キックオフとともに鹿島がガンバの左サイドを狙って攻め込みます。ガンバはその怒涛の攻撃を凌ぐのに精一杯でした。しかも前半15分近くになるまで、鹿島陣内深くまで進入することができず、東口順昭のゴールキックを競ったあとのボールさえ拾えない始末でした。

ようやく攻めに出られるようになっても、宇佐美貴史一人に依存する苦しい状態で、その宇佐美もドリブルで相手を翻弄しようと何度も試みるも、カウンターでの単独突破以外では振り切ることができないでいました。

鹿島優勢で試合が進み、失点は時間の問題かに思われました。それでも遠藤保仁、東口、そして丹羽大輝がすんでのところでシュートを阻止し、前半はスコアレスで折り返しました。ハーフタイム中に掲示されたボール支配率ではそれほど圧倒されていない印象でしたが、主導権は確実に鹿島が握っていました。

後半に入っても鹿島ペースに変わりはありません。そして後半15分、39分と小笠原満男のCKから失点を喫します。特に最初の失点はファン・ソッコを完全にフリーにしてしまったのが原因でした。

一発勝負ゆえにゴールを奪われたあとは、遠藤を中心にして当然攻撃に重きを置きます。ベンチの長谷川健太監督も二列目の阿部浩之、倉田秋に代えて、大森晃太郎、リンスを投入しました。しかしそれらは奏功せず、鹿島DFを慌てさせるような展開にはまったくできませんでした。

3点目のカウンターによるカイオのゴールは、得点欲しさに前掛かりになっていたがゆえに致し方ないものでした。その後はファウルが増えてしまい、パトリックと大森が立て続けにイエローカードをもらってしまいます。そして、キープして時間を稼ぐのではなく、貪欲に4点目を奪いに来た鹿島に対して何もできずに終わってしまいました。

まさに手も足も出ない完敗です。我慢の時間を乗り越えれば、主導権を握り返せるかと思われましたが、試合の入りからフルスロットルで来た鹿島に押されっぱなしの90分でした。