22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

2015年03月

開始早々、PK献上という微妙な判定に泣かされそうになった大宮でしたが、大黒将志のキックを加藤順大が左腕で止めて難を逃れたことが、最終的に大きな意味を持ちました。

前半は完全に京都のペースでした。中盤を制圧され、京都の駒井善成、佐々木勇人らが躍動。40分にはダニエル・ロビーニョの強引な突破からのシュートも許しました。

しかし後半先制したのは、気持ちの切り替えに成功し、積極的に出てきたアルディージャでした。8分、CKからの流れで、河本裕之が黄大城に足をかけられてPKを獲得。それを9分にカルリーニョスがゴール右隅に決め切りました。

得点後は大宮の課題だった守備の押し上げもできるようになり、バランスがよくなってきました。それでも、山瀬功治が入ると、中央から左サイドのエリアが活性化して流れが再び京都に傾きだします。22分にはその山瀬のCKを大黒が合わせて同点に追い付かれました。大宮の渡部大輔はマークに付ききれず、バランスを崩して座り込んでしまいました。

1対1になってからは、互いに勝ち点3を奪うための一進一退の攻防が続き、どちらも決め切れないまま時計の針は進みます。

そんな状況の中、ホーム大宮の渋谷洋樹監督は38分に右MFとして渡邉大剛を、44分には播戸竜二を投入して、攻撃の意識を強めていきます。

すると播戸投入直後の44分、渡部のロングレンジのアーリークロスに対して、セットプレーの流れで前線に残っていた河本がミロシュ・バヤリッツァを押さえて飛び、頭を合わせて勝ち越し点を奪いました。

最後はカルリーニョスに代わって、横山知伸が入り、逃げ切りを図ります。48分、石櫃洋祐のロングスローに黄大城が合わせたヘディングはポストに救われました。結局、ミッションに成功してスリリングな戦いをものにした大宮が、今シーズン初めての複数得点で勝ち点3をゲットしました。

守らせたらヨーロッパトップクラスのユベントス。その牙城をドルトムントに最後まで崩させないまま、トータルスコア5対1で勝ち上がりを決めました。

前半3分、ドルトムント陣内のスローインからパスを繋ぎ、やや引き気味に構えていたカルロス・テべスにパトリス・エブラからボールが渡ると、すぐさま右足を振り抜きます。ほとんど回転をしないボールがゴールネットを突き刺しました。

これで優位に立ったユーベは、自陣で激しく、そして分厚く堅いディフェンスでドルトムントにシュートの機会すらつくらせません。実際、ドルトムントには37分のピエール・エメリク・オーバメヤンの力ない枠外シュートくらいしか、印象に残るチャンスはありませんでした。ジャンルイジ・ブッフォンが余裕で見送った場面です。

そのまま時が流れ、アディショナルタイムに後方でゆっくりボールを回していると、我慢しきれないホームのサポーターからブーイングを浴びる始末。ユベントスからすれば、申し分ない前半だったでしょう。

後半もディフェンス中心とはいえ、ペースはアウェイチームが握ります。攻撃でも5分にはテべスのドリブルから、11分にはロベルト・ぺレイラのドリブルから、いずれもアルバル・モラタに渡りシュートを放ちます。ともにロマン・ヴァイデンフェラーが体に当てて防ぎはしたものの、決して多くはない好機を生かして攻撃の鋭さを存分に見せつけます。

すると25分、クラウディオ・マルキージオがドルトムントの高いディフェンスラインの背後を狙ってパスを供給。抜け出したテべスがペナルティエリア内に入るとモラタに預け、モラタは難なくフィニッシュ。準々決勝進出に近づく大きな1点になりました。

34分にも左SBのソクラティス・パパスタロプーロスのトラップミスをステファン・リヒトシュタイナーが拾って、ぺレイラに渡し、ドリブルで突き進むと最後はフリーのテべスへ。その迷いなく振り切ったシュートが決まります。

