試合の入り方は悪くありませんでした。最低でも1点が必要なガンバは、左MFを任された二川孝広が中盤でいいアクセントになり、序盤から広州の固いブロックを壊しにかかり、ディフェンスでは遠藤保仁、岩下敬輔らが身を挺して相手のカウンターを阻止していました。

前半30分には、広州陣内で遠藤がパウリーニョからボールを奪い、倉田秋がミドルシュートに繋げたシーンもありました。

ただ、広州はエウケソンやリカルド・グラル、鄭智が遠慮なくミドルシュートを放ち、ガンバゴールを脅かします。シュートの数ではガンバを上回り、前半半ばからはややペースを握られてしまい、じわじわ押し込まれる状態となりました。

43分にはこの試合最大のピンチを迎えます。自陣で今野泰幸の横パスをパウリーニョに奪われると、鄭龍の冷静なポストプレーに反応したエウケソンがほぼフリーの状態でシュートを打ったのです。しかし、ここは東口順昭がセーブし、CKに逃れました。

後半に入り、一進一退の展開が続く中、15分には宇佐美貴史がピッチに送り込まれました。残り30分となったところでトップ下の倉田秋を右MFに移し、2トップにシステムを変更しました。

満を持して登場した宇佐美でしたが、26分と39分にシュートを放つも、いずれも枠をとらえられません。

ガンバの決定機と呼べそうだったのは34分、左サイドでボールを回し続けたあと、倉田が中央へグラウンダーのクロスを送り、遠藤がコントロールショットを打った場面でした。ここは1stレグでオウンゴールを記録した馮瀟霆が体を投げ出して阻止。曾誠が浮いたボールを難なくキャッチします。

終盤は丹羽大輝を起点にゴール前に放り込むパワープレーを選択。41分には192cmの長沢駿が加わりますが、広州のルイス・フェリペ・スコラーリ監督は前線のエウケソンと鄭龍の代わりに184cmの梅方と185cmの告林を入れて徹底した守備固めを図りました。

残念ながら黄色く高い広州の壁を前に必死のパワープレーは実を結ばず、1stレグ同様にセカンドボールを生かした波状攻撃を仕掛けることもできません。このあたりはプレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いたボランチのパウリーニョの存在が大きかったと言えます。

結局、露骨な時間稼ぎをしなかった相手に対してスコアレスのままタイムアップを迎え、トータルスコア1対2で決勝進出はなりませんでした。