動かない。動かない。動かない……。

TBSテレビが生中継した味の素スタジアムでの一戦は、両チームが守り合う渋い展開のままスコアレスで90分を終えてしまいました。ずっとワイプで映されていた日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、試合が進むにつれてあくびの数が増えていましたが、あれは来日したばかりゆえのフランスとの時差によるものなのか、あるいは試合内容に対するものなのかと考えてしまいました。

誰もが興奮するような、見せ場となるような場面は、後半最初の10分間くらいでした。その時間帯だけは、ハーフタイムにJリーグ女子マネージャーの佐藤美希が願った「後半はもっとゴールが決まるように。楽しみにしています」という言葉を受けたかのような展開になりました。

先にチャンスをつくったのはFC東京。7分、太田宏介の右CKを武藤嘉紀が中町公祐との競り合いに勝って頭を合わせました。しかしボールはクロスバーを叩いてしまいます。

反対に9分には、自陣でミケーレ・カニーニのパスミスを取った横浜の下平匠が、齋藤学へロングパスを送ってカウンターのチャンスが生まれます。齋藤はドリブルでペナルティエリア内に入り込むと、後方からダッシュしてきた兵藤慎剛へパス。東京ディフェンスの間を割って入った兵藤がシュートを放ちます。ここは権田修一が辛くもセーブして難を逃れました。

これで得たCKからの流れでチャンスを生かしたのは、再び横浜でした。左サイドに展開して藤本淳吾がクロスを上げ、太田が弾き返したボールが兵藤にこぼれます。兵藤は体勢を崩しながらシュートを打ちますが、またもや権田の好セーブに阻まれました。

以降、両監督が選手を投入して、流れを引き寄せようとしましたが、試合は一向に動きません。動く気配がしません。とりわけクロスを多用した東京に対して、中澤佑二擁するマリノスの中央の堅い守りが目立っていました。

両チームともにもっと積極的にミドルシュートを打っていれば、少しは流れが変わったかもしれない試合だったかなという印象です。