22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

2015年10月

川崎は序盤、広島にじっくりビルドアップをさせないようにと高い位置からプレスをかけてスタートしました。加えて攻守の切り替えも速く、ファウルにはなるものの大島僚太は体を張って広島の攻撃をつぶします。

中盤と最終ラインの間に人が入るように努め、優勢に試合を進める中で、アウェイチームにビッグチャンスが訪れました。まずは前半21分、中野嘉大からボールを受けた大久保嘉人がふわりとしたクロスを上げ、小林悠が頭で合わせます。ここは林卓人が阻止しました。

35分には大島がタイミングを計って出したスルーパスに大久保が走り抜けてシュートを打つも、林にセーブされ、さらに小林がこぼれ球を狙いましたが、体を投げ出した青山敏弘にブロックされました。

チャンスを生かしきれずにいると、後半5分に失点を喫します。清水航平がエウシーニョに倒されて得たFKの流れで、キッカーだった柴崎晃誠がこぼれ球に反応し、ペナルティエリアの外から鋭いシュートを決めました。

上位争いに生き残るため、是が非でも勝ち点3の欲しい川崎が積極的にシュートを打って攻めるのに対し、森保一監督はスピードのある浅野拓磨を佐藤寿人に代えて送り込み、前掛かりになりがちな相手にカウンターを仕掛ける態勢を整えます。

急ぎたい川崎はバイタルエリアでボールが繋がらず、攻め疲れもあってか次第に運動量が低下。そんな中、中盤でフリーになった大久保がアウトにかけたミドルシュートを決めて同点に追い付きます。残り10分を切った状況での貴重な一撃でした。

今度は広島も前に重心を置くようになり、互いに攻め合う流れになります。

すると48分、浅野が谷口彰悟をかわしてカウンターの形になり、猛然と左サイドを走ってゴールに向かいます。それに対して中村憲剛が懸命に下がってプレーを遅らせるのに成功。クロスを封じるところまではうまくいきましたが、二度目に阻止したボールを大島がクリアしたところ、それが投入されたばかりの山岸智の前にこぼれてしまいました。前が空いていたため、山岸はダイレクトで左足を合わせると、ボールはゴールネットを揺らしました。

残り時間はほとんどなく、やや不運な失点によって川崎は敗れてしまいました。年間順位で上位を狙うにはあとがなかったチームにとっては、悔やまれる一敗となりました。


前半は押し込まれる展開が続き、ラミン・レザイアンのクロスやバイド・アミリのロングスローからフィニッシュに繋がれる場面がいくつか見られました。

こうした展開の中、攻撃では相手ペナルティエリアに進入することさえ難しく、ファーストシュートは27分の長谷部誠のミドルシュートまで待たなければなりませんでした。

前半35分には、レザイアンのクロスを吉田麻也が弾くも、こぼれ球をエフサン・ハジ・サフィに拾われ、グラウンダーのクロスがサルダル・アズムンに渡ります。ここはアズムンが合わせきれず、西川周作がキャッチして凌ぎました。

しかし46分、吉田がマフディ・トラビを倒してPKを与えてしまいます。シュートまで持っていくことができず、淡白に終わったカウンターを阻止されて、逆にカウンターからピンチを招いた格好です。アスカン・デジャガーのキックは西川が防ぎましたが、こぼれたボールをトラビに押し込まれて先制を許してしまいました。

いいところなく前半を終えた日本は、後半開始3分で試合を振り出しに戻します。サイドを上がる酒井高徳に釣られたトラビの軽い守備を見逃さなかった本田圭佑が鋭いクロスを上げると、武藤嘉紀がアリ・レザ・ハギギと競り合いながら体で押し込みました。

さらに14分にはイランのCKのこぼれを拾った清武弘嗣を起点に、宇佐美貴史、武藤と繋がりハギギと1対1の場面をつくりました。しかし武藤のドリブルが長くなったところをハギギに止められてしまいます。直後、本田もフォローに行きましたが、アミリに阻止されました。

