マルシーニョの得点によって、今季のリーグ戦では初めて先制に成功したものの、後半開始からわずか5分で逆転を許し、そのまま敗れてしまいました。

序盤は川崎がアタッキングサードに侵入する場面がほとんどなく、鹿島には逆に中盤で引っ掛けられて攻め込まれます。

前段階のビルドアップにも苦しみますが、36分の先制時はそれがようやく形になりました。特に右の大外に開いた脇坂泰斗から家長昭博への浮き球のパスが効いて、抜け出した家長がシュート。これは早川友基に防がれるも、こぼれ球に反応したマルシーニョが正確にゴールをとらえました。

前半はリードしたまま無難に終えます。

それだけに後半の入りを誤ったのが悔やまれます。川崎が決定機になりかけた直後、植田直通からのロングボールの処理がうまくいかず、最後はアレクサンダル・チャヴリッチに決められ追い付かれました。

さらに自陣でのボールロストの後、名古新太郎の懸命のクロスがクロスバーを叩き、落ちてきたボールを鈴木優磨に押し込まれます。

鬼木達監督はすぐさま佐々木旭を送り込んで、まず右サイドの守備の安定を図ります。橘田健人はアンカーにポジションを戻しました。

反撃に転じるための態勢を整えた川崎ですが、60分を待たずにジェジエウが足をつらせてしまい、大南拓磨との交代を余儀なくされます。

ただこの試合のベンチにはDFを多く入れており、ジェジエウに関しては遅かれ早かれ交代する流れを想定していたと思われます。

大南とともに遠野大弥、小林悠も投入され、サイドからのクロスも増えますが、チャンスには結び付きません。

苦しい状況を悪化させたのは、マルシーニョの退場でした。残り15分の場面で2枚目のイエローをもらい、ピッチを去らなければならなくなります。

1点差とはいえ10人での戦いは厳しく、鹿島の密集した守備を一向に崩せません。ポケットを取ることはほとんどなく、確実さを重視したのか、効果的なミドルシュートも見られません。

終盤はとりたてて決定機と呼べるシーンのないまま、タイムアップを迎えました。中断前の試合だっただけに勝って五分に戻したいところでしたが、黒星が続きます。