堅実にゲームをスタートさせ、残り15分で無理をして、先制後は再び堅実にクローズするはずでした。しかし、アディショナルタイムに痛恨の同点弾を食らって勝ち点3獲得の道が途絶えてしまいました。

シーズン終盤にしてチームとしての勝ちパターンがつくれない川崎は、上に上がれず苦しい立場にいます。

セレッソ大阪戦で後半を0に抑えた4人で最終ラインを形成。3列目には河原創と橘田健人を並べて、まずは失点をしないという最低限の目標をクリアするための人選で臨みました。

どちらかと言えば守備に重きを置いたためか、前半は川崎の攻撃に迫力がありません。橘田や脇坂泰斗がボックス外からミドルを放つも、スベンド・ブローダーセンに難なく阻まれます。

43分、右サイドに流れた河原がポケットから緩いクロスを上げ、エリソンがヘッド。この前半最大の決定機もブローダーセンに止められました。

スコアレスで折り返したものの、いい流れがつくれた川崎。その勢いを加速させて後半は攻勢に出ます。伊藤達哉が躍動し始めて、中盤は完全にホームチームが制圧。ただしフィニッシュの力が足りません。

66分、長谷部茂利監督はマルシーニョとエリソンに代えて、家長昭博とラザル・ロマニッチを投入。さらに岡山ゴールに攻め込もうとします。

それでもゴールに届かないため、指揮官はさらなる決断をします。橘田と脇坂を下げて、山本悠樹と大関友翔を入れました。さすがに脇坂を残して河原を下げることまではしませんでしたが、守備の安定を捨てて勝負に出ました。

結果として、この策は当たります。山本のシュートは松本昌也に当たってコースが変わり、ゴールネットを揺さぶったのです。

あとは逃げ切るだけでした。そこで伊藤に代えて田邉秀斗を同じポジションに入れます。左サイドの守りを固くする意図が見られます。

しかし、松本に同点ゴールを決められた際、彼についていたのは田邉でした。勝つために絶対に死守しなければならない場面です。

最後の交代策が裏目に出た川崎は、ジェジエウを前線に上げて勝ち越しを目指しますが、実らずにタイムアップ。勝ち点1を分け合う結果になりました。

次の試合まではまた3週間ほど開きますが、なかなか光が見えない現状では、立て直すのは難しいかもしれません。