早々の至近距離からのスパイラルジャンピングボレーしかありませんでした。しかもここはSGGKの読み勝ちで、ピンチを免れることができました。

後半8分のツインシュートでスコアを4対1とし、試合を決定づけたあとの40分弱の時間は、ビハインドの大きさにオランダが萎えてしまったのかわずか4ページにまとめられ、タイムアップを迎えました。翼のコンディションが100%ではない中でも、日本強しと印象づけるのに十分な快勝でした。

勝点3を獲得した日本の次なる相手は、こちらも初戦でナイジェリアを下したアルゼンチンです。「2016年発売予定!!」の告知を信じて楽しみに待ちたいと思います。


ギャラリー
  • 曖昧 ――FUJI XEROX SUPER CUP 川崎フロンターレ対セレッソ大阪
  • 動揺 ――ルヴァンカップ決勝 セレッソ大阪対川崎フロンターレ