あとは逃げ切るだけ、のはずでした。

113分、山根視来の左足のパスに反応した小塚和季が懸命に折り返し、小林悠が決めた、川崎が総力を挙げて奪った1点を守り切れば決勝に進むことができました。

ところが遠野大弥が負傷により座り込み、ピッチを後にしたことでリズムが崩れ始めます。すでに交代枠を使い切っており、送り込むフィールドプレーヤーがベンチに残っていない川崎は10人で戦うことになったのです。

結果、アディショナルタイムにスローインを起点にフリーの下田北斗から高精度のクロスが上がり、前線に出てきていたエンリケ・トレヴィザンが頭で合わせて同点に追い付かれてしまいます。120分で8本目のシュートでした。

リスタートきっかけの対応の遅れ、負傷退場に伴う動揺。いずれも先日の横浜F・マリノス戦で露呈した悪い部分を再び繰り返すこととなりました。

流れは完全に大分に移ります。PK戦はどちらに転んでもおかしくない決着方法ですが、この日好セーブを連発した高木駿が立ちはだかるゴールはここでもこじ開けるのが難しく、チョン・ソンリョンもPKストップで応戦しますが及びません。

90分で仕留められず、延長を含め28本のシュートを放ちながら1点しか奪えなかった川崎は、苦労しながら勝ち抜いた大会から去らなくてはならなくなりました。

裏返せばそれだけ大分の守備が堅固だったと言えます。脇坂泰斗、大島僚太のミドル、旗手怜央のボックス内でのシュートをことごとく止めた高木のプレーも見事でしたし、4-3-1-2のシステムで中央を厚くした守備網は簡単には崩れませんでした。分厚い守備を前に山根とレアンドロ・ダミアンのホットラインも開通しません。

最終的には前線と中盤をそっくり入れ替えて戦いましたが、1点どまりでした。同点に追い付かれてからも怒涛の攻撃を見せたものの勝ち越し点は奪えずに終わります。

これで今シーズンは終了となります。想像していたより1週間早く終わった格好ですが、オフが早くなったことをポジティブに考えて、気持ち新たに来シーズンに向かってほしいところです。