結局、ドルトムントに打たれるシュートの数こそ増えたものの、絶好機をつくらせぬまま、ユベントスがベスト8入りを決めました。手堅く守って、決定力のある攻撃陣がしとめる。見事なまでの完勝でした。

帽子をかぶった細身の青年監督の顔が、試合ごとにしわが増え、年老いているような、そんな印象を抱かせる雨の中のゲームでした。

序盤はまったりした、ボールを蹴る音だけが響いている展開でした。その空気を打ち破ったのは、前半12分、本田圭佑の右足シュートでしたが、GKネトの正面だったために弾かれます。パスを出してゴール中央に走ってきたルカ・アントネッリも頭を抱えます。

ミランは13分、15分にもチャンスになりそうな場面をつくるも、決定機と呼べるほどのものではありません。

前半のハイライトは、30分。フィオレンティーナにビッグチャンスが訪れます。ヨシップ・イリチッチのFKのボールをホセ・マリア・バサンタが合わせて、クロスバーをヒットした場面です。こぼれ球はディエゴ・ロペスがキャッチします。アディショナルタイムがなかった45分は、これくらいしか大きな見せ場はありません。

ハーフタイム明けに動いたのは、ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督です。一気に二枚替えを行い、ホアキン、ミラン・バデリをピッチに送り出します。

この交代が奏功して、ホームチームがミランゴールを脅かす流れがより色濃くなりました。

それでもサッカーというのはわからないもので、先制したのはアウェイのミランでした。後半11分、ジェレミー・メネズのクロスが一旦はバデリに弾かれますが、こぼれたボールをジャコモ・ボナヴェントゥーラが蹴ると、マッティア・デストロが右足でコースを変えてネットを揺らしました。

ただ、ミランが1点リードしても試合そのものの構図は変わりません。ミランのカウンターが不発していることもあり、支配していたのはフィオレンティーナです。

38分、CKの流れからフィオレンティーナは同点に追いつきます。クリアボールを拾ったイリチッチが右サイドに展開すると、ホアキンがドリブルをスタート。マークについたボナヴェントゥーラを抜き切る前にクロスを上げます。そこへ飛び込み、ゴールへ叩き込んだのがフリーのゴンサロ・ロドリゲスでした。

スタンドのボルテージが上がってから6分後、先程アシストをしたホアキンが今度はゴールを決めます。またもミランのクリアボールを拾って、マヌエル・パスクアルへ。パスクアルのクロスはダニエレ・ボネーラに当たって鋭さを増し、フリーのホアキンが走り込んで頭で合わせました。

試合後、ロッカールームに引き上げるフィリッポ・インザーギ監督は、下を向き、冴えない表情をしていました。カメラは切ない背中をとらえて放しません。上位相手とはいえ、勝ち点1すら取れない終盤での逆転負けはあまりに痛すぎました。

動かない。動かない。動かない……。

TBSテレビが生中継した味の素スタジアムでの一戦は、両チームが守り合う渋い展開のままスコアレスで90分を終えてしまいました。ずっとワイプで映されていた日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、試合が進むにつれてあくびの数が増えていましたが、あれは来日したばかりゆえのフランスとの時差によるものなのか、あるいは試合内容に対するものなのかと考えてしまいました。

誰もが興奮するような、見せ場となるような場面は、後半最初の10分間くらいでした。その時間帯だけは、ハーフタイムにJリーグ女子マネージャーの佐藤美希が願った「後半はもっとゴールが決まるように。楽しみにしています」という言葉を受けたかのような展開になりました。

先にチャンスをつくったのはFC東京。7分、太田宏介の右CKを武藤嘉紀が中町公祐との競り合いに勝って頭を合わせました。しかしボールはクロスバーを叩いてしまいます。

反対に9分には、自陣でミケーレ・カニーニのパスミスを取った横浜の下平匠が、齋藤学へロングパスを送ってカウンターのチャンスが生まれます。齋藤はドリブルでペナルティエリア内に入り込むと、後方からダッシュしてきた兵藤慎剛へパス。東京ディフェンスの間を割って入った兵藤がシュートを放ちます。ここは権田修一が辛くもセーブして難を逃れました。

