22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

2015年03月

チャンピオンズリーグ(CL)出場権争いをしている両チームの試合は、リバプールのプレスをかいくぐったユナイテッドのペースで進みます。

ゲームが動いたのは、前半14分。自陣でゆっくりボールを回し、フィル・ジョーンズ、マルアン・フェライニ、アンデル・エレーラと繋ぎ、エレーラがフアン・マタに鋭いスルーパスを送ります。オフサイドラインぎりぎりのところを抜けたマタは、ファーサイドに鮮やかなシュートを叩き込みました。

先制した後は、ユナイテッドが中盤を支配する時間が長くなります。それでも35分にジョーダン・ヘンダーソンの右からのクロスをダニエル・スターリッジが落とし、最後はアダム・ララーナが強烈なシュートを放ちます。ダビド・デ・ヘアは一歩も動けませんでしたが、ボールはゴールの左を通過しました。

これによってリバプールが息を吹き返すも、前半は1対0で折り返します。

ハーフタイム明けには頼れる男、スティーブン・ジェラードがピッチに入ります。後半開始早々はジェラードを中心にボールをテンポよく回していましたが、32秒にジェラードがタックルをしてきたエレーラの右足を踏んづけたため一発退場となります。せっかくリズムを取り戻しかけていただけに悔やまれます。

すると14分、マタが途中投入のアンヘル・ディ・マリアとのワンツーからジャンピングボレーで追加点を奪いました。

これでユナイテッド安泰とはならず、24分にマイケル・キャリックをフィリペ・コウチーニョとマリオ・バロテッリがはさんでボールを奪い取ると、前方のスターリッジへ供給。スターリッジはニアサイドをぶち抜き1点を返しました。

以降は両チームともに絶好機をつくれぬまま時間が流れ、次第に運動量も落ちて試合の熱がトーンダウンします。終盤になると、リードしているユナイテッドは強引には攻めません。

そんな中で48分、ダレイ・ブリントがエムレ・ジャンに倒されてユナイテッドにPKが与えられました。アウェイチームにとっては試合を締めくくる絶好のチャンス到来です。

ところがウェイン・ルーニーのPKは、シモン・ミニョレが完璧なセーブ。リードを広げることはできませんでしたが、スコアは2対1のまま後半が終わります。

これでユナイテッドはリバプールとの勝ち点差を5に広げ、2位のマンチェスター・シティ、3位のアーセナルに食らいつく形をキープしてインターナショナルブレイクを迎えられることができました。

ここ3試合勝ちのなかったミランが、ラッキーなPKによって確実に勝ち点3を獲得しました。

序盤はカリアリの方が運動量多く、ミランはもったりしたペースで戦っていました。そのどんより感を払拭したのが、前半21分。アンドレア・ポーリが中盤でボールを奪い、そのパスを受けたジェレミー・メネズによる美しいゴールでした。

得点によってミランの出足が速くなり、本田圭佑が攻撃づくりに参加する場面も出てきました。しかしスコアは変わらず1対0で前半を折り返します。

すると後半2分、本田とイニャツィオ・アバーテがボール回しをしているところを奪われ、カリアリにカウンターを仕掛けられます。ちょうどアバーテのいないスペースに走ったジエゴ・ファリアスがマルコ・サウからのパスを受け、フィリップ・メクセスを難なくかわしてシュートを決めます。

ミランにとっては意気消沈しかねない立ち上がりでしたが、直後の4分、メネズのCKをメクセスがダイレクトでピッチに叩きつけるシュートを放って再び勝ち越します。まだゲームオーバーにはなりません。

31分には自陣深くでアバーテがボールを奪って、カウンターアタックをスタート。途中投入のアレッシオ・チェルチがフリーでボールを受けるとドリブルで突進します。そこへルカ・チェッピテッリのタックルが来て、チェルチが倒されました。

引っかけられたのは明らかにペナルティエリアの外でしたが、判定はPKでした。これをメネズが決めてリードを2点に広げます。

セーフティーリードと考えたのか、以後のミランは無理をしないで守備を固め、隙あらばカウンターを仕掛けるスタイルにしてきました。

アディショナルタイムにはそのカウンターからビッグチャンスが生まれます。カリアリが前がかりになっていたため、広大なスペースがカリアリ陣内にできていたためです。

にもかかわらず、46分のジャンパオロ・パッツィーニ、48分のチェルチといずれもフリーな状況でシュートを打つも、GKジェリコ・ブルキッチが止められる力ないボールを蹴ってしまいました。試合はそのまま終わりましたが、4対1、5対1にできるチャンスをみすみす逃してしまったのは、少々課題が残ります。

とにもかくにもミランは今節の結果によって、インテル、ジェノアをかわして8位に浮上しました。ただ、ヨーロッパリーグ出場権獲得への道のりの険しさは依然として変わっていません。

前半2分、謎の判定ですべてが決まってしまったような一戦でした。

この時、ウィルフリード・ボニーがクレイグ・ドーソンに引っかけられて倒れたにもかかわらず、主審はその後にボニーを止めに行ったガレス・マコーリーにレッドカードを提示します。明らかな選手間違いの誤審で、WBAは10人での戦いを強いられます。

自陣深くで守りを固めざるをえなくなったWBAに対し、シティはダビド・シルバを中心にスピーディーなショートパスで圧倒します。時にはピッチの4分の1でのボール回しも見られたほどです。シティのGKジョー・ハートの出番はほとんどありません。

先制したのは前半27分。CKのセカンドボールから生まれます。ペナルティアークから放ったフェルナンドのシュートがヨナス・オルソンに当たってこぼれ、浮き球になったボールをボニーがコントロールしてシュートを決めました。

