埼玉スタジアムで行われた首位攻防戦は、最後まで気持ちを切らさず走り抜いた浦和の勝利に終わりました。

前半は浦和のセットプレーを除くと両チームともほとんどがミドルシュートで、かつ枠内シュートは1本もない45分でしたが、互いに集中していて、最後の最後をやらせない体を張った守備が際立つすばらしい内容でした。

唯一、決定機に近かったのが44分。ピッチ中央付近にいた森脇良太が最終ラインの裏を狙ったパスにズラタン・リュビヤンキッチが反応。絶妙なトラップを決めましたが、左足は空を切りました。

後半に入り、浦和が運動量でガンバを圧倒するようになり、トップのズラタンの存在が目立ち始めます。逆にガンバの最前線のパトリック、宇佐美貴史へはボールがなかなか供給されずに孤立します。

ようやくめぐってきた20分の相手CKからのカウンターのチャンスは、パトリックのパスを全速力で走ってきた宇佐美がコントロールしきれなかったため、不発に終わりました。

逆に23分、柏木陽介からボールを受けた関根貴大のクロスを梅崎司がスルーし、ズラタンが倒れながら合わせましたが、東口順昭の正面でした。

こうしたつなぎの形ができてきた浦和に待望の瞬間が訪れます。39分、藤春廣輝のパスをカットした途中出場の李忠成がドリブルで持ち込むと、武藤雄樹、宇賀神友弥と渡り、ラストパス。ニアサイドに飛び込んだ阿部勇樹はとどかなかったものの、フリーのズラタンが難なく合わせて先制しました。ズラタンには金正也がついていましたが、判断を誤って別の場所に移動してしまっていました。

ガンバは疲れから押し込めない時間が続きましたが、最後の力を振り絞って攻めます。それを浦和がクリアするなどして踏ん張って凌ぎ、逃げ切りました。

浦和のピンチは終盤に2回ありましたが、いずれも西川周作が防ぎます。先制する前、31分には遠藤保仁のFKを左手でかろうじて触り、バーに当たって逃れ、47分には今野泰幸のパスカットを拾ったリンスからパスを受けた宇佐美の鋭い反転シュートをセーブしました。

日程の厳しい中で労を惜しまずプレーし続けたことで、両チームの勝ち点差は4に広がり、浦和はがっちり首位をキープしました。