これで得たCKからの流れでチャンスを生かしたのは、再び横浜でした。左サイドに展開して藤本淳吾がクロスを上げ、太田が弾き返したボールが兵藤にこぼれます。兵藤は体勢を崩しながらシュートを打ちますが、またもや権田の好セーブに阻まれました。

以降、両監督が選手を投入して、流れを引き寄せようとしましたが、試合は一向に動きません。動く気配がしません。とりわけクロスを多用した東京に対して、中澤佑二擁するマリノスの中央の堅い守りが目立っていました。

両チームともにもっと積極的にミドルシュートを打っていれば、少しは流れが変わったかもしれない試合だったかなという印象です。

日本サッカー協会がネット配信したり、BSスカパー!が生中継した日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督の就任会見。1時間近くの会見を金曜夜の各テレビ局のニュースがどうまとめたのかを見てみました(日本テレビ除く)。

やはり最初の挨拶は大事らしく、「こんにちは」という日本語での一言を多くの局が取り上げていました。カタカナで「コンニチハ」とテロップを出したところもありました。監督のコメントとしてはどうでもいいように思いますが、挨拶や最初の一言は重要なのだとあらためて勉強になりました。

次によく取り上げられていたのは、就任理由として「私のメンタリティーに似たものを持っている」と言い、日本人の特性について語った場面。「厳しさ、規律、人を尊敬すること、真面目さ」という聞き慣れた単語をクローズアップして、日本人に向いている監督であることを強調したいようでした。

そして同じくらい取り上げられたのが「オフェンスが大好き」という一言から始まるくだりでした。「ボールタッチ数を制限する」や「ペナルティエリア内では3、4人が関わる」といったあたりが使われました。

一方で「バルセロナやブラジルのようなサッカーをしたいという指導者も多いと思いますが、私達は『日本代表のサッカー』をしたいと思っています」は外れていました。「日本化」の話は今更……といったところでしょうか。

逆に気になったのは、ハリルホジッチ監督が攻撃のやり方について話す前に現代サッカーの傾向について話し、「ボールを持っていない時はディフェンスをする。ブロックをつくる」というように守備面についても触れていたのに、そこをほとんどの番組が触れなかった点です。

「スター選手もチームのために働いてもらわなければいけません」というように、攻撃を主体としつつも誰もサボらない全員守備、全員攻撃をすると言っているように聞こえたのですが、それは間違った解釈だったのかと思ったほどです。あるいはテレビ局や視聴者が攻撃サッカーを強く望んでいるということなのかもしれません。

そして各局の報道の違いを見ていくと、「自分自身に自信を失っている選手がいる」という部分を拾ったのは、フジテレビの『すぽると!』でした。解説の清水秀彦は具体的に香川真司、本田圭佑、長友佑都の名前を挙げています。

一番まとめが無駄なくしっかりしていたのは、『NHKニュース7』です。「第一の目標はワールドカップに出ること。そして決勝トーナメントに進出したい」、「3月の2試合は二つとも勝利する」、「代表メンバーは決まっていない」といった部分を取り上げ、コンパクトに整理していました。やはり高視聴率番組といったところです。

対照的に同じNHKの『ニュースウォッチ9』は、政治家の演説のような比較的抽象的な熱弁をピックアップ。こちらは実に公共放送らしいまとめ方です。

ひそかに期待していたのは、テレビ東京の『ネオスポ』。同局を代表して解説の秋田豊が質問した際、「ホジッチ監督」という謎の略称を使っていた部分を流してくれるのではと思いましたが、真面目なまとめに終わりました。

それでも『すぽると!』同様に、同日開催の柏レイソル対ベガルタ仙台のハイライトを流したのはさすがです。「まず国内をしっかり見て、たくさんの選手に可能性を与えたい」とハリルホジッチ監督が話していたのですから、取り上げるのは当然と言えば当然なのですが、現実はそうでもないようなので。

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