3ヵ月前と比較すると、両チームのキックオフ時にピッチに立つ選手、両ベンチ入りメンバー、浦和の指揮官、そして審判団に一部変更がなされ、ピッチコンディションと気候が改善された環境で、45分限定の熱い戦いが繰り広げられました。

互いにいつも以上に強度高く圧力をかけ合う中で、すでに1点ビハインドの川崎はまず同点に追い付くことを最優先に考えます。

ゆえに時間をかけずに前線にボールを送る機会も多くなり、必然的にじっくりつないで様子を見ることは少なくなります。

その勢いの中で、大島僚太が倒されて浦和のボックス付近で得たフリーキックを起点にして、試合を振り出しに戻しました。

三浦颯太の最初のプレースキックからは得点にならなかったものの、セカンドボールを活かして再び三浦まで戻り、上げたクロスを小林悠が合わせます。

背番号11は、マリウス・ホイブラーテンの前で頭を合わせ、西川周作の頭上を通るコースに飛ばしてネットを揺らしたのです。

前半出ていた脇坂泰斗が再開までの間に負傷して出られないがために、小林は起用されて鬼木達監督の期待に応えた形です。

大島が再開して11分で河原創と代わり、その河原のクロスにまたしても小林がすばやく合わせた場面は、惜しくもゴールを外れます。

ホームの浦和も当然ながら防戦一方にはならず、8月に行われた前半の段階で得点を挙げていた渡邊凌磨を中心に、川崎ゴールへと攻め込んできました。

川崎にとって最大のピンチは、サミュエル・グスタフソンのワンタッチの展開から渡邊が運び、松尾佑介がシュートを放ったシーンです。チョン・ソンリョンの手も届かないボールは、ポストを叩いて外れます。

短い時間ながら交代枠を使いつつ、最後まで試合を優位に進めた川崎でしたが、浦和の守備は固く、肝心の逆転弾は奪えません。ラストプレーとなったコーナーキックも活かし切れず、勝ち点1を獲得するにとどまりました。

とはいえ、直近の京都サンガF.C.戦は追い付かれてのドローだっただけに、劣勢から再開した45分で追い付けたのは収穫になったはずです。