最後の最後まで勝ち点獲得の可能性を残したホーム開幕戦でした。しかし、開始30分で3失点を喫したことが大きく響きます。

特に高井幸大が平川怜にボールを奪われて、ジャーメイン良にフリーで決められた2失点目は、看過できないミスが起こった形です。

山東泰山戦でも最終ラインでの似たようなエラーがあり、川崎の失点パターンになりつつあります。今後も対戦相手がセンターバックに迷いなくプレスをかける場面は増えるでしょう。

とはいえ、3点ビハインドから60分までに追い付く力はさすがでした。相手のミスを逃さない姿勢、エリソンの決定力が光ります。

その中で、前半のうちに1点返せたことで、ボールを動かすエリアがミドルゾーンから前に移るようになりました。次第にマルシーニョが生きる形も増えます。

ハーフタイム明けに瀬古樹が左インサイドハーフの位置に入ると、機敏にピッチを動き回り、さらに攻撃にリズムを生み出します。2点目のコーナーキックは、脇坂泰斗に変わって瀬古が蹴ってアシストを記録しました。

三浦颯太のサイド突破を起点に3-3にした後は、磐田にPKを2本献上。いずれもジャーメインに決められます。

最初のPKの直後は、勝負の4枚替えで出てきた山田新がリカルド・グラッサに倒されてPKを獲得。山田がボールを譲らずに志願して決め、一旦は4-4の同点に追い付きました。しかし、三度追い付くことはできません。

PKに際してVAR判定に時間がかかり、最終的に15分を超えるアディショナルタイムが設けられるも、川島永嗣の好セーブもあって肝心のゴールが奪えませんでした。

ホームでの公式戦は、これで2戦連敗です。どちらも点の取り合いになりながら、終盤に屈しています。次もホームで戦えるだけに、嫌な流れはきっちり払拭しなければなりません。