以降は原口元気、岡崎慎司、柏木陽介といった攻撃的な選手を次々と投入しますが、決定機をつくりだすことができないまま、スコアは動かずタイムアップを迎えました。

結果として負けずに終わり、中東でのアウェイゲームという経験を積むことはできました。ただ手堅いメンバーではなかったとはいえ、前半から激しくかつリズムよく攻めることができず、後半になってようやく連動して動き出すといった流れは改善されませんでした。このあたりは2次予選を戦いながら引き続き修正していくしかなさそうです。


前半は芝の悪さに苦しみ、またコンディションが悪かったのもあったのか、サイドからしきりにクロスを上げるものの、流れの中からは相手を脅かすほどの決定機をつくれずにいました。

チャンスらしいチャンスといえば、前半27分のペナルティエリアわずかに外からのFK。香川真司が素早く始め、酒井高徳の折り返しに合わせた原口元気のシュートがブロックされたこぼれ球を、本田圭佑が生かしてシュートを打った場面くらいでした。直後、シリアのGKイブラヒム・アルマは足をつっていました。時間帯を考えると、悪い流れになりつつあるのを止めたかったのかもしれません。

32分にアルマが再びダウンした後、シリアにチャンスが生まれます。35分、原口のバックパスをマフムド・アルマワスがカットして、アブドゥルラザク・アル・フセインにシュートまで持っていかれました。41分にもエリア内で浮き球のボールをつながれてオマル・フリビンにシュートを打たれます。ここは西川周作がコースを消しに飛び出して、ボールは枠を外れました。

決していい内容とは言えない45分を過ごした日本は、ハーフタイムを挟んで修正に成功し、盛り返します。まずはピッチに慣れたのもあるのかボール回しがスムーズになり、主導権を握りだしました。

すると後半9分、長谷部誠の縦へのロングパスを受けに走った岡崎慎司がアーマド・アル・サリフに倒されPKを獲得します。短いボールを多用し始めた中では、効果的な攻撃となりました。これを本田がきっちり決めて先制します。

以降は香川、本田を中心に攻め込み、ゴール前に進入する回数を増やしていきました。そんな中でヴァイッド・ハリルホジッチ監督は原口を下げて、宇佐美貴史を投入しました。宇佐美はカウンター阻止に奔走するなど、守備面でも貢献してチームを助けます。

25分の岡崎の追加点は宇佐美も絡んだものでした。本田のFKを受けた宇佐美がファーサイドにパスを送り、それを受けた香川が見事な突破でアラー・アル・シュブリをかわしてボックスの中に入り込み、最後は岡崎が押し込みました。香川の持ち味であるゴール前での突破力が生き、岡崎のDFを巧みに外す動きが出た場面でした。

終盤に入るとシリアがギアを再び上げて果敢に攻め、守備では日本以上に球際の激しさを見せますが、宇佐美がとどめを刺します。43分、香川に代わって入った清武弘嗣が最終ラインの背後を突いてボールを出すと、本田がヒールで落とし、それをフリーの宇佐美がゴールに流し込みました。タイトなスケジュールが続く中、所属クラブではやや精彩を欠いていましたが、ここではしっかり結果を出しました。

最後まで攻撃の手を緩めなかった日本は、3対0で試合を終わらせます。日本が予選を戦わない13日にシリアが同じスタジアムでアフガニスタンと戦うため、再び逆転される可能性はありますが、とりあえずは目下のライバルを倒してグループEの首位に立つことができました。

 

宇佐美貴史を最前線に上げてパトリックと組ませ、遠藤保仁をトップ下に置いた4-3-1-2で臨んだガンバでしたが、いきなり出ばなをくじかれます。前半2分、川崎得意のパス回しに翻弄されて、ほとんどボールを触れないまま最終的には大久保嘉人にゴールを許してしまいました。

先制した川崎は攻撃のテンポがいいだけでなく、守備時のブロックも密集していて固かったため、しばらくはガンバが攻めあぐねる時間が続きます。

それでも42分に遠藤のクロスに対し新井章太が捕球ミスを犯し、それをパトリックが押し込んで同点に追い付きます。新井のミスは、FKの流れで残っていた岩下敬輔の飛び込みも影響しました。

