前半の飲水タイム直前に大島僚太のミドルで先制こそしましたが、最後まで選手達がピッチに足をとられることの多かったこのアウェイゲームは神戸相手に苦戦を強いられました。

神戸は両サイドバックが高い位置をとっており、酒井高徳がタッチライン際に、西大伍はハーフスペース近辺にポジションをとりました。必然的に川崎の両サイドバックはいつものように積極的には上がれません。

そこで手薄になるはずの最終ラインには、展開力のあるセルジ・サンペール、山口蛍が顔を出すことで数的不利に陥らないようにしていて、容易には突破できない形になっていました。

また、ミドルゾーンでは田中碧、脇坂泰斗に対して厳しいプレッシャーがかけられ、ビルドアップがうまくいきません。こうして川崎は手詰まりになります。

鬼木達監督は自分達から打って出るというよりは、押し込まれている状況を解決するための選手交代を多く行います。

まずハーフタイムで脇坂を下げて、キープ力の高い右ウイングの家長昭博をその位置にコンバート。これにより中盤の強度を上げます。

次いで酒井に対して守勢に回っていた山根視来を下げ、守備力の高い守田英正を投入。66分には田中を下げてレアンドロ・ダミアンを送り込みます。ここでは小林悠を残して前線の厚みを確保するとともに技術が高く試合をコントロールできる大島をアンカーに下げてビルドアップ時のリスクを軽減します。

数々の手当てを施したことで川崎は神戸に対抗しうる形となり、その結果、75分に旗手怜央の同点弾が生まれます。

旗手は最初の失点時に自身が見ておかなければならなかった西に抜け出されてシュートを打たれてしまい、一時は逆転弾となった2失点目は西を警戒するあまり、フリーで持ち上がったダンクレーの警戒を怠り、ドウグラスへのクロスを上げられてしまいました。後者は旗手だけの責任にするのは酷かもしれませんが、こうした悔しい状況下で、リーグ戦初ゴールという結果によってチームを救えたのは大きいと言えます。

川崎は最後まで攻撃の手は緩めませんでしたが、クロスが乱れて勝ち越しとはなりません。一方、後半は攻めに転じたためにカウンターを食らいやすくなる中、神戸がフィニッシュの精度を欠いたこともあり、2-2の同点で試合は終わりました。

苦しい敵地での連戦で連敗をしなかったことは今後に向けて意味のある結果であり、独走態勢とは言い難くなったものの、首位チームとして最低限の結果を残してホームに帰ることができました。