本田圭佑が原案協力し、なおかつ本編のメインキャストとして活躍するという、連載ものとしては難しいチャレンジをしているマンガです。
それでもきちんと成立しているのは、現実世界の本田のキャラが立っているからでしょう。日本代表の中でも本田でなければ、本田だからこそ、虚構の世界でも輝いていられるのだと思います。事実、草場道輝先生は1巻の『おまけまんが』で、「本田選手のキャラが濃すぎて主人公が食われそう!!」という困難に直面していたと書いています。
それにしても、この作品ではサッカー界には本田のみならず、個性の強い、濃いキャラクターが多いものだとあらためて実感させてくれます。クローノス・ロナウドのモデルになったクリスティアーノ・ロナウドしかり、マリオ・パンテッラのモデルであるマリオ・バロテッリしかりです。いずれもマンガの中で躍動できるだけの強烈な個性を持っています。
もちろんそういったモデルたちを、マンガの中でうまくデフォルメさせて描いている草場先生の手腕があってこそなのですが。
一方、肝心のストーリーも、現実世界とかなりリンクしながら進んでいます。最初は日本代表が南アフリカワールドカップで決勝トーナメントに進み、ラウンド16でパラグアイにPK戦の末に敗れたところから始まっていますし、2011年から一気に2013年末まで話が飛んだため、詳細は描かれませんでしたが、アジアカップを制した後、コンフェデレーションズカップでブラジルに0対3で敗れたり、以降の親善試合で敗れていたりと、ザックジャパンが歩んでいった現実を相当に踏まえた展開になっています。
ただし、今の代表が苦戦している理由は、R・マドリッドに所属する主人公の坂本轍平と本田のタイプが異なり、共存がうまくいっていないからということで、読み手を納得させてくれます。ブラジルワールドカップ編に突入した時点でも、この問題を残した状態になっています。
そこで新キャラの弱気な若き天才、大久保塁が「通訳」として機能し、轍平たちが描くゴールに向かって星がつながる絵(イメージ)を本田と共有する役割を果たしてきつつあります。大久保は轍平の姉、琴音の指導を受け、U-18の選手だけで構成された新生日本代表の一員として登場し、台頭してきた選手です。
この新生日本代表と轍平たち旧代表との非公開試合は、同じ『週刊少年サンデー』で連載されていた『俺たちのフィールド』でのリザーブ・ドッグズ対旧・日本代表や、『キャプテン翼<ワールドユース編>』のR・J・7と全日本ユースの対決を彷彿とさせました。
現実世界のブラジルワールドカップでは惨敗してグループステージ敗退に終わった日本代表が、『ファンタジスタ ステラ』ではどこまで辿り着くことができるのか否か――。リアルな世界とどう折り合いをつけて、震えるような感動をもたらしてくれるのか。今後の展開が楽しみです。
それでもきちんと成立しているのは、現実世界の本田のキャラが立っているからでしょう。日本代表の中でも本田でなければ、本田だからこそ、虚構の世界でも輝いていられるのだと思います。事実、草場道輝先生は1巻の『おまけまんが』で、「本田選手のキャラが濃すぎて主人公が食われそう!!」という困難に直面していたと書いています。
それにしても、この作品ではサッカー界には本田のみならず、個性の強い、濃いキャラクターが多いものだとあらためて実感させてくれます。クローノス・ロナウドのモデルになったクリスティアーノ・ロナウドしかり、マリオ・パンテッラのモデルであるマリオ・バロテッリしかりです。いずれもマンガの中で躍動できるだけの強烈な個性を持っています。
もちろんそういったモデルたちを、マンガの中でうまくデフォルメさせて描いている草場先生の手腕があってこそなのですが。
一方、肝心のストーリーも、現実世界とかなりリンクしながら進んでいます。最初は日本代表が南アフリカワールドカップで決勝トーナメントに進み、ラウンド16でパラグアイにPK戦の末に敗れたところから始まっていますし、2011年から一気に2013年末まで話が飛んだため、詳細は描かれませんでしたが、アジアカップを制した後、コンフェデレーションズカップでブラジルに0対3で敗れたり、以降の親善試合で敗れていたりと、ザックジャパンが歩んでいった現実を相当に踏まえた展開になっています。
ただし、今の代表が苦戦している理由は、R・マドリッドに所属する主人公の坂本轍平と本田のタイプが異なり、共存がうまくいっていないからということで、読み手を納得させてくれます。ブラジルワールドカップ編に突入した時点でも、この問題を残した状態になっています。
そこで新キャラの弱気な若き天才、大久保塁が「通訳」として機能し、轍平たちが描くゴールに向かって星がつながる絵(イメージ)を本田と共有する役割を果たしてきつつあります。大久保は轍平の姉、琴音の指導を受け、U-18の選手だけで構成された新生日本代表の一員として登場し、台頭してきた選手です。
この新生日本代表と轍平たち旧代表との非公開試合は、同じ『週刊少年サンデー』で連載されていた『俺たちのフィールド』でのリザーブ・ドッグズ対旧・日本代表や、『キャプテン翼<ワールドユース編>』のR・J・7と全日本ユースの対決を彷彿とさせました。
現実世界のブラジルワールドカップでは惨敗してグループステージ敗退に終わった日本代表が、『ファンタジスタ ステラ』ではどこまで辿り着くことができるのか否か――。リアルな世界とどう折り合いをつけて、震えるような感動をもたらしてくれるのか。今後の展開が楽しみです。