1勝2分1敗。

最高の景色を見るために挑んだ日本代表。しかしながらこれが今大会の偽らざる結果です。ネーションズリーグがあるために親善試合を組みづらいヨーロッパ勢に2分け、プライドを刺激された南米の王国には20年前と同様に逆転負けを喫しました。

現状のベストメンバーを用意した日本は、立ち上がりに奇襲をかけます。東京スタジアムでの前回対戦時には後半からかけたハイプレスを冒頭から開始。セレソンを一気に追い詰めて先制点を狙います。

それがはまらずに終わると、ミドルサードで構えつつ機をうかがいます。チャンスが来たのは29分、佐野海舟がボールを奪い、そのままボックス外からミドルを放つとボールはネットを揺さぶりました。代表ではまだゴールのなかったMFによる先制点です。

しかし、以降はほとんどブラジルにゲームを支配されました。特に後半に入ると、中央にポジションをとることが多かったビニシウスを得意の左サイドに張らせ、中央には入ったばかりのエンドリッキを置き、ラフィーニャが負傷でいない右からはクロスを連発。時にはハーフスペースからガブリエウのクロスも織り交ぜてきます。そして56分、アーセナルに所属する世界屈指のセンターバックのボールを、カゼミーロに合わされて追い付かれます。

失点後は鈴木彩艶の懸命の守備に救われていたものの、このままでは決壊しかねない日本。そこで森保一監督が手を打ちます。66分に堂安律と中村敬斗がプレーしていた両ウイングバックを、菅原由勢と鈴木淳之介に代えました。これが勝負の分かれ目になったかもしれません。

片方だけでなく、大外を両方とも守備力強化にしたことで、ブラジルはなおさら前に出てきます。

すると日本の指揮官は鎌田大地を下げて田中碧を入れます。同時に伊東純也に代えて町野修斗を入れはしましたが、理由はどうあれ、攻撃で変化をつけられる選手がことごとくピッチからいなくなってしまいました。

こうなると防戦一方になり、引き分けで延長突入はできても勝ち越す可能性は下がります。結果的に田中のボックス付近でのボールロストがきっかけだったとはいえ、アディショナルタイムの失点は必然だったと言えます。

日本の攻撃力を支える選手の不在もありますが、後半はミドルサードまではボールを進められても肝心のファイナルサードで効果的なプレーは披露できませんでした。それはグループステージの出来からは決してスーパーなチームとは言えなかったブラジルが、百戦錬磨のカルロ・アンチェロッティ監督指揮のもと、負ければ終わりのノックアウトステージに入って本領を発揮したからでしょう。

日本が再び頂上に挑むにはまた4年、あらためて一から努力をしなければなりません。そしてワールドカップのノックアウトステージを勝ち上がる、という一つの大きな壁を突破しなければ先は見えません。