このまま折り返したかったところでしたが、48分に中村憲剛の強烈なミドルシュートが決まり、勝ち越しを許してしまいます。ボールに対して軽く足を出して止めようとした選手もいたものの、シュートへのアプローチは甘かったと言わざるを得ません。

さらに後半10分、中野嘉大にドリブルからプロ初ゴールを決められ、点差を2点に広げられます。エリア内に進入した中野には3人、4人と囲い込みをしましたが、そばでフリーだった大久保の存在も気になったのか、阻止できませんでした。

苦しくなったガンバは、オ・ジェソクを下げて倉田秋を投入。今野泰幸を左SBにコンバートしました。この交代が奏功したのはパトリックがCKを頭で合わせてゴールを決めてから5分後の26分でした。米倉恒貴がフリーの状態で上げたクロスを、ファーサイドにいた倉田がダイレクトで合わせます。柏戦の先制点を彷彿させるような攻撃で、再び試合を振り出しに戻したのです。

ただ、タフな広州遠征を終えたばかりの前年王者の疲れの色は濃く、あと一歩、足が出ない場面が多くなり、攻守両面において迫力を欠いていきました。そして大久保にPKを決められ、さらに今野の頭上を越えたパスを受けた大久保のアシストで、エウシーニョにゴールを許した段階で勝負は決まりました。

ダメージはこの試合だけでは済みません。パトリックと倉田が警告を受け、これまた大事な次節の浦和レッズとの一戦に出られなくなってしまったのです。まだ希望は残されていますが、4冠に向けての道のりがより一層険しくなってきました。


注目の上位対決は、最後まで守り切ったFC東京が勝利を収めました。

前半1分、2トップの一角に入った東慶悟のパスを受けた米本拓司がオープニングシュートを放ったのを皮切りに、広島の固い守備を前に、東京はミドルレンジからも積極的にシュートを打つ姿勢を見せました。

25分にはペナルティエリア内で絶好機をつくります。塩谷司を振り切った東の右足アウトサイドのパスを、橋本拳人がターンしながらシュートを打ったのです。ただ、ボールは惜しくも枠を外れてしまいました。

一方の守備ではトップ下の河野広貴が広島の攻撃の起点となる青山敏弘を見る形をとり、その後方の中盤3枚は、広島の2シャドーとスペースをケアする役割を担いました。そしてゴール前は森重真人を中心とした安定した守備で決定機をつくらせません。

互いに中央の守りは固く、隙のない緊迫した攻防が45分続き、スコアレスでハーフタイムを迎えました。

後半になると東京は相手の攻めを自陣で構えて受けるのではなく、ビルドアップの余裕を与えないよう前線からプレスをかけるようになりました。そのため河野が高い位置でボールを奪えるシーンも出てきました。

ただ主導権を握るほど劇的な変化をもたらすほどではなく、ミハエル・ミキッチを中心とした広島の攻撃には手を焼いていました。

しかし後半25分、東京が先制します。太田宏介の山なりのクロスを前田遼一が落とそうとしたところ、水本裕貴が競り勝つもボールは橋本の足元に落ち、橋本がシュートを放ちます。これがうまくヒットしなかったのですが、ボールの軌道上にいた河野が膝でコースを大きく変えるとゴールに吸い込まれていきました。

以降は1点が欲しい広島が圧力をかけてきました。39分には途中出場の山岸智のクロスをドウグラスが頭で合わせますが、これは競り合いの中での高橋秀人へのファウルとみなされます。

さらに42分、塩谷がミドルシュートを打ってきましたが、ブラダ・アブラモフがセーブして回避。こぼれ球を浅野拓磨が豪快に蹴るも、サイドネットに飛んで救われます。

守勢に回り厳しくなる中、橋本が足をつって倒れると、マッシモ・フィッカデンティ監督は吉本一謙をピッチに送り込み、CBの間にポジションを取らせて5バックを敷きました。この形で5分あったアディショナルタイムを凌ぎ、1対0で逃げ切ります。

見事なマネジメントで勝った東京はこれで年間3位をキープ。2ndステージの順位も浦和レッズをかわして3位に浮上しました。また直接対決を制したことで、年間、2ndステージとも広島との勝ち点差を縮めることに成功しました。


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