その後もあの手この手を使って、ガエル・クリシー、ヘスス・ナバス、フランク・ランパードらがシュートの雨を浴びせます。

すると40分、再びCKから追加点を奪います。エリア内でのWBA守備陣のクリアミスを逃さず、フェルナンドが押し込みました。WBAがまったくシュートを打てない試合展開からすれば、セーフティーリードとなる1点です。

後半に入っても、攻めるシティ、守るWBAの構図は変わりません。ただ、WBAのシティ陣内に入る回数は増えていき、FK、CKのチャンスも生まれました。

28分には点差を詰める絶好機をWBAがつくります。クレイグ・ガードナーの右CKをオルソンが合わせ、さらにそれを前方にいたサイード・ベラヒノがヘッド。ボールの高さに対してゴールが近過ぎたか、惜しくもクロスバーを叩き、ゴールにはなりませんでした。

ピンチの後にはチャンスありというように、32分にはシティが試合を決定づけるゴールを決めます。ショートコーナーからクリシーがグラウンダーのクロスを上げると、途中投入のステバン・ヨベティッチがシュート。それをシルバが左足のすねで当ててネットを揺らします。シティは三度CKからの得点です。

3点目が入ると、エディン・ジェコ、ジェームズ・ミルナーがピッチに送り込まれますが、点差が開いて安心したのか、あるいはチーム全体が攻め疲れたのか、攻撃の勢いはやや衰えました。

スコアはこのまま変わらず3対0でタイムアップ。10人のWBAを攻め続けて勝ち点3を獲得しました。

序盤からさかんにプレスをしかけた山形が、粘りに粘って公式戦連勝、そしてリーグ戦初勝利を手にしました。

一時は中村憲剛を中心として最終ラインの背後を狙う川崎に主導権が渡りかけもしましたが、前半27分以降は流れが山形に傾きました。最初の絶好機が訪れたのです。

左サイドで囲い込んでボールを奪うと、山﨑雅人が右サイドに展開します。これを受けた船津徹也がディエゴの空けたスペースにパスを送りました。猛然と走り込んだキム・ボムヨンはシュートを決めるだけというようなビッグチャンスでしたが、スライディング気味のシュートはうまくミートせず、西部洋平が難なくつかみました。

33分、36分にはディエゴの惜しいシュートもありました。特に後者は3人がかりでレナトからボールを奪った流れで生まれたチャンスでした。

後半になっても山形のプレスは衰えません。逆に川崎は全体のバランスが悪く、中盤にぽっかりスペースをつくった場面もあったほど。さらに悪いことに17分には、日本代表の小林悠が右太もも裏を痛めて負傷退場するアクシデントが発生。交代カードを一枚切らざるを得ませんでした。

試合が動いたのは、後半29分。船津の高いクロスを川西翔太とエウシーニョが競り合ってこぼれたボールを、キム・ボムヨンがダイレクトで振り抜き、豪快にゴールネットに突き刺しました。押さえのきいたすばらしいシュートでした。

ゴールという果実のおかげで、山形は勢いづきます。守備を固めて、川崎のボールをブロックの中に入れさせず、思うように攻めさせません。さすがに終盤になると、カウンターアタックをしかける体力は残っていなかったようで、ゴール前で防ぐのが精いっぱいになりましたが、引き過ぎになることなくそのまま逃げ切りに成功しました。

一方、フロンターレは持ち前の相手を翻弄するパスサッカーができないまま、90分を終えました。絶好機と呼べるものもつくれず、カウンターも不発に終わり、後半11分には大久保嘉人がいらだつシーンも見られました。結果的には山形の粘りに屈した試合でした。

前半は鳥栖のハードな守備に苦しみながらも、横浜がセットプレーを生かしてゴールを襲う45分でした。とはいえ、セットプレーのセカンドボールを拾えはしたものの、28分の齋藤学、36分の中澤佑二はいずれもシュートが枠を捉えられず、ゴールポストの上を飛んでいきます。

後半になると鳥栖が積極的にしかけるようになり、果敢にシュートを打ちますが、こちらもなかなか決定機には至りません。ロングボールに反応した9分の池田圭のシュートは、小林祐三がブロック。13分の高橋義希のミドルシュートは枠を外れました。

試合を通じて最初の枠内シュートは、16分。金民友、白星東で中央を破って池田が放った鳥栖のシュートでしたが、これは力なく榎本哲也が押さえました。

その後、鳥栖は21分に水沼宏太、34分に早坂良太を投入し、攻めの勢いを盛り返しにかかります。

それでも先制点は36分に横浜が奪い取りました。中盤にいたアデミウソンが左サイドの齋藤に展開。すると齋藤が上がってきたアデミウソンに戻し、さらに兵藤慎剛、齋藤、小林と繋ぎ、小林がクロスを入れます。クロスは鳥栖のゴール前を右から左へゆっくりと流れていきますが、オーバーラップした下平匠が左足を振り抜いてシュート。ここは谷口博之が防いだものの、力なくこぼれたボールを兵藤が拾って粘り、ゴールに流し込みました。

横浜の中央を締めた守備は終始安定しており、エースの豊田陽平にほとんど仕事をさせませんでした。唯一の大ピンチといえる90分のプレーも、横浜は難を逃れました。

この場面はボールキープに入ったところをかっさらわれてから始まりました。そのボールを受けた藤田直之のクロスは一旦、中澤がクリアしましたが、こぼれ球を藤田が拾い、水沼に渡すとダイレクトで絶妙なクロスが豊田に送られます。豊田は小林の前に入り込みヘッド。それを榎本がすばやい反応でセーブしました。

最後は前線からの激しいプレスで鳥栖のロングボールを封じると、タイムアップの笛が鳴り響きました。横浜にとっては待望の公式戦初勝利です。

このページのトップヘ