22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

2015年02月

ハーフタイムの第3回マスコット総選挙上位発表で、5位のベガッ太が1位に輝いたサンチェを手荒く祝福しつつカメラの前に立って目立つ――。

Jリーグ開幕前、さらにはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の第1節と第2節の間という厳しく難しい時期の試合だったため、そんなシーンが中継のハイライトになるかと危惧した試合でしたが、後半はガンバ大阪に2ゴールが生まれ、いろいろな意味で大いに盛り上がりました。

本当の意味で試合の幕が上がったのは、後半9分、明神智和のボレーからでした。藤春廣輝の左からのクロスをワンバウンドで当てて枠をとらえたシュートで、惜しくもGKの西川周作にはじかれました。

そこから両者ともゴールに向かう姿勢が強くなり、おもしろみを増していきます。

先制したのはガンバ。後半23分、遠藤保仁のCKからパトリックが競り勝ち、流れてきたボールを宇佐美貴史が合わせてゲットしました。

その後は浦和レッズの猛攻を受けますが、前半同様に受けて立ったガンバはこれを凌ぎきります。

苦しい時間が続く中、最後はアディショナルタイムにパトリックのゴリゴリドリブルからのゴールで追加点を奪いました。パトリックは思わずユニフォームを脱いで、ちょっと変顔をしながらマリオ・バロテッリのような筋肉アピール。当然イエローカードをもらいました。

終わってみれば、無理をして激しく攻め立てず、守備から入ったガンバが試合巧者ぶりを見せつけた90分でした。これからACLのため、韓国に遠征しなければならない中、省エネで戦い抜いたという印象です。


ヤングでもリトルでもない「なでしこ予備軍」、U-23日本女子代表がU-23アメリカ女子代表と対戦しました。今年は女子W杯の年とあって、可能性を秘めた選手たちの戦いをフジテレビが地上波で生中継しました。

試合の入りこそ、前線からのハイプレッシャーとリズム良いパス回しで挑んだものの、相手を混乱に陥れるまでには至りません。結局、ビッグチャンスをほとんど作れずに、0-1で終わってしまいました。

唯一と言っていい決定機は、前半41分。高木ひかりの浮き球のパスから中央を崩し、増矢理花が放ったシュートくらい。この場面は相手GKアビー・スミスの顔面ブロックに防がれてしまいます。

後半、コーナーキックからリン・ウィリアムズに決められた後は、中盤でのつまらないパスミスや一瞬のスキからボールを奪われ逆襲を食らうシーンが続きました。こうなると自陣での対応に追われ、守備に奔走させられるばかりとなります。

ようやく終盤に高さやフィジカルを恐れないでクロスを上げ、打開を図りましたが実りません。そのままタイムアップを迎えました。アメリカが歯が立たないほど、とてつもなく強かったわけではないだけに悔やまれます。

田中美南、増矢などフル代表経験を持つ選手もいながら、個として輝きを放った選手はこの試合では見つからず、ベテラン揃いのなでしこジャパンへの道を切り開くのは険しいと言わざるを得ませんでした。

ネガティブな印象ばかりが残ってしまった90分。それだけにスウェーデン戦、ノルウェー戦での奮起を期待したいところです。

『グランドジャンプ』で絶賛連さ……休載中のマンガです。

試合は大空翼率いる日本五輪代表が挑むマドリッド五輪の初戦、オランダ戦で単行本も連載も止まったまま。コミックスの2巻巻末で3巻が「2015年発売予定!!」とうたっているので、連載再開も時間の問題と思いつつ、具体的な時期は知らされずにお休み期間ははや数ヵ月。

作者である高橋陽一先生の身に何かあったのかと心配したくもなりますが、ネットニュースなどを見るとご健在のよう。休載の理由がますます謎です。

ただこの作品の性質上、これからのストーリー展開を考えるのが難しいのは間違いありません。これまで同作品ではFIFA非公認の国際Jr.ユース(U-15の大会?)、ワールドユース(現U-20ワールドカップ)を最終的に日本が制してきているので、今度も日本が優勝して金メダルを受け取ることはほぼ100%確実。エンディングの見えた物語、しかも同じような世界大会の繰り返しの中、盛り上げるのは至難の業でしょう。

おまけに現実世界で日本はロンドン五輪ベスト4。さわやかサッカーマンガがそれ以下の成績で終わるとは考えられません。そういう大きな失望感を味わわせるマンガではないはずなので。

今は日本と同じグループに入っているアルゼンチンとの試合、ディエゴ・マラドーナをモデルにしたファン・ディアスとの対戦が楽しみでなりません。たぶん今回はディアスにリオネル・メッシ的要素も加わるんではないでしょうか。その日が少しでも早く訪れるのを気長に待ちたいと思います。

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