ホーム最終戦となったこの日は、全員が最良の結果を目指して戦い、完封勝ちを収めました。

立ち上がりは鹿島ペースで進み、佐野海舟の巧みな突破もあったとはいえ、中盤で規制をかけられない場面が目立ち、川崎陣内でのプレーが続きました。

当然、前線の3人にボールが渡る回数も少なくなります。この段階で失点していれば、苦しいゲームになったでしょう。

しかし現実は前半の半ばから主導権を握り返します。徐々に鹿島ゴールに迫れたことで、本来の姿を取り戻しました。

34分、登里享平がスペースを狙って出したボールにマルシーニョが追い付き、ポケットからマイナスのラストパスを繰り出すと、レアンドロ・ダミアンがやや窮屈な状態ながらもそれに合わせて先制します。

1点取れたことで余裕が生まれ、ハーフタイムまでは落ち着いたプレーに終始しました。

後半は追加点を奪うべく、再びギアを上げます。瀬古樹の前線への関わりを生かして、2回連続で鹿島を脅かしました。

そこでは2点目を取れなかったものの、63分に左サイドに流れたボールに対してマルシーニョがあきらめずに走ったことでチャンスが生まれます。

マルシーニョは須貝英大がコントロールしきれなかったボールを奪い、最後はレアンドロ・ダミアンが冷静にゴールに蹴り込みました。

さらに優位に立った川崎ですが、交代はマルシーニョに代えて宮代大聖が入ったくらいで、残りの4枚のカードは87分まで切られませんでした。

4枚替えをする前に、レアンドロ・ダミアンが早川友基に倒されてPKを獲得。ハットトリックのかかった背番号9が蹴るかとも思われましたが、天皇杯準決勝での失敗以降、代わりにキッカーを任されている脇坂泰斗が担当します。確実に左に決めて3-0としました。

あとはクリーンシートで終わらせるだけでした。遠野大弥がディエゴ・ピトゥカのシュートコースを消そうと懸命のスライディングを見せるなど、全員の意識は統一されていました。

得点源である鈴木優磨にボックスの中で決定的な仕事をほとんどさせぬまま、試合をクローズします。最近は点を取れても打ち合いになることが多かっただけに、見事な締めくくりでした。