ホームの万博で南米王者リーベルを迎えたガンバは、チャンスこそ数々つくりましたが、それらを生かしきれずに完封負けを喫しました。

とりわけ序盤はリーベルの容赦なく激しいプレッシャーと、相手DFが目の前にいようがかまわずゴールを狙う姿勢に圧倒され、主導権を握られていました。

この展開を凌ぎたいところでしたが、前半7分、シュートを浴び続けた中で井手口陽介がエリア内でファウルを犯し、PKを与えてしまいます。それをカルロス・サンチェスが豪快に決めてリーベルが先制しました。

その後もガンバは思うようにボールを動かせずにいましたが、21分に絶好機が訪れました。今野泰幸が自陣から相手最終ラインの背後を狙ったパスを出すと、パトリックがそれに反応して走ります。これに対応すべく、マルセロ・バロベロが走るも、判断ミスでボールが頭上を越えていきました。パトリックの目の前には無人のゴールが広がっていましたが、トラップをしているうちにバロベロに追い付かれてフィニッシュには至りません。ここで追い付いていれば、というシーンでした。

前半の中盤が過ぎると、リーベルの開始当初の勢いは落ちてきました。それでもガンバは体を寄せられて意図のないボールを蹴らされるばかりになり、最前線のパトリックに収まらないまま時間が流れていきました。

すると31分、セバスティアン・ドリウッシのクロスをハビエル・サビオラがボレーで狙います。ボールは井手口に当たってCKになりました。サンチェスのプレースキックはファーサイドにいたガブリエル・メルカドに届き、ヘディングで加点します。ほんのわずかなマークのずれがガンバの失点につながりました。

ややトーンダウンしたとはいえリーベルは攻めの姿勢を貫きます。ペナルティエリアに入れば一瞬の隙を突き、迷わずシュートを打つ意識でプレーしていました。

そんな状況の中、長谷川健太監督は金正也に代えて、東アジアカップから戻ってきたばかりの倉田秋を投入し、システムを4-2-3-1から4-4-2へと変更。遠藤保仁と今野をそれぞれ一列下げました。

前半終了間際、クロスバーをヒットしたサンチェスのシュートの流れで得たCKのこぼれを遠藤が拾い、スルーパスを出してリンスに繋ぐと、リンスはキープして倒れながら倉田にボールを預けます。倉田は追いかけてくるリーベルの選手をドリブルで振り切り、相手ペナルティエリア付近でクロスを上げました。しかし中央にいたパトリックには届きませんでした。

後半16分、今度はリーベルがガンバのCKからカウンターを仕掛けます。最後は藤春廣輝の前に体を入れたゴンサロ・マルティネスが鮮やかに弧を描くシュートを決めました。リードを3点に広げる大きな一撃でした。

それでもリーベルのプレスが弱まり、後方ではボールを回せるようになったガンバはあきらめずに攻めていきます。24分、阿部浩之が逆サイドでフリーの二川孝広に渡すと、二川がDFとGKの間を狙った絶妙なパスをゴール前に供給しました。そこには遠藤とパトリックが走り込んでいましたが、ボールは体を投げ出した二人の前を抜けていきました。

32分には二川が左サイドの阿部に送ると、阿部はダイレクトで折り返します。それを倉田が合わせましたが、バロベロに阻まれてしまいました。

以後もさかんにシュートを放ち、ゴールを奪いに行くもののスコアは動きませんでした。ガンバはフルメンバーではなかったのは事実ですが、90分を通じて決定機は少なくなかっただけに残念な結果となりました。